アンドレア・ボチェッリが来日し、4月28日に「CINEMA WORLD TOUR 日本公演」を東京国際フォーラム・ホールAで開催した。世界が愛してやまないテノール歌手の6年ぶりの日本での公演となったこの日、来日を待ちわびたファン5,000人が会場を埋めた。
本番前にボチェッリは「日本には何度も来ていますが、そのたびに素晴らしい思い出ばかりです。今夜は全力を尽くして歌います。みなさんに喜んでいただければ嬉しいです」と語った。
カルロ・ベルニーニが指揮するオーケストラによる「カルメン」(ビゼー作曲)で幕を開け、アンドレア・ボチェッリが盛大な拍手に包まれてステージに登場。客席に向かって一礼すると、「おお、パラダイス」(マイアベーア作曲)で「世界で最も愛されるテノール」と呼ばれる歌声を披露した。「ボレロ」(ヴェルディ作曲)、プッチーニ作曲の歌劇『ラ・ボエーム』からの2曲などを歌唱。『椿姫』より「乾杯の歌」ではソプラノのマリア・カツァラヴァとのダンスを見せた。
第2部では最新アルバム『シネマ〜永遠の愛の物語』からの楽曲を次々に披露した。『ウェスト・サイド・ストーリー』から「マリア」、「ゴッドファーザー〜愛のテーマ」、『オペラ座の怪人』から「ミュージック・オブ・ザ・ナイト 」などの有名曲の連続に、会場からの拍手も最高潮となった。「魅惑の瞳」を歌い終えると「アリガトウ」と日本語で小さく感謝を述べた。
「ビー・マイ・ラヴ」を歌い上げた直後には、指揮のベルニーニと肩を組んで客席に深々と一礼。大きな拍手を浴びた。
スペシャル・ゲストとしてサラ・オレインが登場。『シネマ〜永遠の愛の物語』にはボーナストラックで参加したサラが、ソロで「ニュー・シネマ・パラダイス」を歌い、さらに「チーク・トゥ・チーク」「大いなる世界」でボチェリとデュエットし、大きな拍手を浴びた。
アンコールでは『グラディエーター』より「ついに自由に」、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」、そして歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」で、2時間強のショウはフィナーレに。盛大な歓声を浴びて、ステージを降りた。