お盆休み初日を迎えた8月11日、世界最大級の家具量販店で知られるIKEA Tokyo-Bay Storeはたくさんの来客で賑わっていた。家具や雑貨がセンス良く並び、ハンモックなど夏らしい装飾に囲まれたディスプレイ内では、スタッフがレイアウト作業に勤しんでいる。そんな中、ユニフォーム姿の男性がひとり、突如ヴァイオリンを取り出しメロディーを奏で始めた。すると周りにいた他のスタッフも次々と楽器を手にし、いつしかセッションがスタート。演奏が終わって「こんにちは、イケア四重奏です」と名乗った四人は、いずれも竜馬四重奏のメンバー。普段は紋付袴を正装とする彼らが、同店のユニフォームである黄色いポロシャツを身に纏っての登場は、ファンにとってはスペシャルサプライズとなった。
北欧生まれの家具に囲まれた店内での和楽器演奏、という例を見ないコラボレーションは、全世界400店舗を展開するイケアでも初めての試み。メンバーの竜馬が音楽を通して目指す平和への理念と、イケアが大切にする「平等性」「ダイバーシティ」「人権の尊重」というバリュー(価値観)が一致し、イベントの実現に至った。そんな背景もあり、第2部はライブだけでなく、竜馬四重奏のメンバーが実際に使用している楽器に触れたり演奏体験ができる、キッズ・ワークショップも開催。篠笛/津軽三味線/鼓/ヴァイオリン、それぞれの楽器の特徴をメンバー自ら解説したり、一緒に音を鳴らすチャレンジ体験を子どもたちと楽しんだ。
そしてワンマンライブ形式となった第3部のMCでは、ニューアルバム「SAMURIZE」を10月25日に発売することが発表された。日出ずる国に生まれたサムライである自分たちの魂を込めたタイトル。演奏が進むにつれ、会場となったエントランスホールは瞬く間に老若男女で埋め尽くされ、1曲毎に大きな拍手と歓声が湧き上がった。ラスト曲「RYDEEN」ではオーディエンスが一体となり、ライブは大盛況に幕を閉じた。