90%ぐらい実体験を歌にしているところが山猿の持ち味
──初のベストアルバム『超あいことば-THE BEST-』がリリースされます。新曲「DREAMER」からスタートして「無口な明日を嫌わないで」までの16曲は、ポジティヴな歌が多いように思いました。
恋愛している人だったり、夢に向かって頑張っている人だったり、とにかく作品を聴いてくれた全員の背中を押したいなと思って選曲しました。「180°」は別れを歌っていますが、別れもあれば新しい素敵な出会いもあるんだよっていう事を知って欲しいんです。だから、ネガティヴな曲は何一つ入っていません。やっぱり温かい作品を作りたかったんです。ポジティヴな曲たちが集まれば化学反応が起きて、温かいアルバムになるんではないかと。この1枚で山猿の全てを知ることが出来るのではないかというぐらい自信満々で選んだ曲たちだし、履歴書代わりのようなアルバムになったと思います。
──曲順にもこだわりましたか?
笑顔になれるような曲からスタートしたくて1曲目は新曲の「DREAMER」。そこから最後の「無口な明日を嫌わないで」まで、まるで映画を観ているかのような、1枚を通してストーリーがある作品にしたいと思いましたね。
──確かに1枚を通して聴くと、普通の男の子が恋やデートをし、成長して故郷を離れそこでの出逢いがあり、そしてプロポーズ、やがて家族が出来てという大きなストーリーを感じます。そういう誰もが経験するであろう物語を、リアルで巧みな描写とストーリー性のある歌詞が山猿さんの魅力なのかなと。
どストレートな想いが一番伝わると思うんです。僕は無理をせず、カッコつけず、ありのまま生活しています。皆さんと何も変わらない。それで、友達と遊んだり、大切な人と過ごしている時に浮かんできた言葉をそのままフローに乗せて作るのが僕の音楽です。普段の生活をそのまま、日記みたいに歌を作っています。毎日が完璧な人は居ないと思うし、痛みを感じた事や笑顔になれた事を日記のように曲にしているから、曲を作りながらその時の想いが込み上げてきて泣いたりすることもあります。そんな風に90%ぐらい実体験を歌にしているところが僕の1つの持ち味であり、山猿というアーティストになるのかなとは思いますね。
──今作を聴いた人の誰もがきっと、自分のことのように思える歌があるように思います。
ライブなどで握手会を絶対やるんですけど、女子高生からサラリーマンのお父さんまで幅広い年代の人が「山猿の曲は私の歌みたい」と言ってくれたりします。それはさっき言ったみたいに、僕も普段は皆さんと同じように生活していて、壁にぶち当たることもあるし、それで泣くこともあるし、また人を好きになることもある。そういう想いを飾らず、ありのまま日々の生活を歌にしているところに共感してもらえるのかもしれませんね。
──さらに言うと、どの歌にも「今を楽しもう!」「今を生きようぜ!」という想いが込められているようにも思いました。
悲しいことを想像するよりは楽しいことを伝えて行きたいと思います。本当に毎日を楽しんだ者勝ちだよって(笑)。たとえ嫌な事があったとしても、また小さなことで悩んでいるよりも、明日を創るのは自分だから自分次第で楽しくなると思うんです。あらかじめ「明日はちょっと落ちたいな…」という人はあんまりいないと思いませんか?(笑) 生きていれば何かしら良い事に出会えるというか、「今を楽しめ!」と伝えていきたいなって。
毎日を楽しく過ごそうと意識しているから、僕は年中ハッピーですけどね(笑)。ツアー中はプレッシャーもありますけど、普段はノンストレスだから(笑)。それに最近、素敵な明日を迎えるための魔法を見つけたんです。
──それはどんな魔法ですか?
寝る前に好きな人に電話をするんです。嫌な事があっても、寝る前に好きな人の声を聞くと次の日が幸せな1日になると聞いたことがあって。やっぱり好きな人の声を聞くと気持ちが落ち着くし、寝る直前、地元の友達とかに「もう寝るよ」「おやすみ」って電話しています。
──今の話は新曲の題材になりそうですね。
いいですね(笑)。僕が忘れないようにメモっといて貰っていいですか(笑)。
「愛を届けるアーティスト」でありたい
──ターニングポイントになったと思う曲はありますか?
