井上実優 ビデオ・メッセージ
井上実優「この空の果て」(テレビ朝日系木曜ミステリー「科捜研の女」主題歌) Music Video Short Ver.
幅広いジャンルの楽曲を歌いこなす圧倒的歌唱力で人々を魅了する二十歳の実力派シンガー・井上実優が、ニューシングル「この空の果て」をリリースする。歴史ある人気シリーズドラマ『科捜研の女』の主題歌としてオンエア中の今作は、井上実優といしわたり淳治が共作で歌詞を書き下ろし、彼女の多くの楽曲を手掛けるミワコウダイの作曲による壮大なバラードナンバー。主演の沢口靖子も「井上実優さんの歌声はのびやかで美しく、また壁にぶつかっても逞しく生きようとする力強さが伝わってきました。ドラマのエンディングを大きく暖かく包んでくれることと思います!」と太鼓判を押す1曲だ。ということで、井上実優に直撃インタビューを行い、いしわたり淳治との共作エピソードや二十歳の素顔が満載のミュージックビデオの撮影裏話を聞いた。1月より自身初となるラジオのレギュラー番組も放送が始まり、新春から幸先の良いスタートを切った彼女の動向から今後も目が離せなくなりそうだ。
初のドラマ主題歌はいしわたり淳治と歌詞を共作
──ニューシングル「この空の果て」は、歴史ある人気シリーズドラマ『科捜研の女』の主題歌という大型タイアップです。さらに、自身初のラジオのレギュラー番組『E∞Tracks Selection~井上実優のMIYU♪SIC RADIO」も1月から放送がスタートしました。2018年は幸先いいですね。
そうですね。年明けから一気に動き出して私もすごく楽しみです。
──「この空の果て」は壮大なバラードナンバーです。資料には、デモ音源がドラマスタッフの耳に止まって『科捜研の女』主題歌のオファーを受けたとありました。
オファーを頂いた時は、もちろん信じられない気持ちでした。歴史ある大人気シリーズに参加できてとても嬉しいです。
──デモ音源から歌詞はあったのですか?
私が高校生の時に書いた仮の歌詞がありました。そもそも「この空の果て」の元となる歌は音楽塾ヴォイス時代に完成していて、大事に温めていた楽曲でした。今回、主題歌のオファーを頂いたので、あらためて歌詞を書き下ろしました。
──音楽プロデューサーで作詞家のいしわたり淳治さんと歌詞を共作されています。
私自身、初めての書き下ろしでしたので、人気ドラマの主題歌というプレッシャーもあって悩んでいた時に、自分に挑戦する気持ちも込めて、いしわたり淳治さんに詞の共作をお願いしました。
──井上さんの作詞方法は、まずテーマを決めて架空の主人公を立ててキャラクターを考えて、その主人公になりきって書くとおっしゃっていました。いしわたりさんとは、どのように進められたのですか?
沢口靖子さんが演じる主人公・マリコのキャラクターからイメージして、「強い女性」をテーマに「強くなりたい女性はどんな想いを抱いているのだろう?」と考えながら、まず私が歌詞を書きました。私自身も強くてカッコイイ女性に憧れがあるので、そこに私の想いを重ねて書きましたね。その歌詞を元に、いしわたりさんとミーティングやメールなどで何度も相談を重ねていきました。
いしわたりさんと、お会いする前は例えば会話のレベルについていけるのかと、少し不安もありました。それに、サウンドプロデューサーのミワさん以外の方と作詞をするのも初めてでしたしどうなるのだろうという想いで緊張していました。それでも、やはり自分が歌う作品ですし、ミーティングでは積極的に意見を伝えましたね。いしわたりさんは私の話を真剣に聞いて、それに対する提案もドンドンしてくれました。ドラマ主題歌を意識し過ぎないようにアドバイスやヒントを与えてくださって、私の言葉をより良いカタチに導いて頂きました。
──「足元に伸びた影は/壁にぶつかるたび すぐ立ち上がるのに」という歌詞が、井上さんらしい表現のように思います。
この楽曲で目指していた井上実優ワールドに仕上がったので、そう言ってもらえるととても自信に繋がります。歌詞に込められた想いを理解し、私自身のモノにして歌わないと人には伝わらないと思っていて。いしわたりさんからの提案に対しても理解できるまで何度も会話を重ねて仕上げていきました。いつでも、分かり易く例え話をしてくれるので、いしわたりさんとの対話を通して、どういう表現でどういう事を書けば良いのか、とても勉強になりました。狭い常識の中で歌詞を考えていた事に気付かされて、もっと語彙力を高めようという意識が強くなりましたね。
無邪気な素顔が満載のミュージックビデオ
──「この空の果て」のミュージックビデオはプライベート旅行のような映像で、二十歳の女の子らしい無邪気な素顔が満載です。どちらで撮影されたんですか?
