「ドロレスの一周忌を偲び、人生を称えるのには、バンドとの彼女の最後のアルバムのリリースを世界に発表すること以上に相応しい方法は考えられない」
― エイリーン・オリオーダン、ドロレス・オリオーダンの母親
アイルランド出身、結成30周年のクランベリーズが8枚目にして最後のアルバム『イン・ジ・エンド』を4月26日に世界同時リリースする事を発表した。ステファン・ストリートを再びプロデューサーに迎え、全11曲のアルバムを持って、そのキャリアに相応しいパワフルな有終の美を飾ることに。
すでに公開されている先行シングル「オール・オーヴァー・ナウ」はロック、オルタナティブ、そしてキャッチーなポップ・サウンドに近いメロディーで、クランベリーズらしい楽曲に仕上がっている。
クランベリーズは、ドロレス・オリオーダン、ノエル・ホーガン、マイク・ホーガンとファーガル・ロウラーの4人組バンドで、トレードマークであるインディー・ギター・サウンドとドロレスの独特のケルティックで軽快なヴォーカル・スタイルで90年代初期のプレ・ブリット・ポップシーンに現れた。その世界的な人気の上昇はまさに隕石のごとく、「リンガー」、「ゾンビ」、「ドリームス」といったヒット曲で知られ、全世界4000万枚を超えるセールスを誇る。
2018年1月15日にボーカルのドロレスが急逝。
悲しみの漂う中ではあるが、今作『イン・ジ・エンド』は別れではなく彼女とバンドの功績を称える作品となっている。2017年5月、バンドのツアー中に制作にとりかかり、同年冬までにノエルとドロレスが作曲、デモを作成した11曲が収録される。「ドロレスはこのアルバムを作ること、そしてツアーに戻って楽曲を演奏することにとてもやる気に溢れていた」とノエルはコメントしている。
彼女の悲劇的な死を受け入れたときに、残されたメンバーは楽曲を聴き、ドロレスの家族のサポートのもとに、アルバムを完成させた。これこそが、彼らの親友であり共作者であるドロレスを称える事だと決め、プロデューサーのステファン・ストリートとアルバム制作に取り掛かった。ステファンは過去に『Everybody Else Is Doing It, So Why Can’t We?』、『No Need To Argue』を含むバンドの4作品のプロデュースを手掛けており、オリジナル・デモからのドロレスのヴォーカル周りのサウンドを作るのにロンドンのスタジオで4週間費やしたという。
アルバムはバンドからファンにとっての大きなお別れであり、クランベリーズの過去7作品と共に、相応しい場所へと導くだろう。ドロレスの母親はこうコメントしている。
「家族みんなと同じように、ドロレスのことがひどく恋しいの。特に今日はね。でもそれは、ドロレスの一周忌を偲び、人生を称えるのには、バンドとの彼女の最後のアルバムのリリースを世界に発表すること以上に相応しい方法は考えられないと思うの。ドロレスはこのニュー・アルバムをとても楽しみにしていたし、リリースが本当に待ちきれなかった。彼女はいま幸せで、この発表に喜んでいるに違いないわ。」
■プロフィール
1989年、アイルランドはリメリックで結成。当時バンドはThe Cranberry Saw Usという名前で、ヴォーカルは二アール・クイン、ベースにマイク・ホーガン、ギターにノエル・ホーガン、そしてドラムはファーガル・ロウラーで活動していた。1990年、ヴォーカルのニアールが別のバンドの活動に専念すること理由に脱退、新たに紅一点ドロレス・オリオーダンを迎えた。
地元のインディーズ・レーベルXeric Recordsで作ったデモをきっかけにアイランド・レコードの伝説的プロデューサー、デニー・コーデルの目に留まり、契約。ザ・スミスを発掘したラフ・トレードの創始者、ジェフ・トラヴィスをマネージャーに、同じくザ・スミスやモリッシー、ブラーらのプロデュースで知られるスティーヴン・ストリートをプロデューサーに迎え、1992年12月にデビュー・アルバム『ドリームス』をリリース。スウェードの全米ツアーに参加するなど広範囲に渡って精力的にライブを行った結果が功を奏し、セカンド・シングル「リンガー」が全米ビルボードチャート8位の大ヒット。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、そしてイギリスでプラチナ・アルバムに認定され、アイルランド、全英のアルバムチャートで1位を記録した。
