──2015年にアーティスト活動を再開され、昨年7年ぶりにミニアルバム『Ⅲ-THREE-』をリリースされましたが、まず、アーティスト活動を再開されたキッカケをお聞かせいただけますか?再始動まではどのような活動をされていたのでしょうか?
幼い頃から当たり前のように歌手を目指し、10代の頃から仕事として歌を歌ってきた中で、“それ以外の世界”も経験してみたいと思い、休業中は色んなバイトをしました。年齢を重ね、これからどう生きて行くかを逆算して考えるようになり、やはりこのままの状態で音楽を辞めてしまうには、やりきれていない部分が多々あると思い、活動を再開しました。
──『Ⅲ-THREE-』は、プロデューサーに、i-dep / Sotte Bosseのナカムラヒロシ氏、ゲントウキの田中潤氏を迎えていますが、制作にあたって、こだわったのはどのようなところですか?
今作は歌唱法、歌詞、リズム、など細部までお二方と話し合いながら制作を進めました。“人の心に届く歌”を最優先して、敢えて音程が微妙にズレているテイクを選んだり、小手先ではない真の歌を追求した1枚となりました。
──オリジナル曲は全てご自身が作詞を手掛けています。様々なカタチの恋模様、女性の心情や葛藤、ご自身の母親への想いを綴られていますが、7年間の時を経て、恋愛観や物事の捉え方、歌詞のテーマや言葉遣いなど、ご自身が変わったと思うところはありますでしょうか?
2枚目のアルバムまでは、曲からのイメージを言葉にすることに注力していたのですが、今作からは、言葉の響きや言い回しよりも、内容やストーリーが充実するように心がけました。自分のことを書こうと思えたのも今作が初めてです。そういった意味では1度休んだことで、多角的に音楽を楽しめるようになったのかもしれません。
──時に力強く、時に切なく、その表現力豊かなボーカルが印象的ですが、レコーディングはいかがでしたか?
とにかくリラックスして歌うことを意識しました。自分では、家でマイクを通さずに歌っている時が1番いい歌を歌えていると思っているので、少しでもその状態にスタジオで近づけたらいいなと努めました。それは、これからの課題でもあります。
──それでは、収録曲についてお聞きします。1曲目の「Everybody needs love」は、昨年末から放送開始のGoogle Play Music「音楽のある生活・イルミネーション篇」のCMソングとなりました。資料には「今までメッセージソングを頑なに避けてきた」という風に書かれてありましたが、それは何故ですか?
1番の理由は、私がリスナーとしてメッセージソングに苦手意識があるからです。作詞をする者としての理想は、伝えたいメッセージを直接的に押し付けるのではなく、描写や物語の中で、感じ取ってもらいたいと考えています。ただ、今回の楽曲は、言葉遊び的な要素を踏まえて楽曲に寄り添いつつも、自分らしさも加えて、“メッセージソング風”に仕上げてみました。
──収録曲のタイトルでは「アァモウイッソ」が目を引きますが、どのようなところから発想されたのですか?
恋の始まりの言葉にできない溢れ出す感情を、あえて言葉にするなら何だろうと、メロディーとのハマりを意識しながら探っていたところ、浮かんだのが、“アァモウイッソ”でした。閃いて歌ってみた瞬間から、もう他の言葉が考えられませんでした。
──4曲目の「Hello」は、ご自身の母親への想いを綴っていますが、いつ頃、どのようなキッカケから歌詞を書かれたのでしょうか?
大人になるにつれて、人生を逆算して考える機会が増えました。そんな中で、絶対的な存在との別れも逃れられないことを悟って、自分がどうあるべきか考えるようになってきました。30代になって芽生えた感情のリアルを描きたいという思いで書いたのが、この曲です。私にとっては、それが母でしたが、聴く方の絶対的存在に置き換えられるように、あえて歌詞の中で母とは限定しませんでした。
──また、「君の声を」は、「ただの夢 ただの夢のかけら」、「ただの恋 ただの恋の痛み」と強がりながらも断ち切れない恋心が切なく胸に迫ります。NHK BSプレミアムで放送された長谷川京子さん主演のドラマ『ふれなばおちん』の挿入歌ですが、書き下ろしですか?
脚本に目を通してから書き下ろしました。自然と感情移入できる内容だったので、主人公になりきって書いてみると、自分で驚くほどスラスラ書けました。いつもは熟考タイプなので、貴重な経験ができました。
──ラストナンバーは、薬師丸ひろ子さんの「Woman “Wの悲劇”より」をカバーされています。この曲をカバーされたキッカケと、カバーにあたってご自身が意識したこと、こだわったことなどお聞かせいただけますか?
元々大好きな曲で、初めて聴いた時からメロディーラインの美しさの虜だったので、カバー曲をやるならこの曲がいいと、私から提案しました。軽やかに歌われている原曲のファンなのですが、私が歌うなら力強くいきたいなと思い、切なさを残しつつ、しっかり歌い上げることを心がけました。
──2017年も益々の活躍が期待されますが、今後の抱負、目標をお聞かせいただけますか?
その時々の好奇心、探究心と向き合い、女性として、どんな環境においても、変わっていくことを楽しみながら暮らしていきたいと思っています。
1. Everybody needs love
2. アァモウイッソ
3. たったひとつの恋
4. Hello
5. 君の声を
6. Beautiful
7. Woman “Wの悲劇”より
【CD情報】
【CD情報】
ミニアルバム
発売:2016.11.02
RZCD-86201
rhythm zone
2,000(税抜)
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1985年福岡県生まれのシンガーソングライター。
17歳の時にソニーミュージックに送ったデモテープをきっかけに、SDオーディションへ参加し約2万人の出場者の中から最多のオファーを受けソニーミュージックアソシエイテッドレコーズと契約。2004年に大沢伸一の全面プロデュースによる「Lights」でデビュー。2005年に1stアルバムとなる『nobuchikaeri』をリリース。2009年に2ndアルバム『hands』をリリース。さかいゆう、大橋トリオ、高田蓮、沖仁、小島大介(Port of notes)らのプロデュースのもと楽曲制作を行い、自ら作曲も手掛けた。
2015年、rhythm zoneと契約しアーティスト活動を再開。フジテレビの音楽番組『水曜歌謡祭』にレギュラー出演したことでも話題になった。
妖艶かつ憂いに満ちた歌声と独創的な歌詞を武器に、2016年11月2日、rhythm zone第1弾作品『Ⅲ-THREE-』をリリース。