今年でデビュー30周年を迎え、新曲「女は抱かれて鮎になる」(TBS系金曜ドラマ「神の舌を持つ男」主題歌)=ユニバーサルミュージックから8月17日発売=がヒット中の演歌歌手・坂本冬美(49)が15日、東京・渋谷区のNHKホールで「坂本冬美 30周年リサイタル〜今日から明日へ〜」と銘打った30周年記念リサイタルを開いた。
この日を迎えて、「デビューのきっかけをつくってくださった恩師・猪俣公章先生との出会いがあり、一時、歌をお休みしていて、復帰するにあたって二葉百合子先生に歌をご指導していただきまして、猪俣先生が生みの親なら二葉先生は育ての親だと思います。そして、お友だちもそうですし、スタッフもそうですし、ファンの方もそうですし、本当に大勢の方に支えていただいて今日の日を迎えられたと思います」と感謝感激。
今回のリサイタルは「30周年の集大成といえば集大成ですが、また次の年につながるような第一歩になるようなリサイタルにしたいですね。30周年は一つの通過点でもあると思いますし、今日まで30年積み重ねてきて、一つの節目として、このような素晴らしいホールでリサイタルをやらせていただけるのが何よりも幸せなことです」。
3500席の会場は、熱烈なファンで満席の中、「あばれ太鼓〜無法一代入り〜」「能登はいらんかいね」を歌った後、「30年間、皆さまに応援をいただきました。30周年のリサイタルでこの日本一のNHKホールという舞台に立てることが何よりも幸せです。また、そのステージを今日お越しの皆さまに見届けていただける、こんな幸せなことはありません。本当にありがとうございます。30年間の感謝の気持ちを込めて最後まで精いっぱい歌わせていただきます」とあいさつ。
30周年記念曲「北の海峡」をはじめ、「祝い酒」「また君に恋してる」「愛はかげろうのように」「羅生門」「女は抱かれて鮎になる」「火の国の女」、それにアンコールで「夜桜お七」など全20曲を熱唱。
途中、彼女の歌の師匠でもある二葉百合子の十八番「岸壁の母」を「母の叫び入り」で披露。戦地に行った息子の帰りをひたすら待ち続ける母親の胸の内を熱く語りかけながら約14分にわたって感動的に歌い上げた。
そして、「今年は、またこのステージ(NHK紅白歌合戦)に帰ってこられるよう頑張りたいですね。それが応援してくださる皆さまへの恩返しだと思っていますから」と話していた。
10月1日から同26日まで東京・明治座で「歌手生活30周年特別公演」を上演。10月5日には、演歌の名曲全10曲をカバーしたニュー・アルバム「ENKA〜情歌〜」(ボーナストラック2曲「北の海峡」、「女は抱かれて鮎になる」を含む全12曲収録)を発売する。