5月9日にリリースされた1st mini album『METEO』が高い評価を集め、多くのメディアでインタビューが組まれるなど、今、もっとも注目を集めるユニットEA。この度、同作収録曲の「ひので」が、7月に完成が予定されている原発絵本プロジェクト『この国にひかりが満ちるまで』へ提供されることが発表された。
「原発絵本プロジェクト」とは、これまでの日本に、原発が根付いてきた過程を、だれにでも分かる優しい物語にして伝えると同時に、売り上げで福島の子どもたちの健康を支援するというプロジェクト。
偶然このプロジェクトを知ったEAサイドが、そのコンセプト、そして、絵本作家ひだかきょうこ氏が描く絵を見て、自分達の楽曲「ひので」とあまりにイメージが重なったため、楽曲を是非、電子絵本の中で使用してもらえないか、と申し出たことがきっかけで、今回の提供が実現。同プロジェクトの発起人であり、絵本の文も担当する小野美由紀氏によると、
「(申し出を受けて聴いた)「ひので」は、本当に、曲も歌詞も絵本のイメージにぴったりのもので、特に、ボーカルのマイカさんが書かれた「ひので」の歌詞や楽曲から受け取るメッセージについては、震災以降の私たちのプロジェクトメンバーの心象と重なる部分が大きく、全員一致でこのお二人にお願いしよう、と決定しました。」
というほど、運命的な出会いであったようだ。
実は、EAにとって「ひので」は特別な1曲で、『METEO』収録楽曲のレコーディングが2010年末頃から始まっていた中で、最後に収録することが決まった曲であり、まさしくその制作期間中に発生したのが、昨年の東日本大震災であった。実はその日3月11日に撮影する予定であった、彼らにとって初のアーティスト写真の予定も急遽キャンセルとなり、その後予定されていたLIVEやレコーディングなどすべての予定が1度白紙になるなど、音楽活動をどう続けていくのかもわからない状況となり、様々な思いが頭を巡る中、vo.のマイカ・ルブテは制作中であった楽曲の歌詞を、震災後の思いで、すべて書き直し、アレンジも一からやり直して完成させたのが、現在、聴くことが出来る「ひので」なのだ。アルバムの中でも異彩を放つこの曲は、テノリオンにグランドピアノ、ギターというEAならではの不思議なサウンドに仕上がっており、また、マイカの綴る、静かなる決意と優しさに満ち溢れた歌詞も印象的な1曲として、支持の高い1曲となっている。
EAのメンバー、マイカ・ルブテとシンヤ・サイトウは、今回、原発絵本プロジェクト『この国にひかりが満ちるまで』に「ひので」が使用されることについて、以下のコメントを寄せている。
「今回、私たちの「ひので」を原発えほん「この国にひかりが満ちるまで」に使って頂けること、このような形で物語とともに皆様の耳に届いてくれることにとても感謝しています。私たちの中でも特別な存在だった「ひので」は、曲が出来てから完成までに時間がかかり歌詞を震災後に納得のいくまで書き直したりもしていて、原発えほんへの楽曲の提供が決まったときは、この曲にとって最良な居場所が与えられたような気がしました。私たちミュージシャンに出来ることは、いつの時代も音楽を作ることと奏でることしかなく、非力に感じることもあった昨今でしたが、こうして、自分たちの行動が少しでも力になれたことをとても誇りに思っています。」
昨年12月には、東日本大震災で被災した福島の子供たちの支援活動を続けている清水“Shimmy”ひろたかの呼びかけによるチャリティイベント「子供達をたすけなきゃな!」にも出演するなど、自分達なりの支援活動を続けてきたEA。
原発絵本プロジェクトと共に、彼らの思いが詰まった「ひので」が多くの人の耳に届くことを願いたい。
<関連リンク>
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■原発絵本プロジェクト オフィシャルホームページ