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『MASHROOM2018』THE ORAL CIGARETTES、フレデリック、LAMP IN TERREN、 パノラマパナマタウン、Saucy Dog、YAJICO GIRLが競演!

イベント 音楽

オーディションによって新たな才能を発掘し、その活動をサポートしながら今これからのシーンを創出するプロジェクト「MASH A&R」。
その所属アーティストが一堂に会する年に一度の新年ロックパーティーならぬ、その1年の決起集会的ライヴイベント「MASHROOM」が、今年も1月21日(日)に開催された。

昨年までの恵比寿LIQUIDROOMから新木場STUDIO COASTへとスケールアップ。BLACK STAGEとRED STAGEの2ステージ制で、THE ORAL CIGARETTES、フレデリック、LAMP IN TERREN、パノラマパナマタウン、Saucy Dog、YAJICO GIRLと、それぞれに確固たる個性と信念をもってバンドシーンに打って出ている全6バンドが熱いステージを繰り広げた。以下、そのレポートをお届けする。

★ACT-1. フレデリック(BLACK STAGE)
LAMP IN TERERNの松本大とパノラマパナマタウンの岩渕想太の影アナによるMASHROOMの紹介を兼ねた開会宣言にオーディエンスが湧く中、トップバッターを張ったのはフレデリックだ。
1週間前にここSTUDIO COASTでツアーの追加公演2デイズを行なったばかりという、ライヴバンドとして脂が乗り切った状態で挑んだステージ。まずは1曲目の“TOGENKYO”でアップリフティングな昂揚感と一体感をフロアに生み出した後、2曲目の“ディスコプール”から一気にディープな世界観へと引きずりこんだ。赤頭隆児&三原健司のギター陣が繰り出す鋭利なカッティングと、三原康司&高橋武のリズム隊の絶妙なタメを内包するタイトなビートがガッチリ組み合った、ソリッドなダンスグルーヴを次々に投射、ストイックにフロアを揺らしながら熱を押し上げていく。
とにかく演奏の密度が濃い。勢いに乗って狂騒や歓喜を煽っていくようなプレイスタイルではなく、自分達自身が深く4人のグルーヴ、4人の音楽の深層へと潜り込んでいくような集中力によってリズム&アンサンブルの繊細なダイナミクスを具現化し、フレデリックという音楽世界の深みをより際立たせていたのが印象的だった。健司の歌も、安定感を増したサウンドの上でより自由に羽ばたいていく。特に初期からの代表曲である“オドループ”が、以前よりも格段に強靭かつクールなグルーヴを獲得することによって新鮮な表情を見せていて、この1年でバンド自体が新たな進化を果たしたことを雄弁に物語っていた。“KITAKU BEATS”のアグレッシヴな狂騒と全能感含め、彼らが次のステージへと歩を進めていることが明確に感じ取ることができたステージだった。

★ACT-2. YAJICO GIRL(RED STAGE)
フレデリックの余韻が冷めやらぬ中、RED STAGEに登場したのはYAJICO GIRL。力強くフロアを打つ重心の低い4分キックを軸に繰り広げられたショート・セッションにVo四方が飛び込んでくる形でスタートしたグルーヴィーな“Casablanca”から、天高く飛翔していくかのような伸びやかさとスピード感を併せ持つポップな歌メロが輝く“光る予感”へと展開。昨年9月にリリースされた初の全国流通盤『沈百景』をはじめ、音源では繊細でリズミカルなインディロック然としたアンサンブルの印象が強いバンドだが、この日はその内に秘めたカオティックな情動が前に出てくるようなパフォーマンスで、荒削りながらロックバンドとしての根源的な衝動を感じさせるステージで勝負していった。所属6バンドの中では最年少、未だ現役大学生であるYAJICO GIRLだが、MASH A&Rが掲げる「NEW ROCK, NEW STANDARD」というキャッチコピーを引用し、「先輩が切り開いてきてくれた道ではないところにも、僕らが道を開いていかなければいけない。挑戦の年にしたいと思ってます」と力強いMCを放つ一幕も。後半、“黒い海”では叙情的なメロディと90年代後期のオルタナティヴ・ロックを彷彿させる音像で景色を広げ、リリカルなアンサンブルと軽快な疾走感を宿した代表曲“いえろう”、そして未だ形にならない激情をストレートに迸らせるような“サラバ”で幕を閉じた。

