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マシュマロみたいに柔らかいけど、食べたらガリって音がする家入レオ3rdアルバム『20』2月25日発売

インタビュー

家入レオ

ここ数年、才能きらめくティーンエイジャーの女性シンガソングライターのデビューが相次ぐ中、頭一つ抜けだした感がある家入レオ。彼女の放つ鋭い楽曲は、印象的な顔つきと相まって、ファンの中に消えない爪痕を残してきた。そんな彼女も二十歳を迎え、そのタイトルもズバリ『20(トゥエンティ)』というこのアルバムで、これまでの刃向かうスタイルから、人を包み込むようなやさしい表情を見せるようになっている。一体、彼女を変えたものとは何なのか?優しさをまとっても、その中にちゃんと闇と牙が渦巻く家入ワールドを、本音で語ったインタビューです。

19歳の自分は二十歳に対する憧れが強かった

──今回のサード・アルバム『20(トゥエンティ)』ですが、まさに昨年、二十歳(ハタチ)になったばかりの家入さんを象徴しているタイトルです。そもそもアルバム制作は、いつ頃から始めたのですか?

家入:私はアルバムのリリースがあるからということで制作を始めるタイプではなくて、時間がある時にスタジオに入って、随時作り溜めていくタイプなので、今回もアルバムのリリースが決まって、まず今ならこの曲だというところで曲を選んでいきました。ただアルバムにするにあたって、新しく作った曲もあります。それで実は最終締切の日の朝まで作業をしていて、もう制作現場は凄かったです(笑)。

──特に苦労したのは、どこですか?

家入:新しく書き下ろした曲です。アレンジも、歌詞も、歌い方も、もうあげるときりがないのですが、ひとつひとつこだわりながらやりました。だから1st、2ndとアルバムを出してきましたけれど、今回が色々な意味で、思い入れが一番強い作品になったと思います。

──因みにアルバムのために新しく書き下ろした曲はどれですか?

家入:「lost in the dream」「little blue」「Last Song」「TWO HEARTS」「love & hate」の5曲です。

──今回のアルバム制作で意識されたところはどこですか?

家入:『20』というアルバム・タイトルをつけながらも、曲を作ったのは19歳の時が殆どです。でも私にとって19歳というのは、二十歳(ハタチ)になった今よりも二十歳を生きていた時代だったともいえます。それくらい19歳の自分は二十歳に対する憧れが強かった。17歳でデビューしてから、「自分が計算式を解いている途中なのに、もう答えが提示されている」って感じることが多々ありました。それは周りが自分のことを守ってくれるとか、思ってくれているからなんだろうと考えていましたけど、そういう時に私は「いつか二十歳になれば」という言葉を凄く使っていました。それを聞いていたスタッフさんには「二十歳にこだわらないで、今やりたいことをやればいい」って言い返されていましたけど(笑)、自分にとって二十歳というのは「今、頑張れば絶対に素敵な未来が待っているんだ」っていう、自分を説得する言葉だったのです。でもいざ二十歳になってみたら「こんなもんか」っていう感じですけど(笑)。でもそれも、なってみないと分からないし、経験してみないと分からないことって、人生には沢山あるんだなって思いました。今の私にとって二十歳というのは第二章なわけですが、凄く楽しいこともあるけど、不安も凄くあります。でもそれは二十歳に限ったことではなくて、どの世代でも、未来に希望だけ持っている人というのはいないんじゃないかなって思います。誰でも希望と不安の両方がある。ですからこのアルバムは、色々な世代のみなさんに聴いて頂きたい一枚になったと思います。

──因みに前作はアルバムのタイトル曲がありましたけど、今回はありませんね。『20』というタイトルは、どうやって決まったのですか?

家入:タイトルは制作の過程で作りました。19歳の時に作った曲が多いのですが、当時は二十歳に憧れていた自分だったので、それでこのタイトルが出てきました。他にも候補があったのですが、結局、全て“二十歳”を意識したものでした。だからこそ、ここはシンプルに“20”が分かりやすいと思って、このタイトルに決めました。

“ロイスローリー”の企み
──アルバムを実際に聴いてみると、1曲目からキレのあるギターで始まって、出だしですごく掴まれます。そして最後は静かな曲で締めくくられるという構成です。まさに12曲を一挙に聴けてしまうのですが、その中でも切ない内容の曲が多いような印象を受けました。同時に歌い方もいつもより優しい感じがしました。