両親に「ありがとう」の想いを込めて作った「3090~愛のうた~」ですかね。日本中の人が家族を大切に思ってくれたらいいなと思って作ったから、ライブでは必ず歌っています。
ある時、高校生ぐらいの男の子が話してくれたんですけど、父親とケンカした時にどう謝っていいのか分からず、ただ一言「ありがとう」と言って「3090~愛のうた~」のシングルを渡したそうなんです。それで父親と仲直りが出来ましたって。そういう話を聞くと、この曲を作って良かったなって思います。
今の時代に愛という言葉を口にすることは恥ずかしいかもしれませんけど、「3090~愛のうた~」を作って素直に「愛を届けるアーティスト」でありたいと思いました。自分自身が愛の大切さを再確認できた曲です。
──「3090~愛のうた~」が出来て、より強く「愛を伝えて行こう」と思ったと。
そうですね。それで『あいことば』というアルバムタイトルにも出会えたように思います。
僕のアルバムは愛の言葉が沢山詰まっているから『あいことば』と名付けています。愛を忘れてはいけないと音楽活動を続けてきましたが、デビュー5周年を迎え、あらためて何を伝えたいかと言えば愛だし、やっぱり大切なのは愛だと思います。それで、ベストアルバムは愛の言葉が詰まった曲の集大成という意味を込めて、タイトルを『超あいことば』にしたんです。『MAXあいことば』、『最強あいことば』とかも考えたんですけど伝わらないような気がして、「超」に勝てる言葉はないなと。“超”愛でしょう(笑)。これに勝るタイトルは多分無いですね。
──また、新曲が2曲収録されています。ベストアルバムのために書き下ろしたのですか?
今の山猿も伝えたいから、2016年に新しく生まれた曲をデビュー5周年に残しておきたかったんです。「DREAMER」は、夢に向けてがむしゃらに頑張っている皆さんの背中を押したくて作りました。
──「DREAMER」のミュージックビデオを観ましたが、皆で踊れる振り付けもあってライブの定番になりそうですね。
既にライブでは歌っています。サビでジャンプするんですけど、お客さん全員が跳ねて滅茶苦茶盛り上がってくれるんです。反響が凄くてライブを観た人から「何ていう曲ですか?」とよく聞かれたけど、タイトルが決まってなかったんです(笑)。最後までタイトルに悩んだ曲かもしれないです。
──サビの振り付けはライブのままですか?
僕の信頼するダンサーの先生に「ライブの良さを削りたくないから、従来の振り付けを生かして、より良いカタチに考えてもらえませんか?」と相談して、少し変えたぐらいですね。ミュージックビデオを観て、是非、振り付けも覚えていただいて、ライブで一緒に騒いで欲しいです。
CDとしてカタチになるまでのどれ一つ取っても愛が残ったアルバム
──もう1つの新曲「Happy Birthday」は、どのような想いで作られたんですか?
僕は兄弟が多くて、親に誕生日を祝ってもらった記憶が無いんですよ。小学校時代は、同級生から「誕生日にこれ買ってもらったの」、「でっかいケーキが届いてさ」、「旅行に行ったんだ」とか聞くたびに、うちは何でケーキやプレゼントをくれないんだろうと思ったりしましたね。「母ちゃん、うちは何でケーキねーの?」って聞いたら「バカヤロー!ケーキは高いんだよ!」って言われたりして(笑)。母親は誕生日にすごい料理を作ってくれたり、シッカリと愛を伝えてくれてはいたんですけど、当時は子供だったからケーキやプレゼントの無い誕生日は大嫌いでした(笑)。
でも、大人になってから誕生日が来るたびに、大好きな人たち、大切な人たちが「おめでとう」とか言ってくれるから、誕生日は嬉しいものだなって気付かされました。誰かにその気持ちを伝えたいなと思って生まれた曲が「Happy Birthday」です。この曲に出会ってくれた人の1日をお祝いしたくて、聴いている貴方のための歌という想いを込めて「Dear. Happy Birthday To You」と歌っています。
──「Happy Birthday」のミュージックビデオは、歌詞の世界観をドラマ化していますね。
僕がシナリオを書いて監督した作品です。出演者、スタッフも含め全員が僕の故郷・福島の人たちです。アナウンサーさんもタレントさんも、自分で出演交渉の電話をしてブッキングしました。小道具も全部自分で用意しましたね。
──着ぐるみもですか?
それも僕がレンタルして(笑)。アメ車のオープンカーも結婚式場も、福島の皆さんが協力してくれたんです。ケータリングも商店街の皆さんが持ってきてくださったり。「地元・福島でミュージックビデオを作りたいんです」と話したところ、皆さんが快く協力してくれました。東北の人は皆が家族みたいな感じなんですよね。全部が手作りで、制作に関わってくれた一人一人の愛が詰まったミュージックビデオになりました。
このミュージックビデオもそうですけど、ベストアルバムの制作を通して、今あらためて愛しか無かったなと思います。レコーディング、アーティスト写真の撮影、CDとしてカタチになるまでのどれ一つ取っても愛が残ったアルバムになりました。全部が手作りの愛です。
選曲やミュージックビデオの制作はもちろん、ジャケットのデザインから全身ゴールドのアーティスト写真まで、本当にこだわった1枚です。心から作りたいと思って全力を注いだアルバムだから、自分自身やり切った感があります。
──もっともっと夢見て頑張るぞ!という所信表明のような作品になりましたね。ベストアルバムという枠を超えたという意味でも、まさに『超あいことば』です。
気合いが入った1枚なので、本当に1曲目からクラウチングスタート(笑)。デビューから5年頑張れたから、今はもう10年目に向かってヨーイドン!のピストルが鳴るのを待っている状態ですよ(笑)。『超あいことば』がリリースされたら、また更なる未来に向けて走り出します。やりたいことはもう無限大です。
──そんな山猿さんですが、今後の抱負、目標をお聞かせいただけますか?