★ACT-3. パノラマパナマタウン(BLACK STAGE)
BLACK STAGEに登場するや、自己紹介を兼ねつつもシーンに対して不敵に開戦宣言をぶちかますかのような、挑発的なヒップホップ・チューンをぶっ放して幕を開けたパノラマパナマタウン。そんな新曲“PPT Introduce”に続き、普段はライヴの終盤に持ってくることが多い“世界最後になる歌は”をいきなり投下、のっけから完全に勝ちを獲りに行く好戦的なパフォーマンスで一気に場を掌握していった。Vo岩渕想太がステージを飛び降りてRED STAGE前に設置された柵に立ち、場内の照明をすべて落として観客のスマホのライトで自分を照らし出させ、フロアを挑発。その勢いのまま、続く“リバティーリバティー”も衝動全開のアグレッシヴなプレイで畳み掛ける。ステージから轟いてくるメンバーの気迫がすごい。おそらくこの日パノラマを初めて観るオーディエンスも多かったと思うが、ギャンギャンに掻き鳴らされるギターとエネルギッシュなビートに乗って、シャウト混じりの岩渕のヴォーカルが勢いよくかっ飛んでいき、フロアの心を目に見えて鷲掴みにしていく様はとても痛快だった。「音楽シーンを、退屈をぶち壊そうぜ」「売れるとか売れねぇとか知らねえよ、俺達の遊び場を邪魔すんな!」という咆哮とともに放たれた“フカンショウ”ではフロアも巻き込んで確かな熱狂を爆発させ、締めの“ラプチャー”では、葛藤や苦悩から目を逸らすことなく、力強く自分たち自身の明日を掴むために進む決意を力強く歌い鳴らし、興奮冷めやらぬ中でステージを去った。「MASHROOMは今年で3回目の出演で、今までは出させてもらうっていう意識があったけど、今年は初めて自分達のライヴをやるっていう意識でできました。俺達がMASH A&Rを背負う覚悟でやっていきます」という宣言通り、昨年のMASHROOMとは明らかに違う、覚醒を感じさせるライヴだった。

★ACT-4. LAMP IN TERREN(BLACK STAGE)
サウンドチェックに登場して何曲か演奏した後、そのまま本編へと突入したLAMP IN TERREN。彼らが世に出る契機となった“緑閃光”を皮切りに、深淵な音像と憂いを含んだメロディを緊迫感の高いパフォーマンスで歌い鳴らし、心の底に静かに広がる孤独な憂鬱と寂寥、そしてその奥から湧き上がる想いと衝動を美しい音楽へと転化しながら目の前に壮大な景色を立ち上げる、そんな彼らの本質を響かせていく。MCで自ら「きっと歌っていけば気づくと思うから言いますが、声の調子がとても悪いです。それでも、どうしても俺はここに立ちたかった。全身全霊で、この先の未来の力を使い切るくらい、それくらいの覚悟でこのステージをやり切りたい」と告白した通り、松本大の歌は観ていて痛々しいほど本調子から程遠い状態だったものの、思い通りにならない喉に怯むことなく最後までパッションを迸らせ、時に一言一言噛み締めるように丁寧に想いを込めながら、1曲1曲を歌い鳴らしていった。配信リリースしたばかりの新曲”花と詩人“をじっくりと披露した後、“涙星群の夜”、“キャラバン”では、気持ちを前に前に出して駆けるリズム隊が、歌うようにエモーショナルなギターが、松本を支える以上に確かにこのバンドの音楽を輝かせていた。「一緒にライヴを鳴らそう、心を鳴らそう」と呼びかけて演奏されたラストソング“地球儀”を、満場のハンドクラップと共にやり切ったLAMP IN TERREN。その光景は、上手く行かない日々や現状に折れることなく自分を信じ、音楽を信じて、そんな今を覆し未来へと向かうこのバンドの真髄を露わにしているかのようだった。

★ACT-5. Saucy Dog(RED STAGE)
フロアの暗転とともに訪れた静寂の中、身を切るような孤独もどうにもならない寂寥もふと突き上げる愛おしさも、胸に渦巻く様々な感情のすべてをその透明な歌声に溶け込ませたかのような、儚くも強い石原慎也(Vo&G)の歌を大きく大きく響かせて始まったSaucy Dogのライヴ。グランプリ受賞からたった1年の間に多くの人の心を掴んだ、真っ直ぐに聴き手の心に飛び込んでゆく彼らの音楽は、シンプルに見えてその実、どのメロディにしてもどのアレンジにしても様々なアイディアを重層的に掛け合わせた上で、そこから浮かび上がってくる「これしかない」というラインだけを純度高く抽出したかのような楽曲ばかりだ。それらの楽曲達を、この1年で確かに自分達の肉体で昇華してきたことが伝わる、力強さを増したステージ。“煙”から幕を開け“wake”、“ナイトクロージング”と、一回り大きな情感を表現できるようになった3ピースのアンサンブルはもちろん、その身体の奥に沸々と滾る衝動と剥き出しの魂を露わにするかのような、強く突き刺さるような歌声を石原が轟かせていたのがとても印象的だった。最後に披露された、1年前のオーディションでも彼らのグランプリを決定的なものとした代表曲にして、けれど、その時とは比べものにならないほど深みもスケールも増した“いつか”の名演こそが、この1年で果たしたSaucy Dogの成長と、彼らが切り開いていっている確かな未来の存在を何よりも雄弁に証明していた。