家入:まず、“二十歳になれば全てから開放される”と思っていたけど、実はそうではなかったというのがあります。でも、20代をしっかり生きたいという決意はどの曲にもあって。前に進むというのは、過去を受け入れることだとも思うのです。例えばもし10代の痛みや苦しみと向き合っていなかったら、折角20代を生きているのに、形を変えながら10代の壁が、私の前に永遠にあることになります。そこでまた向き合わなかったら、30代を生きていても、同じように10代の苦しみがついて回ると思って。だから10代のうちに、10代のことにはちゃんと整理をつけておくという気持ちが自分の中にありました。

──そんな思いが出ている楽曲はどれですか?

家入:例えば「little blue」という曲は、私の20年間を振り返っている曲ですが、自分の喜びや苦しみを受け入れるっていうところで、前までは「どうして、なんで、自分がこんな思いをしなくちゃいけないの?」って思っていました。でも、少し距離と時間を置いたことによって、客観的に見られるようになって、10代の全てを抱きしめて、これから二十歳、20代を歩いて行きたいという気持ちが出ている楽曲になりました。

──「little blue」の歌詞には「ロイスローリー」という言葉が出てきます。

家入:それはアメリカの童話作家の名前です。もともとそこには普通の英語をはめていたのですが、もっとぐっと心を掴まれる言葉が欲しかったんです。

──最初は「ロイスローリー」ではなかったんですね。

家入:適当なカタカナ英語をはめていました。言葉だけでは真実が見えないと思うんです。例えば「ありがとう」って言っても、その中には色々なレベルがあって、それこそ口先だけの「ありがとう」もあるし、逆に100%以上の気持ちが詰まっていても「ありがとう」の言葉は変わらないですよね。そう考えると気持ちを託すものとして、言葉というのは頼りないところもある。そう考えて、自分の20年間の色々な出来事を、言葉だけに頼らずに、もっと雰囲気も含めて伝えたいと思ったんです。そこで出てきたのが、作家のロイス・ローリーさんです。彼女の作品には喜怒哀楽、色々なものが詰まっているので、その名前を出すことでイメージが膨らむと思ったんです。言葉の奥にある世界観の広がりというか、「ありがとう」という言葉を「ありがとう」のままではなくて、“家入がここで「ありがとう」って言っているのは、こういう想いで、こういう経験があるのかも”、という広がりを持たせたくて。そこに“ロイスローリー”というフレーズがドンピシャではまりました。「ここで、なんでロイス・ローリーが出てくるの?」とか、「家入は子供の頃に彼女の本を読んでたのかな?」とか、「ひょっとしてlittle blueの世界観にも繋がっていくのかな?」とか、そういう広がりを感じてもらえたら、凄くいいなぁと思います。

──それなので敢えてナカグロを入れずに、そのまま使っているのですね。

家入:そうすることでリスナーの想像力を刺激したかったので、聴いてくださる方それぞれで、自分だけの感じ方を発見して貰えたらうれしいですね。因みに「ミスター・ロンリー」は映画のタイトルから来ています。こういう言葉から、例えば文学とか映画とか、違う世界へと繋がっていけば、もっと面白いんじゃないかと思います。

──因みにアルバムの一曲目は「miss you」ですが、この順番にも何か意図がありますか?

家入:今回のアルバムにも入れた「Silly」という曲が出来たとき、自分の中に手応えがありました。ただ、このアルバムから初めて私の曲を聴いてくれる方もいるだろうなっていう想いがあった。その一方で、今までと芯はぶれてないけど、「20代の新しい風が吹いているんだな」っていうのも感じてもらいたかった。そこで、「miss you」はアコースティックなサウンドで、かといって柔らかすぎず、ちゃんと芯もあって、変わらないものを持ち続けながら変わっていく様というのが上手く表現できた曲なので、それを最初に持ってきました。

伝え方って、色々あるんだなと思いました
──「心のカ・タ・チ〜Another Story〜」は、シングル「Bless You」のカップリング曲です。それがリ・アレンジされていますが、歌詞にも変更があるんですか?

家入:歌詞は変わってないです。

──もともとに比べると激しいアレンジになっていますね。

家入:ロックな感じに仕上げました。

──この曲を入れた経緯は?

