ニュージーランド、南島のクライストチャーチで、日本人留学生28人を含む185名の犠牲者、そしてCTVビルなどの建物や教会の倒壊など多くの甚大な被害をもたらした「クライストチャーチ地震」から1年を迎えた22日、クライストチャーチ市議会主催の追悼式が都市の中心部で行われ、日本人を含む犠牲者の遺族や市民ら約8万5000人が参列しました。この日朝は政府主催の式典も行われ、キー首相は「私たちは協力し、前に進んでいくことができる」と述べました。
追悼式にはキー首相を始め、アナンド総督、パーカー市長らが出席し、犠牲者への追悼の言葉を述べました。市内の学生らによる演奏とともに犠牲者185名の一人ひとりの名前が読み上げられ、地震の起こった12時51分から2分間の黙祷が捧げられました。その後、式典の最後には、犠牲者の再生を祈り185匹の蝶がクライストチャーチの空に放たれました。 その後、午後4時30分からは、日本人の犠牲者への供養の意を込めて、デイビッド・ボーラム・スミス氏がニュージーランド大使館の協力を得ながら『カヒカテア 記念スカルプチャー』を制作し、奉納祈祷する為の礼拝式がクライストカレッジ・チャペルで催されました。そこで、日本とニュージーランドのハーフであるシンガー”JAY’ED”がニュージーランド大使であるイアン・ケネディ大使の要請を受け、日本人遺族の為の祈念式典で遺族の方々の心が少しでも安らぐようにと「ふるさと」とオリジナル曲の「ずっと一緒」を歌い、犠牲者への祈りを捧げました。
JAY’EDは日本人の父とニュージーランド人の母を持つ、ハーフのシンガーで10歳までをニュージーランドで過ごしました。その後、大阪府箕面市に引越して来たのちに、阪神淡路大震災を経験しました。そして昨年2月22日にもう1つの母国であるクライストチャーチでの大震災による被害に人事ではないという想いで何かアクションを起こしたいと考えていた矢先に、3月11日にイベント出演の為に訪れていた茨城県水戸市で東日本大震災を体験しました。 2012年は日本とニュージーランドの国交60周年にあたる記念の年であり、両国とも昨年大きな地震を経験した国で、共に復興へ向けて歩み始めた年です。このクライストチャーチでの地震でニュージーランドの方も多くの被害を受けているにも関わらず、日本に対して、留学などで訪れている日本人に対して、個人や企業として、国家としてとても親切に支援していただいていることに感謝すると共に、ニュージーランドで共に復興に向けて歩むその現状を日本にも伝えようと取材を行うことになりました。
その際に、ニュージーランド大使館へご挨拶に訪問したことをきっかけに、2月22日にクライストカレッジ・チャペルにて催される礼拝式で日本語で歌を歌って欲しいとの要請を受けました。日本とニュージーランド、2つの国のアイデンティティを持つ存在であり、またシンガーとして多くの人に歌でメッセージを伝えるという文化的な役割を担う存在として出来ることをやりたい、というJAY’EDの強い希望もありプロジェクトに参加することになりました。
今回の礼拝式に寄せてオリジナル曲である「ずっと一緒」と「ふるさと」の2曲を『ご遺族の心が少しでも安らぐように、そして犠牲となられた方々がふるさとへ導かれますように』との祈りを込めて歌いました。「ふるさと」はこの曲に込めた想いを遺族の方々、そして犠牲者の方にしっかりと届けたいと、アカペラで歌い、チャペルには暖かくも心に染み入る歌声が響きわたりました。
まだ目に見える復興は少なくとも、そこに暮らす人々はもちろん、クライストチャーチに想いを馳せるすべての
人があの大地震から1歩大きく歩み始めていることを強く感じさせられる1日となりました。
実施日程:2012年2月22日 現地時間16:30〜17:30 (日本時間 13:30頃)
場所:クライストカレッジ・チャペル
式典名:クライストチャーチ大地震 カヒカテア 記念スカルプチャー 完成礼拝式
配信内容:礼拝式の模様、JAY’ED歌唱時の映像(「ずっと一緒」「ふるさと」の2曲を歌唱)を予定
配信素材:E-Mailにてファイル便などを利用し、データにて送付予定
※映像協力 MUSIC ON TV!
<式次>
−ミヒ ファカタウ (マオリ歓迎)
−歓迎の挨拶と記念式の序言
クライストチャーチ大聖堂 − 聖堂司祭長 ピーター ベック氏
−カヒカテア 記念スカルプチャー 完成にあたって
デイビッド ボーラム−スミス氏
−合唱 − 翼を下さい −
カンタベリージャパニーズクワイヤー
−カヒカテア 記念 スカルプチャー マオリの意義
マナイア カニングハム氏 (作品制作者 Mrs. アナベル メンジーズ − ジョイス 代理)
−歌 − ずっと一緒 −
JAY’ED
−カヒカテア 記念スカルプチャー 奉納祈祷
マオリ代表 ツテホウヌク コラコ氏 、 聖堂司祭長 ピーター ベック氏
−お祈り
日本人牧師 渋沢憲一氏 (日本キリスト教フェローシップ教会 − クライストチャーチ支部)
−歌 − ふるさと −
JAY’ED
−合唱 − アメイジング グレイス (素晴らしき恩寵) −
クライストチャーチ日本人会女声合唱団
*この合唱をバックグラウンドに、遺族の方々を祭壇にご招待し、カヒカテア記念スカルプチャー への 慰霊追悼のお祈りを各自で捧げていただく機会をもうけています。
−祈祷
聖堂司祭長 ピーター ベック氏
記念礼拝式終了
<関連リンク>
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