──4thアルバム『SKETCH』の制作は、いつ頃、どのようなところからスタートされたのでしょうか? 前作アルバム『INDUSTRUST』のコンセプトは「色んなネガティブと戦って行く」でしたが、そこから1年3ヶ月を経て放つ今作は、どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか? 制作にあたって、特に意識された、こだわったところも、お聞かせいただけますか?
イシノユウキ(guitar&vocal):前作『INDUSTRUST』は今の音楽を取り巻く環境を皮肉る意味で制作したコンセプトアルバムでした。デビュー5年ということもあり、独自性を打ち出したかったというのもあって良い意味で殻を破れた作品でした。
前作に対して、今作『SKETCH』は一度自分たちのストロングポイントを見つめ直すために極力シンプルさを突き詰めたというか、曲の中に人が生きていると感じてもらえるようにメロディーと描写に重きを置いて制作を進めました。
──『SKETCH』というアルバムタイトルは、どのように決められたのですか?
MOCKY(モッキー / turn table):人生は、1つ1つの点だけでは無くて、点と点が繋がった「線」だなと思える様になってきました。
だから何年も描き続けて完成させる油画の様では無く、今この時、この瞬間、今の自分達だからこそ「唄える歌」を作りたかったんです。
つまりそれはスケッチみたいな物なのかな?と思い、今作のタイトルにしました。
──今作のレコーディングは、いかがでしたか?
Giz’Mo(ギズモ / bass&rap&chorus):前作『INDUSTRUST』でメジャーデビュー以降、初めてフィーチャリングシンガーを迎えたんですけど、今作はその続編で再会を歌う「巡会歌」で引き続きガールズユニットCLEEMのMIKUを、更に別路線のアダルトな楽曲「月照歌」では同じレコード会社の同期にあたるシンガー曽根由希江さんを迎えました。制作過程で弟イシノユウキも僕Giz’Moも共に「声のカラー」には凄くこだわったんですけど、それは2人のフィーチャリングシンガーが共に「自分のカラー」を持っていたからだと思うんです。振り返れば、自分の声のカラーをどう打ち出して行くかがレコーディングのテーマだった様に感じています。
レコーディング自体では無いんですけど最も印象的だったのは、「LIFE~10年後のアナタへ~」という曲を制作したのが山口県滞在中で、PCを持って行ってたんですけど、移動車の中でデモレコーディングをするという初めての経験は一生忘れないと思います。
──それでは、収録曲についてお聞きします。まず、1曲目の「NEXT!!」は、未来へ向けて踏み出す勇気を与えてくれる歌詞と、サビのかけ声に合わせて思わず拳を突き上げたくなるような、ライブで盛り上がりそうなナンバーですが、詞曲は、いつ頃、どのように作られたのでしょうか?
イシノユウキ:「NEXT!!」はこのアルバムの中で一番最後に作った曲です。1つのことをやり遂げた時、次に何をやればいいのか迷ってしまうことって老若男女誰しもあると思うんですね。1つの大きな夢を叶えたとしても人生は続いていくし、全ては通過点。生きていく中で過去の経歴とか実績とかが邪魔して新しいことに挑戦しづらく感じることもあると思うんですが、常にバイタリティと野心のある生き方がしたいなと思い、自戒を込めて最後にこの曲を書き上げました。
──3曲目の「バイバイ」は、親元を離れ旅立つ主人公の想いを描き、春から新生活をスタートする人たちは共感必至の歌詞です。「部屋の契約も1人じゃ出来ずに頼ってさ」、「荷物を詰めた段ボール 片付いた部屋で見つけた 子供の頃の誕生日の写真 涙が止まらなかった」など、具体的でリアルな描写が心に響きますが、歌詞は実体験ですか?
Giz’Mo:僕自身、街は変えずとも何年か前に実家を離れていまして、それなりに引っ越しの寂しさや後ろ髪を引かれる思いを味わった事があります。思えば、それって形は違えど誰もがいつか必ず味わう「親元からの巣立ち」なんですよね。人によっては進学で10代のうちにそれを経験するし、20代で就職と共にそれを経験する人もいて。だから楽曲の中ではあえて「年齢が見える描写」をあまりしなかったんです。みんなが見た景色や味わったあの寂しさが、何年経っていたとしても蘇ってくる様な1曲にしたかったんですよ。聞いた人が、まるで自分が経験したあの日の歌なんじゃないか?って思ってくれたら嬉しいです。
──5曲目の「RESTART」は、「清水エスパルス 2016シーズンテーマソング」ですが、楽曲制作は、どのように進められたのですか?
イシノユウキ:自分たちも長らくエスパルスサポーターやっている中で、やはり昨季(2015)は厳しいシーズンでした。なかなか勝ち点が取れない状況にスタジアムの雰囲気もバラバラになりかけていたし、ゴール裏の仲間たちも試合後に項垂れてる姿を見て、自分たちにできることを何度も考えました。やはりミュージシャンとしてサポーターがもう一度一枚岩になるきっかけを作りたかったし、厳しい状況でもみんな清水を愛しているぞという気概を込めて『ONE -we’re SHIMIZU S-PULSE-』を制作しました。結果的にチームは初のJ2降格となりましたが、それでも僕らサポーターはサッカーが好きだし、エスパルスを愛する気持ちは何も変わりませんし、エスパルスの左伴社長も仰ってましたが、清水はサッカーが人々の生活に根付いている日本でも類稀な街です。サッカーが人生だと胸を張って言える街です。『サッカーのある人生は素晴らしい』、『エスパルスのある人生は素晴らしい』。そう思ったときに『RESTART』を制作し始めました。まだまだ24シーズン目。今後エスパルスが100年目を迎えるときにはアジアで押しも押されぬ最強のチームになっていることを祈ります。
──8曲目の「月照歌 -feat.曽根由希江-」で、曽根由希江さんをフィーチャリング・アーティストに迎えたキッカケ、理由をお聞かせいただけますか? また、曽根さんとご一緒されて、いかがでしたか?
