9月16日(金)お台場・潮風公園(太陽の広場・野外特設ステージ)にて、水曜日のカンパネラ初の野外フリー・ライヴ〈uP!!!NEXT〜水曜日のカンパネラ FREE LAGOOOOOON!!!〜〉が開催され、会場に集った約4000人の観客を前に、主演/歌唱のコムアイが本編12曲・アンコール1曲の全13曲を約1時間にわたり披露した。
日中に降っていた小雨もあがり満月がステージ上に浮かぶなか、突如会場内に救急車の音が鳴り響くと、会場後方に救急車が到着。南米で目撃される吸血UMAをモチーフにした「チュパカブラ」のトラックが流れると、救急車後方のドアが開き、コムアイが登場。どよめき沸き立つ観客をよそに、歌い始めたコムアイの様子がステージ脇のスクリーンに映し出されると、医者の格好をしたスタッフたちがコムアイを担架に乗せ、客席中央を通りステージまで移動させていく。ステージに到着すると、北海道の地名や名物をラップに盛り込んだ「シャクシャイン」を披露。「踊れる準備はできてますか?」というコムアイのMCに、はやくも客席のヴォルテージは最高潮に達する。
「(会場がお客さんで)埋まったね! こんなに来るとは思わなかったです。でも、来るよね? 無料だから」と笑いを誘うと、「先に重大なお知らせからしていいですか? 冬にツアーをやります!!」と今年2回目のツアー開催を発表。明日から予約がはじまることをアナウンスした。
お知らせを終えると、お客さんと「いい湯だね!」というコール&レスポンスの練習をし、お風呂をテーマにした「ディアブロ」を披露。続けざまに、初期代表曲の「ミツコ」、低音がビシビシ伝わってくるベース・ミュージック「ウランちゃん」、懐中電灯を顔にあてるパフォーマンスが印象的な「モスラ」を歌うと、再び客席を練り歩いていく。会場左手後方に設置されたカレーメシステージに辿りつくと、日清カレーメシをお客さんに向けて投げ始めるコムアイ。日清カレーメシ2のマスコットキャラクター「カレーメシ2くん」が2人、リニューアルしたカレーメシくんがステージに現れ「ラー」をコラボレーション。曲を歌い終え、コムアイがカレーメシくんたちをステージから降ろすと、「私のはじめて行ったライヴは、中1、2の頃で、aikoさんのフリー・ライヴだったんですよ。ビーチでフリー・ライヴをやっていて、そのときにaikoさんが「お〜いお茶が好きだ」って言ったら、その日、お客さん全員に配られたんです。それから10年経たないうちに、自分がステージ側に立って、ビーチ際でフリー・ライヴをしていて、カレーメシも配っていて、こういうこともあるんだなと思って。なにがあるかわからないですね、人生」としみじみと語った。
再びステージに戻ると、先日Music Videoが公開された新曲「松尾芭蕉」をライヴ初披露。再びポイを使用し「水曜日のカンパネラ」の文字が浮かばせたり、バックダンサーのポイを組み合わせてフォーメーションを作ったり、光を使って魅せる演出をしてみせた。最後は水曜日のカンパネラの代表曲「桃太郎」を披露。おなじみのウォーターボールにコムアイが入り、お客さんの上を転がっていく。会場のお客さんとともに「きっびだーん」と叫び、ライヴ本編は終了。と思いきや、全員のところを回れなかったからと、予定になかった「ドラキュラ」をサプライズ披露。客席を縦横無尽に練り歩きながら「ちーすーたろかー」と歌い、最後はたくさんの感謝の言葉とともにコムアイはステージを後にした。
斬新なアイデアと最新のテクノロジー、会場全体をつかった演出で、フリー・ライヴとは思えない圧倒的なエンターテイメントを見せた水曜日のカンパネラ。冬のツアーではどんな演出を見せてくれるのか。ますます期待が高まるライヴだった。
photo by Tomokazu Yamada