須藤元気率いるパフォーマンスユニットWORLD ORDERのライブが7/11と7/15に行われ、東京国際フォーラムホールAと大阪NHKホール、のべ8,000人以上の観客を魅了した。
スーツに 7・3分け、眼鏡といった日本のサラリーマンスタイルで、一糸乱れぬロボットダンスを披露するWORLD ORDER。「TVでWORLD ORDERを見知った方々は、このライブを観てびっくりすると思う」というメンバーの言葉通り、その前衛的な趣向を凝らしたパフォーマンスは、これまでの 常識と秩序をくつがえすものだった。
「MACHINE CIVILIZATION」、「2012」、「AQUARIUS」など、6/20に発売された2nd.アルバムの曲に加え、「MIND SHIFT」、「BLUE BOUNDARY」といった1st.アルバムから人気の高い曲が、迫力の生演奏で紡がれる。MVとして公開されていない振り付けを観ることができたのも今 回のライブの醍醐味だ。とくに、アレンジの効いた楽曲にのせて披露されるメンバーのソロパフォーマンスは、指先までみなぎった気迫を感じさせ てくれた。
気鋭のパフォーマンスグループ、「グラインダーマン」を演出に迎えたステージは、ライティング、音響ともにWORLD ORDERの世界観を余すことなく引き出していた。何千人もの観客が、固唾をのんでステージの一点を見つめるという瞬間が幾度もあったのがその証拠だ。唯 一のMCパートでは、「芝居」とも呼べる須藤元気の朗々とした台詞回しのうしろで、黒い立方体の箱をかぶったメンバーが、互いに規則正しく動 き、突如倒れ、また起き上がりといった動作を繰り返す。「WORLD ORDERのテーマは、『普遍的な愛』である」と語る須藤元気の言葉はしかし途中で遮られ、ふたたび静かにパフォーマンスが始まる。
MVでは常に冷静で淡々とパフォーマンスをこなしているようにみえるWORLD ORDERが、ラスト3曲で堰を切ったように感情を爆発させ踊り狂う場面は圧巻だった。このステージが2公演だけというのが非常に勿体ない。これを目撃で きた観客はまさに幸運だ。ダンスは、音楽の添え物ではない。音楽は、ダンスの付属品ではない。ふたつのシンクロがあってこそ感動が生まれる。 WORLD ORDERがそのことを身を以て証明し、観客がそれを刻み付けた。「世界を変えたい」と結成されたWORLD ORDER。彼等が存在し続けるかぎり、未来は、まだ捨てたものではない。
文:Eureka Okada Photo:能美潤一郎
【須藤元気 Present‘s WORLD ORDER LIVE 〜2012〜】
@7月11日(水)「東京国際フォーラム ホールA」/7月15日(日)「NHK大阪ホール」
<セットリスト>
1.「History of voice」
2.「WORLD ORDER」
3.「be Men Machine」
4.「Machine Civilization」
5.「Change your life」
6. SOLO
MC
7.「Brave new world」
8. Session
9.「Blue Boundary」
10.「Aquarius」
11.「Mind Shift」
12.「2012」
<Encore>
MC
13.「Love and Everything」(アコースティック)
14.「WORLD ORDER」(アコースティック)