★ACT-6. THE ORAL CIGARETTES(BLACK STAGE)
間違いなくこの日一番の怒号のような大歓声に迎えられて登場したTHE ORAL CIGARETTES。開口一番放たれた「MASHROOM、トリは俺達しかいないやろ!」という山中拓也の自信に満ちた宣言に相応しく、彼らが一発音を鳴らした瞬間からすでに沸点に達したかのように見えたフロアの熱狂をさらに凌駕する、今このバンドが有する巨大なエネルギーが獰猛に暴れ回る圧巻のステージを展開していった。2曲目に投下された“5150”での、フロアとステージが一体となった絶唱の嵐で1度目のカタルシスに到達。その後も、「後輩ちゃん達が鬼のように喧嘩売るライヴをしまくってたので、全員ぶっ潰して帰ります」という拓也の言葉通り、一瞬も緩むことなく、まるで食うか食われるかというような鬼気迫るテンションで”嫌い“、”カンタンナコト“、そして”狂乱 Hey Kids!!“と間髪入れずに撃ちっ放していく。客を煽り続けながら自身の衝動を解き放っていく拓也はもちろん、ステージ上を右に左に飛びながら弾き倒す鈴木重伸とあきらかにあきらにしても、不動のセンターで重量級のビートをぶっ放し続ける中西雅哉にしても、メンバーそれぞれから放出される熱量がハンパない。しかも、その4つの無軌道なエネルギーの奔流が破綻することなくしっかりとひとつの塊に昇華され、ラウドでヘヴィな鉄壁のロックサウンドがダイナミックにフロアに襲いかかっていく。ラスト、見事な完全燃焼に持っていった“BLACK MEMORY”まで、肉体的にも精神的にも強靭にビルドアップされたTHE ORAL CIGARETTESの現在地をこれでもかと浴びせかけ、その凄みをダイレクトに体感させるライヴだった。

★ENCORE. 6バンドによるカバー合戦
アンコールはMASHROOM恒例、6バンドがお互いの曲をカバーし合うというスペシャル企画!

1番手はパノラマパナマタウンによる“オドループ”(フレデリック)のカバー。といっても拓也いわく「MASHの中で一番生意気なバンド」パノラマパナマタウンが素直にカバーするわけもなく、<踊ってない夜を知らない/踊ってない夜が気に入らない>というフレーズは残しつつ、リズムもアレンジも完全にパノラマ節に作り変えて披露。続く2番手として登場したのはYAJICO GIRL、披露したのは“涙星群の夜”(LAMP IN TERREN)。こちらもリズムをYAJICOらしくトロピカル風味なダンスビートにお色直しし、涙色の星群を万華鏡のようにカラフルな星群へと展開してみせた。

3番手はSaucy Dog。しきりと「緊張する」と零しながらも(そりゃそうだろう)始めたのは、“エイミー”(THE ORAL CIGARETTES)。アレンジは比較的原曲に忠実ながらも、儚い青春性と清涼感が増したSaucy版“エイミー”にオーディエンスも大いに湧く。4番手はLAMP IN TERRENによる“いえろう”(YAJICO GIRL)で、こちらも原曲に沿いつつも、より骨太なバンドサウンドとエモーショナルな歌唱で原曲に込められたパッションを鮮やかに浮かび上がらせることに成功していた。

5番手はフレデリックによる“ラプチャー”(パノラマパナマタウン)。タイトなリズム隊に支えられて美しく舞い上がる幻惑的な健司の歌によって、不可思議な中毒性を発揮する楽曲に。ラストはTHE ORAL CIGARETTESによる“いつか”(Saucy Dog)。原曲よりもダンサブルなビートへと模様替えがなされ、オーラルとしては珍しい爽やかな風が吹き抜ける演奏で実に気持ちのいい締めとなった。

——というわけで、全アクトの豪華カバーが披露されて終演かと思いきや、まだ隠し玉が! 正真正銘のグランドフィナーレはオーラルメンバーにフレデリックの高橋武(Dr)、フレデリックの赤頭隆児(Gt)、LAMP IN TERRENの中原健仁(B)、パノラマパナマタウンの浪越康平(Gt)が加わり、さらには他のバンドメンバーも全員ステージに集結し、MASH A&RオールメンバーでTHE ORAL CIGARETTESの“LOVE”を披露。熱闘に次ぐ熱闘が繰り広げられた1日だったが、最後は1年の始まりに相応しく晴れやかな多幸感が会場いっぱいに溢れ返る中で幕を閉じた。

なお、2018年のMASH A&Rのオーディションに関する詳細は春先に発表予定。MASH A&R一同、我こそは新たなスタンダードを切り開くんだ!という気概を持った若き才能を待っています。

Photo by 白石達也

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