軽井沢方面に1泊2日でロケに行ってきました。最初は、旅行の設定とはいえ撮影ですし、ずっと撮られ続けていたので肩に力が入っていましたが、次第に緊張もほぐれて、半日も過ぎると普通に楽しんでしまいましたね(笑)。ミュージックビデオの最初の雪山での映像は「走ってください」という監督の指示のもと、勢いよく走ろうとしたら足が埋もれて、気付いたら目の前に雪がありました。歩くだけで膝まで埋もれるぐらい、踏むたびにギュッギュッというようなサラサラで綺麗な雪を、見るのも触るのも初めてでした。それで興奮して、はしゃいでしまいましたね。初めて行く場所でしたし、見たことも無い景色や食べた事の無い物ばかりでした。素直に心から感動したので、その表情やリアクションがそのまま映像に収められています。
──サビはタイトル通りの大空の元で歌っています。澄み切った空気感に響く、井上さんの壮大な歌声がマッチしています。
サビを歌っているのはゲレンデの頂上です。ロープウェイで一番上まで登って、スキーヤーが滑って降りて行くところを、私だけスノーシューズを脱いでスニーカーで撮影していました。今までの人生の中で経験した事の無い寒さだったのでガチガチに震えていましたが、完成した映像を観たら頑張って撮影した甲斐がありましたね。天気に恵まれたおかげもあって綺麗な映像に仕上がっています。
──一方、カップリングの「Burning Love (single ver.)」はパワフルなソウルナンバーでライブ感溢れる仕上がりです。生き生きと歌っているように聴こえます。
中学時代に出来たオリジナル曲で、私自身も大好きなソウルチューンです。昨年「Boogie Back」でデビューした時に配信限定でリリースしていましたが、大切な楽曲なのでCDとしてカタチにしたくて今回のシングルに収録しました。
──「single ver.」としてリアレンジされたそうですが、どのように変わっているのでしょうか?
配信限定バージョンで間奏に入っていた私のモノローグを外しています。ライブ感溢れる演奏に集中して貰えるような仕上がりになったのではないかなと思います。
──もちろん様々なテクニックを駆使した変幻自在のボーカルも聴きどころです。歌詞通りではない言い回しで歌っているところもありますが、レコーディングは大変でしたか?
「Oh Baby Wait minutes」のところですね。そこは「イェーイ!」といったノリの感じで歌いましょうという指示があって(笑)。テクニックを駆使して歌うところとの切り替えは難しかったですね。少しふざけたような言い回しから急に太い声を出したり、フェイクも多くて大変ではありましたけど、その分歌っていても楽しいです。
──また、冒頭には効果音が入っていて、ライブステージで歌っているような印象もありますが、どのような設定なのでしょうか?
靴音から始まって最後はヘッドホンを置く音です。私が憧れているクリスティーナ・アギレラの「Ain’t No Other Man」のミュージックビデオをイメージしてアレンジを考えました。「Slave」「Robin」と同様に男の人を翻弄する小悪魔的な女性の歌ではありますけど、「Burning Love」はその2曲より前に作詞をしています。私が幼いなりに考えて書いた大人の女性の姿ですね。
──作詞をされたのはいつ頃ですか?
中学3年になる頃でした。こういったテーマの楽曲は、疑似体験をしないと歌詞を書くのは難しいと思うんですけど、当時はまだまだ研究不足でしたね。大人の女性を描きたいからといって、中学生がバーに見学に行く訳にもいかないですし(笑)。それでミワさんに協力して頂き、私も一生懸命想像してセクシーな大人の女性を描きました。そういう意味でも「Burning Love」は愛おしい歌ですね。
ラジオパーソナリティのデビュー戦は一人喋りに苦戦!?
──1月より関西のラジオ局「FM OH!」で「E∞Tracks Selection~井上実優のMIYU♪SIC RADIO」がスタートしました。タイトルは「みゆじっく」と読むのでしょうか?
