4月の大阪公演を皮切りに刊行されたナイトメアの全国ツアー『CARPE DIEMeme』。6月21日、25公演目のファイナルが豊洲PITにて開催された。本公演は3月25日にリリースされたフルアルバム“CARPE DIEM”を引っ提げたものであると同時に、彼らの結成15周年を掲げたアニバーサリーツアーでもある。その集大成ともいえる節目をお祝いするために駆け付けたファンたちで、会場は開演前から独特の熱気に包まれていた。
暗転するとメンバーが一人ずつ登場。アルバムのリードトラック“Quints”から早くも会場のテンションは上がり、YOMIが「魂は一つだろ?今日はラストまで盛り上がっていこうぜ!」と呼びかけると大歓声がそれに応えた。“恍惚”ではYOMIが柩にチュッとキスをするおちゃめなパフォーマンスがありつつ、思わずステージから足を踏み外し、照れ笑いを浮かべるシーンも。ライブならではのハプニングに会場も沸いた。“Cherish”“Demand”と続きアップテンポなナンバーではしゃいだり、“fade”では切ないメロディと歌詞に聞き入るファンの姿。また今回は15周年ということもあり、日本テレビ系アニメ「デスノート」の主題歌にもなった“アルミナ”と“the WORLD”が久し振りに披露された。新曲とはまた違った馴染み深い曲に、嬉しそうな表情が浮かべるファンもいた。
MCでは、YOMIが「柩とチュッってしてたの見えた?あれで盛り上がって腰砕けしちゃった。そういうことにしておいてね(笑)。」と先程のハプニングの弁明も。また、Ni〜yaのベースアンプの上になぜか日本酒の一升瓶が置かれていたことに突っ込むと、すかさず会場からはNi〜yaコールが。瓶ごと日本酒を飲む男前な姿に黄色い声があがった。お酒も入りパワーチャージしたところで、早くもライブは終盤に。“404”“極上脳震煉獄・弐式”と重低音が気持ち良いロックチューンが続き、“Siva”へ。幻想的な浮遊感と、案反する緊迫感が交錯する独特な世界観にファンは酔いしれていた。
本編が終わるとすぐにクラップが起こり、アンコールに応えたYOMI以外のメンバーが再びステージに登場。定番の“KENKA DRIVE”でメンバーの一体感とグルーブが会場を包み、YOMIも登場。“東京傷年”“My name is “SCUM”〜the DOOL〜the FOOL”とライブの定番曲を中心としたメドレーで怒涛のパフォーマンスを見せた。
終わりかと思いきや、Stevie Wonder“Happy Birthday”のBGMに合わせてステージにケーキが登場!3日後に控えたNi〜yaの誕生日をみんなでお祝いするというハッピーな展開に、ファンから歓声と拍手が起こった。「ライブでみんなに誕生日を祝ってもらえてうれしい」と感謝を表したNi〜ya。そのお礼に、アコースティックギターで長渕剛“トンボ”を披露するも、途中でコードを忘れて断念するというアクシデントも。そんな和やかな雰囲気も彼ららしい。最後にメンバー5人で祝福のビールを飲みほし、いよいよファイナルへ。
ライブの人気曲“極東乱心天国”を披露し、Ni〜yaを挟んでメンバーがステージ中央に集結。サビではファンも大合唱し、今まで以上の一体感が生まれた。
全21曲を終えメンバーがステージを去るも、アンコールは鳴りやまない。しばらくすると、「残念ながら今日の公演はこれで終わりです(笑)。みんな、本当にありがとう。またな!」とNi〜yaから異例のアナウンスが。会場からは再び笑いが起こり、かくしてツアーファイナルは幕を閉じた。
その後、NIGHTMAREは8月16日の福島公演を皮切りに、メンバーの地元仙台も回る「NIGHTMARE 15th Anniversary Tour 東北より愛をこめて」を開始する。
このツアーは、地元の東北を元気に、感謝を込めた東北6県全てを回るツアーで、最終公演は8月28日、29日「仙台MACANA」。
このライブハウスは、メンバーが結成して間もない頃から活動していた定員250名のライブハウスでのライブになる。
今回のアルバム“CARPE DIEM”とは、「今を楽しめ」という意味のラテン語だという。これは15周年を迎えた5人の、今ある一つの答えなのかもしれない。過ぎ去った過去に囚われず、かといって「明るいであろう」未来に希望を馳せたりもしない。彼らにあるものは「今」この一瞬で、それを全力で表現しているのを感じ取れた。ナイトメアはこれからどこへ向かっていくのだろう?そんなことは気にせず、目の前にある5人の姿を、音を、空気を、ただ感じていればいい。終演後の凛とした空気に響く拍手に、そんな事を感じた。
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