先月より約2年ぶりの本格的な全国ツアーを開始したロックバンドSOPHIAが14日・15日の両日、大阪で新たに生まれ変わった旧厚生年金会館、現オリックス劇場で大阪公演を行った。オリックス劇場は元々、大阪厚生年金会館として古くから多くのバンドたちが大阪の成功の象徴として通ってきたいわば聖地のような会場。おととしSOPHIAがメンバー都啓一のガン闘病によりライブ活動が休止となった全国ツアーでも公演を行った場所であり、併せて、その時のライブが旧大阪厚生年金会館として最後の公演だったという思い入れの深い場所。またロックバンドとして最多の公演数を達成している。
この14日・15日は新生オリックス劇場のこけら落とし公演であり、SOPHIAのいわば復活ツアーの大阪公演の会場にもなったという非常に意味深いものとなった。両日とも地元のファンということで、観客の盛り上がりは常に最高潮でメンバーのMCも地元話含め特に弾んでいた。さらに地元大阪での久しぶりのツアー公演ということで、通常とは違ったスペシャルなことも用意されていた。初日の14日は公演ラスト、地元の新聞記者をステージに上げ、SOPHIA としては初めての“公開記者会見”が行われた。そして二日目の15日にはなんとライブ終了直後、Vo.松岡とG.豊田がインディーズ時代に活動していた古巣のライブハウス、旧YANTA鹿鳴館、現BRAND NEWに飛び入りのシークレットバンドとして出演するというファンにとってはこれ以上ないスペシャルなサプライズが実施された。
その日のBRAND NEWの出演者リストには『ピーターパン症候群』というシークレットなバンド名で出演情報が記載されており、このバンド名は実はSOPHIAが今年1月にリリースした最新シングルのタイトルであったのだが、当日までそれに気付く者はほとんどおらず問い合わせもほぼなかったという。オリックス劇場での最後のMC時に松岡から「大阪ということで、ゆかりのある地にいろいろ顔を出したいと思います。まずはジル(G.豊田)と一緒に出ていたライブハウスに『ピーターパン症候群』という知り合いのバンドが今日出るみたいなんでのぞきに行ってみます!」との告知がされ、これを聞いてピンときたファンがライブハウスに殺到することとなった。
入場制限一杯、会場を埋め尽くすラッキーな約400人。そこに現れたのは見慣れた5人のシルエット。「どうも、ピーターパン症候群、通称”ピタパン”です(笑)」天井、そして目の前の観客に手の届くほどの間近に立っていたのは間違いなく、さっきまで2400人の前で全開のパフォーマンスをしていたSOPHIAだった。疲れを感じさせるどころか、さっきにも増してライブハウスならではのアグレッシブなパフォーマンスを見せてくれる5人。高架下の小さなライブハウスは大きく揺れることとなった。6オリックス劇場では披露されることのなかったデビュー時の懐かしい曲から代表曲”街”まで予定外のアンコールも含む全9曲を完全熱唱。「このライブハウスと、当時の店長がいなかったら今の僕たちはなかった。ここでこうしてまたライブが出来て本当にうれしい」そんな松岡の言葉で締めくくられた一夜の夢のようなオンステージ。
SOPHIAが地元大阪に復活の宣言と感謝の想いをありったけ全力で表現することとなった二日間。彼らが多くのファンの心を掴んでやまない理由がそこにはあった。
■ライヴ情報
SOPHIA LIVE 2012 “rainbow wizard night”
4/14(土)、4/15(日) 大阪:オリックス劇場『オリックス劇場記念公演』
5/3(木・祝)、5/4(金・祝) 東京:渋谷公会堂
SOPHIA LIVE 2012 “Peter pan Syndrome night”
3/24(土) 埼玉:三郷市文化会館
3/30(金) 新潟LOTS
4/1(日) 横浜BLITZ
4/4(水) 神戸チキンジョージ
4/5(木) 神戸チキンジョージ
4/7(土) 広島CLUB QUATTRO
4/22(日) Zepp Nagoya
4/28(土) 福岡DROUM LOGOS
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■SOPHIA オフィシャルサイト