日本武道館でワンマンライブをやりたいですね。僕が言うと笑う人もいるけど、やっぱり日本武道館はアーティストにとって夢のステージですよね。デビュー当時、観客が3人ぐらいしかいない会場で歌っていて、いつか地元・福島の2千人クラスのホール・會津風雅堂でワンマンライブをやりたいと夢見ていました。その夢が叶って12月23日に會津風雅堂でワンマンライブをやります。そんな風に1つ1つ夢を叶えて来てはいるので、0.00001%でも可能性があるなら日本武道館ワンマンライブの夢も諦めずにいたいと思います。
──山猿さんの歌に自分自身が重なるファンが多いようですから、日本武道館ライブが実現したら皆さんも勇気づけられるでしょうしし、きっと励みになるでしょうね。
実現できなかったら沖縄に逃げようかな(笑)。冗談ですよ(笑)。言った以上は頑張ります。僕もファンの皆さんに励まされることが沢山ありますし、「I’m a Dreamer」と歌う僕自身が「DREAMER」なのかなって思うから、これからも夢を諦めずに走り続けたいですね。
1. DREAMER
2. Happy Days feat. 華原朋美
3. イマアイ
4. 3090~愛のうた~
5. 朝7:30ちょうどにすれ違ったマドンナに恋をした
6. 風
7. カジカ
8. 赤い実ハジケタ恋空の下
9. 宝島
10. Happy Birthday
11. 180°
12. 未来列車
13. NAGISA
14. きき手
15. 赤い実ハジケタ恋空の下..part2
16. 無口な明日を嫌わないで
〈初回生産限定盤DVD〉
1.「DREAMER」Music video
2.「Happy Birthday」Music video
3.「3090~愛のうた~」Music video
4.「赤い実ハジケタ恋空の下」Music video
5.「Happy Days feat. 華原朋美」Music video
【CD情報】
[初回生産限定盤 CD+DVD]
ベストアルバム
EPICレコードジャパン
発売:2016.10.26
ESCL-4709~10
3,611(税抜)
CD購入
[通常盤 CD]
ベストアルバム
EPICレコードジャパン
発売:2016.10.26
ESCL-4711
2,778(税抜)
CD購入
オフィシャルサイトはコチラ!
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<ワンマンライブ>
山猿だョ!!今年も勝手に紅白猿合戦2016~あの夢への第二歩~
日時:2016年12月23日(祝・水) 開場17:30 / 開演18:30
会場:【福島県】会津風雅堂
※公演の詳細、最新のライブ情報はオフィシャルサイトをチェック!
http://www.yamazaru.net
2010年“LGMonkees”として、メジャーデビュー。
デビュー配信シングル「Grateful Days feat. Noa」では多くの心を掴み レコチョク クラブうたで2010年 年間ランキング1位、レコチョク クラブフルでは 2010年 年間ランキング2位を獲得し鮮烈なデビューを果たす。他にも有線放送キャンシステム7月度お問合わせチャート1位を獲得、リリックにも注目が集まり、JOYSOUND [歌詞]の歌詞検索サイトでも1位を獲得。2nd mini AL「前回のLGMonkeesこと山猿です」を3/16にリリースする直前に、東日本大震災にて被災。家が津波の被害を受け、避難所生活を送る。
人の有難みを感じる出来事が多数起こる中で4月末に震災後初めてのライブを行い、この時に音楽で人は救われるということを本人は確信したという。
音楽を通じて『愛』『絆』『勇気』を沢山伝えたい。
そんな想いで2011年10月26日に1st sg「3090~愛のうた~」をリリース。家族の愛、絆を伝えるこの曲が、AKB48に次いでレコチョクウィークリー2位を獲得。ミヤネ屋、NEWS ZEROをはじめとした各メディアに露出したことで、「泣ける歌」として全国の10代女子~20代ギャルママ、30~40代まで幅広い層から、問い合わせが殺到。配信は累計200万DLを突破、動画サイトでは5000万PVを超えている。
2014年8月、突如、LGMonkees解散を発表し、10月6日には東京にて「LGMonkees解散LIVE みんなありがとう!! ~でも寂しいからサヨナラは言わないよ~」の公演を即完売させ、そのステージで「山猿」として再始動することを発表する。
その直後から12週連続新曲を配信し、その中でも「カジカ」は配信サイトランキングにてウィークリーチャート1位にランクインし、有線放送でのオンエアと同時に問い合わせも殺到!話題が高まる中、約2年半ぶりとなるオリジナルアルバム「あいことば2」を4月にリリースし、オリコンデイリー9位にランクイン。間髪いれずに3枚目のオリジナルアルバム「あいことば3」もリリースしオリコンデイリー9位にランクイン!iTunes J-POPチャートでは5位にランクイン!配信のレコチョクチャートでは同アルバム収録曲の6曲が1位獲得ということも話題を呼んだ。地元東北に在住しながら日本全国へ「愛」を「うた」にのせて発信している「今」最注目のアーティストである。