タイトル表記は名前の「みゆ」と「MUSIC」をかけていますけど、読みは「ミュージック」です(笑)。番組を通して私の好きな歌や音楽以外の趣味などについて知って貰いたいし、飾らない素の私のままお喋りしたいと思っています。ですが、初回の収録は、スタッフの皆さんに迷惑をかけないようにとNGを出さないようにと意識し過ぎて逆にドキドキしてしまい、想像以上に一人喋りに苦戦しましたね。2回目はゲストの方が来てくださったので大分気持ちが安らぎました。
──人を相手に喋るのとマイクに向かって一人喋りをするのとでは勝手が違いますよね。
そうですね。でも、リスナーの皆さんから「ラジオパーソナリティーおめでとうございます」というメッセージが届いてすごく嬉しかったし励みになりました。番組の感想などリスナーの声が聞けるようになれば、もっと肩の力を抜いて素の私で喋れるようになれそうです。今後が楽しみですね。
──スタッフの方にお聞きしたところ、FM OH!の公式サイトから番組にリクエストが出来るそうですから、リスナーの皆さんには応援メッセージをドシドシ送って欲しいです。ちなみに、インスタグラムで初回収録の時の写真にあった「奈央さん」とはどなたですか?
キーボーディストの西村奈央さんです。昨年から私のライブのサポートとしてお世話になっています。初回収録の翌日にFM OH!主催のクリスマスイベントがあって、そのライブでキーボードを演奏して頂きました。本当はライブ出演だけの予定でしたが、第2回目のゲストとして来て頂きました。私一人だけのブースは思っていた以上に寂しかったので、とても心強かったです(笑)。
──ところで、インスタグラムといえば最近は本の紹介をされています。
映画鑑賞や読書は昔から好きでした。そういうインプットも大切ですが、今年の目標としてアウトプットもして行こうと思っています。マニアックな作品が好きだったりするので、それを紹介するのもどうかと今まではためらいがありました。だけど、自分が好きな作品は好きだと伝え続けて行ったほうがいいなと思って。絵もそうですけど定期的にコツコツ紹介して行こうと、その第1歩としてSNSでの本の紹介に取り組んでいます。
──ちなみに、好きな作家は?
西可奈子さんや住野よるさんの作品はよく読みます。住野さんは全作品をハードカバーで揃えました(笑)。他のアーティストや音楽関係の人がツイッターなどでオススメしている作品もチェックしているので、特定の人に偏らずに様々な作家の本を読んでいます。私が他の人がオススメしている作品に影響を受ける事もあって、同じような体験をして貰えたら嬉しいなと思い本の紹介を始めました。
──どんな本を紹介されるのか楽しみにしています。『科捜研の女』の主題歌を担当し、さらにラジオのレギュラー番組もスタートするなど幸先の良い年明けとなりましたが、井上さんは2018年をどんな年にしたいですか?
「この空の果て」のテーマを意識した訳ではありませんが、2018年は強くてカッコイイ女性を目指していきたいなと思っています。二十歳になり、今年の成人式に出席して改めてそうなりたいなと思いました。また、昨年はシングル「Boogie Back」でデビューをしてから初めての経験ばかりで、初めましての方との出会いも沢山ありました。今回のいしわたり淳治さんや、ラジオにゲスト出演して頂いた奈央さんのように、今年も人との出会いを大切にして行きたいですね。
(取材・文:岡村直明)
1. この空の果て
2. Burning Love(single ver.)
3. この空の果て (Instrumental)
4. Burning Love (Instrumental)
※曲名クリックで歌詞を表示
【CD発売情報】
オフィシャルサイト:http://www.inouemiyu.com/
レーベルサイト:http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025729.html
オフィシャルTwitter:https://twitter.com/miyu_i_official/
オフィシャルInstagram:https://instagram.com/miyuinoue0819/
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■うたまっぷレビュー「井上実優」インタビューはコチラ
1997年生まれ、福岡出身。
小学校6年生の時出場した“唐津ジュニア音楽祭”をきっかけに、音楽塾ヴォイス主宰の西尾芳彦氏に出会う。中学生の時から歌唱・作詞・作曲の研鑽を積み、高校入学を機に本格的に曲作りをスタート。2016年春上京し、日々楽曲制作やレッスンに勤しむ。同年7月、人生初ステージとなる日本武道館で、壮大なバラードを披露し1万人のオーディエンスを魅了した。2017年4月19日、シングル『Boogie Back』でメジャーデビュー。R&B・ダンス・ファンク・ロック・バラード・ポップスまで、幅広いジャンルの楽曲を圧倒的歌唱力で歌いこなす、「自分の歌で聴く人すべてを魅了したい」という力強い意志溢れるヴォーカルが魅力の20歳。