4月25日、ポール・マッカートニーの来日公演が東京・日本武道館で行われた。
定刻の6時半を30分ほど過ぎた7時3分に会場が暗転し、ポール・マッカートニーがベース・ギターを抱えてステージに登場。手を振って武道館を満杯に埋めた1万1千人のファンの歓声に応えた。
“A Hard Day’s Night”で幕を開け、”Jet”を演奏。「コンバンワ、ニッポン。コンバンワ、トウキョウ。コンバンワ、ブドウカーン」と日本語で挨拶し、拍手を浴びた。ビートルズ、ウイングス、ソロの各楽曲を、ベース、エレキギター、アコースティックギター、ピアノ、キーボードと演奏楽器を次々に変えて披露した。
アコースティック・ギターで”We Can Work It Out”を聴かせた後、「ずっと昔の話。ビートルズがこの場所で演奏した。素晴らしいこと」と話し、続けて日本語で「ツギハ、ビートルズ、ハツレコーディング」と曲を紹介し、”In Spite Of All The Danger”を演奏。「ザ・ビートルズ」と日本語風に発音するのがお気に入りのようで、何度か「ザ・ビートルズ」と繰り返し、1962年に本国イギリスで発売されたファースト・シングルの”Love Me Do”を演奏。さらにアコースティック・ギター1本で”Blackbird”、「ジョンニササゲマス」と“Here Today”を続けて披露すると大喝采を浴び、コンサートのハイライトのひとつとなった。
「コノキョクハ、ニホンハツコウカイ」とサプライズで演奏したのは”I Wanna Be Your Man”。「彼氏になりたい」の日本題でも知られる同曲は、ポール・マッカートニーとジョン・レノンの2人がローリング・ストーンズに提供し、ストーンズの2枚目のシングルとして1963年に発表された曲である。1966年のビートルズの日本公演では、リンゴ・スターのヴォーカルで演奏されている。
“Being For The Benefit Of Mr. Kite!”を「サージェント・ペパーズ・アルバムからの曲です」と紹介し、今年リリースから50周年を迎え、5月26日に「50周年記念エディション」が発売されるロックの金字塔『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にも言及した。
“Live And Let Die”ではステージ上の爆発、火炎放射器の熱が武道館のアリーナの後方まで届き、続く”Hey Jude”で本編終了。アンコールは”Yesterday”からの3曲で2時間に及ぶショーのフィナーレとなった。
ポールの来日公演は1990年、1993年、2002年、2013年、2015年に次いで今回が6度目。1966年のザ・ビートルズでの来日公演を加えると7回目の来日公演となる。4月27日、29日、30日には東京ドームで公演が行われる。4月29日の東京ドーム公演が、記念すべきポールの通算20回目の東京ドーム公演になる。