クレジット「・立 SHINOBU IKAZAKI」
クラシックシアターとはヴァイオリニスト葉加瀬太郎が、自身が影響を受けてきたクラシック曲とオリジナル曲を交えて行うクラシック形式のコンサートで、2011年からスタートし、今回が3回目。日頃クラシックに馴染みが無い人でも、楽曲の良さ、生演奏の素晴らしさに触れる事ができると評判の公演だ。また、演奏の合間に入る葉加瀬によるクラシックについての説明や軽妙なトークも魅力の一つ。
ツアーが始まる前には、手にしたヴァイオリンを「可愛い顔してるんだよ」とスタッフに見せて周るなど、リラックスした表情を見せていた葉加瀬。ただ、ヴァイオリンに張る弦の種類一つでも、音の通りはどのように聴こえるか、観客に良い音で聴こえやすく、なおかつコンサートが円滑に進むようにするにはどうすれば良いかについてディベートを重ねる葉加瀬の姿が印象的だった。
2部で構成されている今回のツアー。1部は葉加瀬一人の独奏によるバッハの『シャコンヌ』で幕が上がり、2曲目は今回のツアーでどうしても演奏したかったというブラームス『ヴァイオリンソナタ第3番』、この曲はヴァイオリンとピアノの二人のみで25分にも渡る圧巻のパフォーマンス。2部は、自身の楽曲である『WITH ONE WISH』『シシリアンセレナーデ』や、クラシックに馴染みのない方でも聴いたことがあるだろうパブロ・デ・サラサーテ『ツィゴイネルワイゼン Op.20』などを熱い演奏で見せてくれる葉加瀬。MCもハイテンションで笑いを取る場面がありながらも、作曲者の人となりがわかる丁寧な解説は、楽曲にまた深みをもたせる。これもまた葉加瀬のコンサートならではの魅力だ。また、楽曲にクラシックを知らない方や、小さいお子さんでも楽しめるような仕掛けもふんだんに盛り込まれており、クラシックの入門に最適なのはもちろん、普段クラシックコンサートに足を運ぶ方でも、クラシックの違った一面を覗けるような公演となる。
始まったコンサートツアーは今月、新潟、石川、長野、仙台、福島、横浜、兵庫、北海道を巡り、4月30日(火)5月1日(水)には、東京のサントリーホールで開催される。そして5月は東京以西があり、6月2日(日)沖縄・沖縄市民会館まで25公演行われる。クラシックの新たな魅力に触れられる全国ツアーとなっているので、まだ葉加瀬太郎の生コンサートを観たことがない方には特にオススメできる。
http://kyodotokyo.com/taro2013