家入:今回は一見マシュマロみたいに柔らかいんだけど、口に含んだらガリって音がするような感じのアルバムです。1stアルバムをリリースした時に、ある人に「あなたの音楽は心の準備をして聴かないと、いきなり胸に突き刺さるので、傷つく」って言われて。それが自分の持ち味だと思った時もあったけど、そういうことが果たして聴く人の心に届いているっていうことなのかと考えた時に、ライブツアーを繰り返していくうちに、“人は「鏡」なんだ”と思えてきたのです。例えば私がステージで笑っていたら、観客の皆さんも笑ってくれる。悲しんでいたら、その悲しみに寄り添ってくれる。そこで思ったのが、アルバムを聴いてくれる皆さんに傷つく準備をして欲しくないということです。そのために、心のドアを誰かが叩いたら、今までは番犬のように「わん、わん、わん」ってすごい勢いで吠えるようなイメージでしたが(笑)、今度からは「どうぞ中に入って、お茶でもどうですか?」っていうような優しさを見せるようにしたんです。そうすることによって、リスナーがもっと心の奥まで階段を降りてきてくれるんじゃないかなって思いました。伝えたいことの内容は変わってないけど、伝え方が変わったということですね。にこやかな顔で差し出した手を、いきなり振り払う人はいないと思うし、むしろ同じような笑顔で手を差し伸べてくれるんじゃないでしょうか。そして手と手が触れ合った瞬間に、私の世界に引き連れて行く。そうすることで、メッセージが心に浸透する率が高まるんじゃないかと思います。それに、入口が優しいと身構えないから、逆にもっと衝撃を与えられるっていうのもありますよね。そのほうが、思いが伝わるかなって。ですから今回のアルバムは雰囲気的には柔らかくて淡いのですが、核になるものは前のアルバムよりも鋭いので、その鋭さがもっと届くアルバムになったと思います。

──簡単にいうと、いろいろな伝え方というか引き出しが増えて、家入レオが大人になったという感じですね。

家入:デビューして2月で丸3年、そして4年目に入っていくんですけど、たった3年ですが色々なライブを積み重ねることができたし、絶対に何かが変わっているはずだと思います。「心のカ・タ・チ〜Another Story〜」のリ・アレンジは、それを確かめることでもあったのですが、正直怖かったですね。同じメロディで同じ言葉で、アレンジを変えたとしても、本当に何かが変わっていない限り、「成長したね」って言って貰えないから。そこは凄く悩みましたが、でも3年間分のみんなから貰った想いというのは声に宿っているはずだし、20代を歩いていくための自信に繋がる成長があるはずだと思って、チャレンジしてみました。実際にやってみたら、今は、このバージョンの方がしっくりときています。

──それが成長の証ですね。

家入:そうだと思います。もちろんピッチもリズムも、“もっとこうやって歌えたら”というのはあります。でも過去の作品もその時なりに一生懸命歌ってきたなかで、自分で聴き比べてみても、自分なりに成長を感じられました。

──デビューの頃は大人たちに対して尖っていました。それがこの3年で、去年の「a boy」の時のインタビューでもおっしゃっていましたが、すごく柔らかさが出てきましたね。

家入:そうですね。本当に伝え方って、色々あるんだなと思いました。

ライブの家入は結構喋る?
──「Still」という曲は出だしの2行で、主人公の二人がどういう人かすぐに分って、そこからの展開もスリリングで、いい曲ですね。

家入:ありがとうございます。でもまず、私の中では「Silly」がすごく転機になっているんです。

──具体的には、どのようなことですか?

家入:「純情」までにリリースした曲というのは、全部が喜怒哀楽のどこかに属していて、言ってみれば白黒をハッキリとつけているものばかりです。当時は曖昧な態度をとる大人に対して凄く当たりも強かったし、刃向かっていました。自分が子供だったっていうのもあったけど、頑張ったらその分、答えや結果が必ず見えてくるものだと思っていたのです。でも「Silly」を作ることが、人間や愛について考えるきっかけになりました。「私を含めて、なんで人はいつも間違えちゃうんだろう。失敗しちゃうんだろう」と思った時に、「間違えるからこそ傷ついて、その傷に愛が染みこむ。だからこそ優しさの本当の意味が分かるんだなぁ」って思ったのです。

