黒木渚の不歌詞議な世界 最終回「テンプレート」
黒木渚の不歌詞議な世界 第三回「枕詞」
黒木渚の不歌詞議な世界 第二回「君が私をダメにする」
黒木渚の不歌詞議な世界 第一回「大予言」
今回のアルバムにはスマッシュ・ヒットとなったシングル曲「虎視眈々と淡々と」と「君が私をダメにする」を含む全9曲を収録。アルバム名の通り、自由奔放、縦横無尽に沸き上がる黒木渚の新たなクリエイティブが体感できる内容となっている。さらに黒木渚自身が執筆した連作小説「壁の鹿」(全6話 / 340P)を同梱した限定盤も発売。因みにこの小説はwebで限定公開されたというファン必見の注目作だ。
そして今回は『うたまっぷ』独占で、黒木渚本人が「不歌詞議な世界」と題し、アルバムに収録されている曲の中から4曲を選び、その歌詞世界を語ったボイス・メッセージを寄せてくれた。順次お届けしていくので、こちらも併せてお楽しみ下さい。
2. 枕詞
3. 大予言
4. アーモンド
5. 107
6. 命がけで欲しいものひとつ
7. テンプレート
8. 君が私をダメにする
9. 白夜
DVD
[限定盤B]
1. 革命
2. 金魚姫
3. プラナリア
4. テーマ
5. エジソン
6. 君が私をダメにする
7. フラフープ
8. 虎視眈々と淡々と
【CD情報】
【限定盤A CD+単行本】
アルバム
ラストラム
発売:2015.10.07
LACD-0263
CD購入
限定盤B CD+DVD】
アルバム
ラストラム
発売:2015.10.07
LACD-0264
3,000(税抜)
CD購入
【通常盤 CD Only】
アルバム
ラストラム
発売:2015.10.07
LACD-0265
2,000(税抜)
CD購入
オフィシャルサイトはコチラ!
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独特の文学的歌詞で、女性の強さや心理を生々しく歌い上げる、孤高のミュージシャン。宮崎県出身。
全ての作詞作曲をつとめる。2010年12月、自らの名前を掲げたバンド・黒木渚を福岡県で結成。2012年12月、血まみれのミュージック・ビデオが音楽ファンの度肝を抜いた「あたしの心臓あげる」でデビュー。各方面で話題となり、iTunesが選ぶブレイクが期待できるアーティスト「ニューアーティスト2013」に選出される。その後、ミニアルバム 「黒キ渚」とシングル「はさみ」をリリース、5大都市ワンマンツアー「やわらかなハサミ」を大盛況で終えるも、2013年12月の「COUNTDOWN JAPAN 13/14」出演をもってバンドは解散。2014年からソロ活動を開始。同年4月に11人の女の物語を描いた1stフルアルバム「標本箱」をリリース。リード曲「革命」は全国のラジオ20局でパワープレイに選出され、USEN総合チャートでも3位にランクイン。さらにはソロ活動半年で渋谷公会堂単独ライブを達成させ、夏には「ARABAKI ROCK FEST」「RISING SUN ROCK FESTIVAL」「SUNSET LIVE」など数々のフェスにも出演し、各会場を賑わせる。2015年1月には3rdシングル「虎視眈々と淡々と」のリリースと同時に初の連作小説「壁の鹿」を発表。同年3月からスタートしたワンマンツアー「虎視眈々と淡々と」では、朗読とライブ・パフォーマンスとが交互に展開される、これまで以上に演劇的要素の強い挑戦的な公演を開催し、多くのファンを魅了する。6月にはラブソング4曲を収めた4thシングル「君が私をダメにする」をリリース。翌月7月には5大都市で入場無料のワンマンツアーを開催。約1万人の応募が殺到し、全会場満員御礼の大盛況でツアーを終える。
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自由律とは、主に短歌や俳句の世界で用いられる用語で、定型にとらわれず、感情の自由な律動に任せた歌づくりを指す。それは単なる破壊やデタラメではない。決められた定型を意識した上で、そこを脱して新しい次元を目指す、極めてポジティヴでアグレッシヴな精神の動きのことだ。その言葉の意味がわかれば、黒木渚のニューアルバム『自由律』がどんな作品なのか、なんとなく想像してもらえるだろう。
『自由律』には、前作『標本箱』から1年5か月の間、彼女が心血を注いで作り上げてきた膨大な楽曲の中から、選び抜かれた9曲が収められている。曲調は実に様々で、シングルになった「虎視眈々と淡々と」「君が私をダメにする」のような、扇情的でポジティヴなメッセージ性を持ったロック・チューンもあれば、新進トラックメイカーのsasakure.UKが手がけたエレクトロニック・ダンス・ロック「テンプレート」もある。会田茂一、キタダマキ(キリンジ)、恒岡章(Hi-STANDARD)の最強3ピースが爆音で奏でる「枕詞」や、美しくメロディアスな三拍子の「アーモンド」もある。松岡モトキのプロデュースのもと、おなじみの柏倉隆史(toe/the HIATUS)やBOBO(フジファブリック/MIYAVI)、キリンジの千ヶ崎学や田村玄一、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉、ジャズピアニストのスガダイローなど、参加メンバーも錚々たる陣容だ。
歌詞の面では、エロスと理性との奇妙な同居を生々しく描いた「枕詞」や、世の中にはびこる定型の言葉をコラージュした「テンプレート」など、黒木渚の文学的素養を強く感じさせるものが増えた。その中でリード曲になった「大予言」は、残酷と障害に満ちた現代社会の描写から始まり、そんなものはぶち破ってゆけ、最後に勝つのは我々だと高らかに宣言する。志を同じくする者の結集を促す、黒木渚流の応援歌だ。
全9曲を聴き終えると、前作『標本箱』で描いた“自らの中にある様々な女の物語”というテーマをさらに自分に引き寄せ、どの曲にも黒木渚個人の生き方と思想がはっきりと映し出されているように感じられる。一方でサウンド的には、3ピースのロック・チューンからエレクトロニックな音作りまで、確実に幅が広がった。言いたいことは明確に、そして音楽は娯楽性たっぷりに。リリースに併せて執筆してきた小説「壁の鹿」の制作も、作詞家・黒木渚の進化に大きく貢献しただろう。伸びやかな歌も、この1年間でライヴを重ねることで着実にパワーと表現力を増している。
決められた定型--たとえば生い立ち、環境、学校、仕事、容姿、能力、そして現代の社会情勢など、誰もが定型だと思って従っているものは、本当に抜け出せないものなのか。リード曲「大予言」の中でも特に耳に残る、“信じるも信じないもあなた次第”というフレーズが何を指しているのか。『自由律』で黒木渚は、自らが先頭を堂々と歩きながら、リスナーを新しい世界へと誘惑している。乗るか乗らないか、決断はあなた次第だ。