4月20日、プリンスの命日の前夜、プリンスの追悼コンサート、“プリンス:ライヴ・オン・ザ・ビッグ・スクリーン」がプリンスの故郷、ミネアポリスのターゲット・センターで行われた。このコンサートはプリンスのリマスターされた未発表の音源や映像を体験できるのが最大の売り物である。様々な人種、年齢層の約7,000人のファンが会場に集まった。会場の一角となるフェンスにはファンから、プリンスへのメッセージ時の数々が掲載されていた。
コンサートは現地時間の8時20分にスタート。紫のコスチュームを身にまとったホーン・セクション5人を含む、バンド・メンバーが登場。メンバー紹介こそなかったものの、ザ・ニュー・パワー・ジェネレーションに在席していたメンバーが中心となっていたようだ。コンサートのタイトルのように、ステージ中央の大スクリーンにプリンスが映し出され、コンサートはスタート。サブ・スクリーンがステージの右と左にも設置されていた。「レッツ・ゴー・クレイジー」、「デリリアス」、「1999」と大ヒット曲を惜しげもなく、ステージ上の生演奏に合わせて、プリンスは熱唱してゆく。スクリーンのプリンスが「Clap Your Hands(手を叩いて)」といえば、オーディエンスは手を叩き、プリンスが手を左右に振れば、オーディエンスも手を左右に振る。
コンサートの中盤では、マイケル・ジャクソンの「今夜はドント・ストップ」を歌うプリンスが見られた。プライベートではマイケルとプリンスは親しかったということだが、驚きの選曲。この日のハイライトは、ザ・ニュー・パワージェネレーションに在籍していたシェルビー・Jがオーディエンスに「“私たちはプリンス愛してる”って聞かせて、プリンスのレガシー、人生を祝いましょう」と語りかけ、始まった「ナッシング・コンペアーズ・トゥ・ユー(愛の哀しみ)」。サプライズ・シングルとして配信になったばかりのこの曲はシェルビーが生前のプリンスとステージでデュエットしていたため、その映像がスクリーンに流れ、また実際のステージ上でも、生バンドに合わせてデュエットが行われ、とても感動的だった。
Credit: Paisley Park Studios/Steve Parke
iTunes Storeでは23日よりデジタル版シングルの配信をスタート。
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さらにピアノの弾き語りライヴをするプリンスの珍しい映像も流され、「ビューティフル・ワン」、「ダイアモンド・アンド・パールズ」という至極のバラードも披露された。コンサートの終盤は「KISS」で大いに盛り上がり、そして誰もが待ち望んでいた最後の曲に向けて、紫のスモークがステージを包み込む。生前のプリンスが使っていたと思われるラヴ・シンボルのマークを施したマイク・スタンドがこの曲のためにステージ中央に置かれる。バンドの奏でるイントロに続き、スクリーンのプリンスが「パープル・レイン」を熱唱し、紫の紙吹雪がオーディエンスの上から舞い、2時間10分のコンサートが終わりを告げた。
今回のライヴだが、全編にわたってスクリーンのプリンスが歌うというのは、正直想定していなかった。おそらく数曲はそういった趣向があるものの、プリンスゆかりのミュージシャンや豪華ゲスト・ミュージシャンがプリンスの楽曲を演奏すると思っていたからだ。結果的には、プリンス・ファンが大変満足できるライヴになったと思う。まさにこのコンサートを見る限り、プリンスの魂は今もミネアポリスにあると感じさせられた。(文責、写真、ワーナーミュージック・ジャパン)
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