1980年にEPICソニー女性アーティスト第1号としてデビュー。透明感に溢れながらも周囲を圧倒するハイトーン・ヴォイスに加え、独特の世界観をもった歌詞とサウンドで当時和製ケイト・ブッシュとも評されたシンガーソングライター、Nachiko。彼女のオリジナルアルバム3作品が、30年の時を経て甦ることになった。
廃盤となったタイトルなどをユーザーから既定のリクエスト数を集めることによって復刻発売する、「Sony Music Shop」“オーダーメイドファクトリー”で商品化リクエストを募ったところ、瞬く間にリクエストが集まり復刻が決定。5月30日にソニーミュージックのWEBショップ「Sony Music Shop」限定でリリースする運びとなった(現在も予約は受付中 http://www.110107.com/omf )。
今回復刻されるのはデビューからサードまでの『薬屋の娘』(オリジナル1980年4月21日発売)、『お花畑は水びたし』(同1980年10月21日発売)、『髪舞』(同1982年1月21日発売)の3タイトル。それぞれにボーナストラックとして未公開曲やアルバム未収録曲を1〜3曲ずつ追加、Nachiko氏本人と3作品のサウンド・プロデューサーで元プリズムの中村 哲氏の監修のもとで最新のデジタル・リマスターを施し、高品質CD Blu-spec CD2でのリリースとなる。
内なる魂の世界と現実世界とのやりとり、そして本という中に閉じ込められてきた“文学”を音に昇華し、表現してみせた3枚のアルバム。無償の「愛」を大きなテーマに、文学的香気漂う比喩表現を多用し、学校教育や実社会への風刺や批判をシュールに描いて見せた。当たり前のようにレールに乗って生きていく人達に「そのままで良いの?」と呼びかける歌詞も、実に個性的だ。
そして、この3作品のサウンドを支えるのが、プリズム、四人囃子といったバンドのメンバー達による卓越した演奏であり、まさしくジャパニーズ・プログレの傑作と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっているのも聴きどころのひとつと言えるだろう。