アルバム発売30周年を記念する「ヨシュア・トゥリー・ツアー 2017」が大好評で10月まで追加公演が続くU2。全世界待望の14枚目のスタジオ・アルバム『ソングス・オブ・エクスペリエンス』からのファースト・シングル「ベスト・シング」(原題:You’re The Best Thing About Me)が9月6日にリリースされた。
シングルのジャケットには、『ヨシュア・トゥリー』(1987)のアルバム・ジャケットの写真など長きに亘ってU2を撮り続けているフォトグラファーのアントン・コービンが撮影した、ジ・エッジ(ギター)の娘ショーン・エヴァンスの写真が使用されている。
リリース直後の日本時間9月6日夜には、このジャケットが全面に使われた告知動画が渋谷Q’S EYEビジョンで上映された。東京、ベルリン、アムステルダム、トロント、リオデジャネイロ、マドリッド、シドニーといった世界主要都市のビジョンで、同じ時間に一斉にこのジャケットが上映された。
U2は先週ファンへのサプライズ・ギフトとして、ニュー・アルバムに収録される別の新曲「ザ・ブラックアウト」(The Blackout)のライヴ・ビデオを公開。そして今週このシングル・リリースが続いた。
『ソングス・オブ・エクスペリエンス』は2014年にリリースされた前作『ソングス・オブ・イノセンス』と対になるアルバムだ。2作のタイトルは、18世紀のイギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの詩集“Songs of Innocence and Experience”(『無垢と経験の歌』)からインスピレーションを得ている。『ソングス・オブ・エクスペリエンス』のツアー・タイトルも“イノセンス + エクスペリエンス・ツアー”であった。
『ソングス・オブ・イノセンス』が1970年代後期〜1980年代初期のU2が初期の頃に受けた影響や経験についての作品であるのに対し、ニュー・アルバム『ソングス・オブ・エクスペリエンス』はボノ(ヴォーカル)の心に近い場所や、家族、友人、ファン、自分自身といった親しい人たちに宛てた手紙の形をとった曲が集められているという。
「ベスト・シング」歌詞より:
“僕の一番の取り柄は、君がいてくれること
これまでに起こったことのなかでも最高のこと
僕の一番の取り柄は、君さ
僕の厄介なところですら、君は楽しんでくれる
僕の一番の取り柄は、君がいてくれること
大切なものほど、儚くて壊れやすいんだ・・・”
9月20日には、U2の全オリジナル・アルバムの世界初となる紙ジャケット&SHM-CDシリーズが、日本のみで発売される。
多くの洋楽アーティストの名盤が紙ジャケットでリリースされているが、U2はこれまで一度もその機会がなかったので、英国およびEUオリジナル・アナログをもとにした紙ジャケットは日本のロック・ファンにとってはまさに待望のリリースといえる。そして、来たるニュー・アルバムに向けてU2のキャリアをおさらいする機会にもなるだろう。
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