Giz’Mo:先程も少し触れたんですが、曽根由希江さんは同じレコード会社の2010年デビュー同期アーティストなんです。その年はJam9と曽根由希江さんの2組だけがデビューだったので、昔から意識せざるを得ないライバルでした。お互いに認め合える仲だったし、共に戦ってきた意識もあります。この1曲で曽根由希江さんと一緒に制作やレコーディングを行って、才能のある人と真正面からぶつかり合って音楽を作る事の楽しさを教えてもらった気がしています。
──「月照歌 -feat.曽根由希江-」は、「もしも始めから知っていたなら 好きにならなかった」というワケアリの恋を描いた切ない歌詞が印象的です。Jam9さんと曽根由希江さんが共同で作詞、作曲を手掛けていますが、楽曲制作は、どのように進められたのですか?
Giz’Mo:曽根由希江さんは去年から僕らのホームイベントに出演してもらう事が増えているんですが、夏頃にイベント終わりで曽根さんが浜松に泊まって帰る事があって。その夜、何をしてたかと言うと、音楽の話ばっかり(笑)。夜中3時を過ぎた頃に「それなら今から一緒に曲作ろうよ」という話になり、朝までかけて作ったのが今回の「月照歌」なんです。感覚としては、レコーディングスタジオに泊まり込みの感覚というか。今までを振り返れば共作という経験は滅多に無かったんですが、曽根さんは悔しいくらい良いメロディーと言葉選びをするんですよね。とても刺激を貰ったし、お互い負けたくない気持ちが高まって良い作品になったと思っています。
──そして、ラストナンバーの「island melody -2nd mix-」は、ウクレレとピアノが奏でる優しいメロディと特徴のあるリズムが耳に残ります。タイトルに「2nd mix」とありますが、アレンジはどのように進められたのですか?
MOCKY:「island melody」は、Jam9公式ファンクラブ「Jam ISLAND」の設立を記念して作られた楽曲なんです。
設立当時(2014年)に音源は出来上がっていたのですが、今作のアルバムに収録させていただく事になり、その音源をさらにもう1度MIXして出来上がったのが今回の2nd mixなんです!
より聴きやすくなってもらえたなら嬉しいです。
Giz’Mo:2014年からステージでウクレレを弾く様になったんですが、この曲は全体的にウクレレを前に出して「いわゆるハワイフレーバーな雰囲気」にこだわって制作しました。ナイロン弦の温かみある音が誰かの癒しになったら良いなと思っています。先程MOCKYも言っていましたが、セカンドミックスを作った理由は、純粋にファーストミックスに納得が行かなかったという部分が大きいです。勉強不足だった1年前に「もっとここをこうするべきだった!」という後悔が多々あって。今回のリリースでミックスを1からやり直すチャンスが巡ってきたので、エンジニアさんを巻き込んで全力でトライしました。
──4thアルバム『SKETCH』を通して、リスナーにどのような想いを伝えたいですか? もしくは、どのようなところに注目して聴いてもらいたいですか?
イシノユウキ:僕らもそうなんですが、今の年齢だから見える景色や感じられる気持ちを日々大切にしてほしいなと思います。
──4thアルバム『SKETCH』をリリースし、ワンマンツアー開催の期待が高まりますが、今年の抱負、目標をお聞かせいただけますでしょうか?
イシノユウキ:ここまでデビュー5年間の間に撒いてきた種を少しずつ育てていければいいですね。いろいろな経験を無駄は無かったと言えるような生き方ができればそれが一番かと。
Giz’Mo:叶えたい夢は数え切れないくらいあって、それぞれ「いつか絶対に叶えてやろう」と思っています。ただ、1つ1つの夢や目標はあくまでも点であり、人生は線なんですよね。一番の目標は、誰かが求めてくれる限り歌い続けたいです。
MOCKY:健康第一!
2. ONE -we’re SHIMIZU S-PULSE-
3. バイバイ
5. RESTART
7. breath
9. ハシリダセ
【CD情報】
アルバム
ドリーミュージック・
発売: 2016.03.23
MUCD-1347
2,315(税抜)
CD購入
オフィシャルサイトはコチラ!
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Jam9「SKETCH」 Release Memorial Out-Store LIVE
★2016/5/28(土) 静岡 SOUND SHOWER ark(静岡市清水区)
OPEN 17:45 / START 18:30
Jam9「SKETCH」 Release Memorial Out-Store LIVE co-hosted by birth!!
★2016/6/3(金) 浜松LiveHouse窓枠
http://madowaku.com/
OPEN 17:15 / START 18:00
※各公演の詳細、最新のLIVE情報はOfficial HPをご確認下さい。
http://www.jam9.jp/
2003年結成の静岡県浜松市在住の3人組。2010年6月有線キャンシステム月間お問い合わせランキング1位を獲得したシングル「家族」でメジャーデビュー。メジャーデビュー後も地元静岡から音楽を発信し続けている。メンバーそれぞれが複数の楽器を操る等、ミュージシャンとしてのプレイアビリティもさることながら、Jam9の活動と並行してAAA「愛してるのに愛せない」、E-girls「Follow Me」をはじめ、KARA、倖田來未などにも楽曲を提供し、ソングクリエイターとしても注目を浴びている。