──それまでの白黒方式だと、優しさに行く前に、まず間違えるなんて許せませんもんね。

家入:間違えること、愚かなことは人間らしさであって、愛おしい部分だと思えたのです。人間は間違えてしまうことがあって、例えば頑張っても結果が出ないということだってある。生きることには全部白黒はつけられない、つまりグレーゾーンを認められたということです。それが自分の中では凄く大きなことでした。でもそれは諦めとは違っていて、頑張っても手が届かなかった人には、哀愁や切なさが凄くある。そういうグレーゾーンを認められたのも、「Silly」を作ることで幅が広がったからだと思います。その中で「Still」は、「Silly」の前に作った曲なんです。

──「Still」の方が、先だったんですか。

家入:そうです。白黒ハッキリつけたかった頃の自分が作った曲です。その頃は、愛があれば自分は全て満たされると思っていた。でも「Silly」で、どうやら愛だけでは自分は満たされないということが分かったのです。そういう意味では、「Still」の頃は単純で、実は私はこの頃に戻りたい(笑)。

──そう来ますか(笑)。

家入:生きていても凄く辛かったけど、あの頃は求めるものが明確でした。「Still」は私にとっても想い出深くて、この曲はラブ・ソングに聴こえますけど、私にとっての歌詞の中の「キミ」はイコール「音楽」なんです。つまり「音楽を嫌いと言えたらどんなに楽だろう」って思っていた。それをストレートに書いたものです。この気持ちはデビューの頃からずっと持っていたもので、「どうして好きなことを仕事にしちゃったんだろう」って、悩んできました。「Still」は日常の中で、そんな音楽とのあり方を悩んでいる時期の曲なんです。

──一方「勇気のしるし」という曲はサビが印象的です。この歌詞にも“家入レオイズム”が現れている(笑)?

家入:そうですね。私の場合、軸は優しい曲より、アッパーな曲や、闇のところにあるわけで、その点、「勇気のしるし」では新しい闇の表現が出来ました。

──内容としては自分自身への叱咤激励ですよね?

家入:そうですね。

──家入さんはメロディが言葉を選ぶということで、制作ではいつも曲が先にあるというお話でしたけど、今回もそうでしたか。

家入:そうですね。曲から先に作ることが多いです。その中でも今回は「TWO HEARTS」の作詞が大変でした。この曲はメロディがポップだったので、最初は“学校”をテーマにして書いたんですけど、出来上がってみると、それじゃ広くて浅すぎると思えて。学校に属していた時には、私は学校が凄く嫌いでした。ところが卒業すると、みごとに美化されて、すごくキラキラしたりして、懐かしいとすら思ってしまうんです(笑)。そういう意味で、今、大人の人たちにも学生時代はあったわけで、“学校”というテーマを使えば、私が伝えたいことと、聴いてくださる方との間にある感覚のズレが少なくなると思ったんです。極端にいえば、「チョーク」って聴いて、「鉛筆」を想像する人はいないですよね(笑)。歌詞の中にそういう小道具を無造作に出しても、私の思っていることがズレないでそのまま届く、それが“学校”っていうシチュエーションですね。そういう感じで書いたのですが、浅い内容になってしまったので書き直しました。

──学校からどっちへ方向変換するのですか?

家入:上京してきた頃の自分のことを振り返って、その想いをストレートに書いてみました。「あの時にみたいに街はキラキラしていないし、未来もキラキラしていないけど、でも絶望しているわけではなくて。夢を叶えたい気持ちは変わってないけど、東京に来て何年か経って、自分自身も大人になっているのかな。でも絶対、夢は譲らないよ」っていう曲になりました。

──一方、サウンド面では4曲目の「lost in the dream」と10曲目の「love & hate」が特徴的でした。まず、「lost in the dream」はライブ・セッションの雰囲気。クラップやコーラスの掛け合いもあって、盛り上がりますね。

家入:リズムも乗りやすいので、「クラップしながらみんなで歌えればいいなぁ」と思っています。歌詞の世界観は映画の『カサブランカ』からインスピレーションを受けました。あの映画には、「好きな人に想いを伝えないのが美学だ」という考え方があると思うんですが、それって言いようによってはやせ我慢ですよね(笑)。それが素敵だということはもちろん分かりますけど、でも正直に言うと「なんでそこで“好き”って言わないの」っていう歯痒さも感じてしまいます。そういう想いをのせて書いた歌詞です。

──「love & hate」はスリリングに変化していく楽曲で、素人には、なかなか歌うのが難しい(笑)。

家入:そんなことないですよ(笑)。ただハネてるし、一見遅そうに思えるリズムも実は早かったりもするので、そう感じるかもしれませんね。ただ、この曲は今までの自分の軸に一番近い曲です。自分の中では「Bless You」が自分の色だと思っているのですが、そこに近い楽曲ですね。

──具体的には、どんな部分ですか?

