1970年代に1000万人が夢中になった名作アニメ「エースをねらえ!(全26話)」「新・エースをねらえ!(全25話)」のブルーレイBOXの発売が決定した。HDリマスターが施され、当時の美しい映像がよみがえる。
原作は「週刊マーガレット(集英社)」にて1973年〜1980年にわたり連載された、山本鈴美香のスポ根テニス漫画。連載と並行して、1973年にアニメ化され、少年少女を中心に社会現象ともいえる一大テニスブームを巻き起こした。主人公はテニス部に入部したばかりの平凡な高校生、岡ひろみ。楽しい部活生活を送りたいと軽い気持ちで入部したところ、コーチにその才能を見いだされ、苦しみながらもいつしかテニスそのものの面白さに気づき、困難を乗り越え、成長していく。
「エースをねらえ!」の演出を担当した出? 統監督は、「あしたのジョー」他数々の名作を送り出したアニメ界の巨匠。ストーリーの中で「人間」を描いていくことに拘った、アニメーション界の「天才」と言われた人物。主人公だけでなく、脇役のキャラクター、心情までを徹底的に描くことで知られ、それにより、物語の世界観がとてつもない深みを持ち、膨らんでいくのが特徴と言われている。また、人物の心情を、よりあぶりだすために用いた、「画面分割」や「止め絵」、「陰影の強調」など、独特の“出崎演出”と呼ばれるアニメの表現技法をいくつも生み出し、多くの後進アニメ制作者、映像作家へ影響を与えた。「新・エースをねらえ!」は「エースをねらえ!」の好評を受け、岡崎 稔監督により原作に忠実にアニメ化され、衝撃のエンディングまでを丁寧に描き、多くのファンを獲得した作品。
この作品に影響を受けたことを明言するクリエイターは多数。その1人、庵野秀明は、次のようなコメントを寄せている。
『僕は「エースをねらえ!」はアニメから入ったんですよ。最初に観たのが、高校のときの旧「エース」の再放送。やっぱり「エースをねらえ!」は出?(統)さんのイメージなんですね。旧「エース」は、まずオープニングが素晴らしかったし、話も演出も面白かったし、止めを多用した絵も凄く綺麗だった。不必要な情報を省略していく画のスタイルも新鮮でした。再放送は夕方なので、学校が終わるとすぐに帰って観ましたね。その後、原作にもかなりのめりこみました。当時も夢中になって読んだし、自分がプロになってから「トップをねらえ!」という作品を始める前に、改めて第1巻から読み直したんですが、涙が止まらなくなって、スタジオでボロボロ泣いていました。やっぱり、好きなんですね。ちなみに生涯初のLDBOX購入は旧「エース」でした。それほど、好きなんですね。あと、あれだけの内容を90分に収めている「劇場版」も最高です。映画として素晴らしいですね。』――アニメーション監督等 庵野秀明
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