1994年10月にセカンド・アルバム『ノー・ニード・トゥ・アーギュー』をリリース。バンドの代表曲である「ゾンビ」を収録したこのアルバムは全英アルバムチャート2位、全米アルバムチャート6位を記録。再び精力的にツアー活動を行った。1995年3月には渋谷公会堂で初来日公演を果たしている。1996年4月には3枚目のアルバム『トゥ・ザ・フェイスフル・ディパーテッド』をリリースし、全英アルバムチャート2位、全米アルバムチャート4位、収録曲「サルヴェーション」は全米モダン・ロック・チャート4週連続1位を記録した。同年5月には来日ツアーを敢行している。
2年間の活動休止を経て、1999年4月には4枚目のアルバム『ベリー・ザ・ハチェット』をリリースし、ヨーロッパ、北米、ラテンアメリカ、南アフリカと再び精力的なワールドツアーを2年に渡り行った。ファースト、セカンド・アルバムをプロデュースしたスティーヴン・ストリートと再びタッグを組んで、2001年10月には5枚目のアルバム『ウェイク・アップ・アンド・スメル・ザ・コーヒー』をリリース。続く2002年9月には自身初のベスト盤となる『スターズ:ザ・ベスト・オブ・クランベリーズ1992-2002』をリリース。2003年にはザ・ローリング・ストーンズのワールドツアーにスペシャル・ゲストとして参加している。同年9月には、メンバー個人のキャリアに専念するためバンド活動の休止を発表した。
2009年8月、クランベリーズは7年ぶりに活動再開、北米、ヨーロッパでツアーを行うことを発表。再びプロデューサーにスティーヴン・ストリートを迎え、2012年にはバンド10年ぶりとなるアルバム『ローゼズ』をリリースした。2017年4月にはアイルランド室内管弦楽団を迎え、「リンガー」「ゾンビ」など自身のヒット曲をセルフ・カヴァー、ジャケット写真もセカンド・アルバムをカヴァーした『Something Else』をリリース。オーケストラを従えたヨーロッパ、北米ツアーを発表していたが、ドロレスの健康上の理由からキャンセルとなった。
2018年1月15日、ロンドンでドロレスが46歳にして急逝。その早すぎる死に世界中から追悼の言葉が寄せられた。バンドは1周忌となる翌年2019年1月15日に8枚目のアルバムとなる『イン・ジ・エンド』のリリースを発表。スティーヴン・ストリートをプロデューサーに再び迎え、生前ドロレスとノエルが作曲、デモを作成した11曲を収録したバンド最後のアルバムを2019年4月26日にリリースする。
■商品情報
クランベリーズ『イン・ジ・エンド』
WPCR-18196 2,200円+税
4月26日全世界同時発売
https://itunes.apple.com/jp/album/in-the-end/1448776585?app=itunes&at=10l6Y8
その他、CDの購入 / ダウンロード / ストリーミングはこちら:https://Japan.lnk.to/TheCranberriesPu
1. All Over Now / オール・オーヴァー・ナウ
2. Lost / ロスト
3. Wake Me When It’s Over / ウェイク・ミー・ホエン・イッツ・オーヴァー
4. A Place I Know / ア・プレイス・アイ・ノウ
5. Catch Me If You Can / キャッチ―・ミー・イフ・ユー・キャン
6. Got It / ガット・イット
7. Illusion / イルージョン
8. Crazy Heart / クレイジー・ハート
9. Summer Song / サマー・ソング
10. The Pressure / ザ・プレッシャー
11. In The End / イン・ジ・エンド
+国内盤ボーナストラック1曲収録予定