家入:愛されたいけど、自分に自信がないから嘘をついてしまう。でもそうやって見栄を張っている自分を愛されるのが凄く怖いから、嘘をついている瞬間にも嘘を見抜いて欲しいと思う矛盾。そういう愛されることへの闇から、誰か救いだしてって思っているのです。でも実際は、自分の嘘にズタズタに傷ついて、壊れてしまう純粋で無垢な誰かを見てみたいという(笑)、そういう闇の気持ちって、誰にでもあるんじゃないかと思っています。

──かなり深い闇の部分の話ですね(笑)。

家入:例えば凄く好きな人が「悲しいことがあった」ってこっちに来てくれた時に、その悲しみに心から寄り添いながらも、本当に目に見えない心の隙間で、ほんのちょっと「私のことを選んでくれたんだ」って、喜んでしまう自分。それは誰にでもあると思いますよ。さらに自分の言葉や嘘が、誰かをダメにしてしまうのって、凄く暗いけど甘い喜びでもあるんじゃないかなって思ったりもします(笑)。この曲の中に「Ah 壊れた 僕の胸でむせび泣いて」という歌詞があるのですが、大好きなあの人が泣いている顔を見たいと思ってしまう、結構、歪んだ愛情について歌っています(笑)。

──その世界観を反映してか、アレンジも一筋縄でないですね。

家入:アレンジは、最初はもっとポップだったのですが、私の歌詞に合わせてもらって、こういうアレンジに持ってきました。私の中にある世界観としては、どこにも居場所のない女の子、どの風景にいてもしっくりこない女の子、それが主人公です。その子は赤いワンピースを着て、黒い長い髪。「こんなところに来てもいいの?」っていうような場違いな大人のバーにその子が来ていて、違和感はあるけど、でもどこかでしっくりきている、そういう感じです。「チューリップ・タッチ」という小説があるんですけど、それが世界観の下敷きになっていますね。

──どんな小説ですか?

家入:簡単に言うと、虚言癖がある女の子が主人公で、悲しい話ですね。

──それを読めば、家入レオの闇の世界が見えるかもしれない(笑)。では最後にアルバム全体を通してのメッセージをお願いします。

家入:間違いないのは、今作は1stアルバム、2ndアルバムと積み重ねてきた私の、“生きている証”だということです。かといって“私の想いを受け取って”ということではなくて、人が誰でも持っている闇と光の両方を入れ込んだ作品になりました。『20』というアルバム・タイトルに、ご自分の年齢を重ねて聴いて頂けると、より楽しんで貰えると思います。

──そして5月からツアーです。日比谷の野音スタートですが、この会場は初めてですか?

家入:そうですね。立ったことのないステージです。

──その4回目の全国ツアーに向けて、抱負をお願いします。

家入:歌うことに関してはリズムとかピッチとか、そこを完璧に見せようということは当たり前に大前提にとしてあるのですが、それ以上にライブ感を大事にしていきたいです。「家入はテレビで見ていると喋っているイメージがないけど、MCは結構喋る」とか(笑)、そういうライブでしかお見せできない自分を見て頂きたいです。ステージも広いので、アクションもテレビでお見せしているのとは違うものになります。そういう部分も生で見て、楽しんでいただけたらなって思います。是非、お越しください。


家入レオ

家入レオ

ジャケット写真は、初回限定盤です。

『20(トゥエンティ)』

01.miss you
02.little blue
03.Silly
04.lost in the dream
05.心のカ・タ・チ 〜Another Story〜
06.TWO HEARTS
07.For you
08.純情
09.Still
10.love & hate
11.勇気のしるし
12.Last Song
bonus track(通常盤のみ収録)
13.Silly – Another Version –


アルバム
Colourful Records
発売:2015.02.25

[初回限定盤 CD+DVD]
VIZL-780
3,400(税抜)

[通常盤 CD Only]
VICL-64300
2,900(税抜)


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LIVE INFORMATION


■家入レオ 4th ワンマンTour 〜20 twenty〜
2015年5月4日(月・祝)の日比谷野外大音楽堂を皮切りに全国14都市15公演のワンマンツアーが決定!
※詳細はオフィシャルサイトへ
http://leo-ieiri.com/

-インタビュー

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