現在大ヒット公開中のスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でメインキャストの1人、ダイトウを演じ注目を集めている森崎ウィン。ミャンマー出身の彼が所属するのが、サイパン、フランス、日本とさまざまな文化的ルーツを持つメンバーが集まった超国際派ダンスボーカルユニット・PrizmaXだ。そんな彼らが5月5日、幕張メッセで行われた『ピーアーク presents bayfm フリマパラダイス』のライブステージに登場した。
ウィンが『レディ・プレイヤー1』のワールドプレミアで各国を飛び回っていたため、久々のステージとなるこの日を待ちわびていたホリック(PrizmaXファンの愛称)も多かったことだろう。ひときわ大きな歓声で迎えられた5人は、爽やかなサウンドにのせて夏の恋を歌う「HUG&KISS」でステージをスタート。『レディ・プレイヤー1』では男っぽさのにじみ出る役柄を演じていたウィンだが、この曲では満面の笑みで客席に投げキッスをお見舞いしていく。ハイトーンの歌声を聴かせるウィン、中低音の落ち着いた歌声を聴かせるもう一人のボーカル・黒川ティムのハーモニーもキマっている。
続いてイントロで大きな歓声が起こったのは、ウィンが作曲、ティムとラッパーの清水大樹が作詞を手がけた、ホリックにも人気の高い1曲「Three Things」。スムースなサウンドを聴かせる曲なのだが、久々のステージに気分が高揚しているのか、ウィン、ティムが互いに気合いを入れあうようにソウルフルな歌声を聴かせていた。大樹やパフォーマーの島田翼、福本有希も軽快なダンスで魅了する。
MCでは「2か月以上ぶりのライブなんで、5人ともエンジン全開でここに立ってます!」(大樹)とこの日の心境を語った。続くバラード「Someday」ではにぎやかなMCから一転して、失恋の痛みを繊細かつ丁寧に表現していく。実はウィンだけでなく5人全員が役者としてのキャリアを持つ彼らだけに、こういった曲での魅せ方は実にみごとだ。
冒頭にウィンがアカペラで歌い上げる「愛してるだけじゃ、キミはたりない……」のフレーズに会場全体がグッとひきこまれたのは、続くバラード「yours」。1月クールのドラマ『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日)の主題歌で、英語バージョン「yours~For an eternal time」が全世界で配信されており、彼らの楽曲の中でもバツグンの知名度を誇る同曲。サウンド、ダンスともにシンプルな楽曲だけに、ウィンとティムの情感あふれる歌声はもちろん、全員の高い表現力が光る1曲でもある。
後半のMCでは歯に衣着せないトークで“PrizmaXの特殊部隊”の異名(?)を持つ有希が、ウィンが先日出演した『しゃべくり007』(日本テレビ)で連呼していた映画の決め台詞「First to the egg!(一番を獲りに行こう!という意味)」を無茶ぶり! 急遽、番組で好評だった“水中での「First to the egg!」を披露するというひと幕も。
ラストを飾ったのは、60年代テイストのロックンロールサウンドで盛り上げる「my girl」。いい意味で時代性を感じさせないエバーグリーンさを持つPrizmaXの楽曲は、大人世代からキッズまでが楽しめるのがポイント。ハイテンションなこの曲の勢いどおりに熱気をはらんだまま、この日のステージは幕を閉じた。
ネイティブな英語で歌える2人のボーカルを擁し、J-POPの枠にとらわれないサウンドを展開するPrizmaXは、役者として世界に打って出たウィン同様にグループとしても“世界で戦える”存在になりつつある。6月にはそんな彼らの密度の濃いステージを堪能できる東西ワンマンツアー「PrizmaX Hall Tour Level 7~FUSION~」(6月2日・NHK大阪ホール、6月16日・市川市文化会館大ホール)も決定。気になっている人はこの機会に是非、彼らの魅力を体感してみてほしい。
※カメラマンクレジット
Photo by 笹森 健一
※ライタークレジット
Text by 古知屋 ジュン
■ライブ情報
PrizmaX Hall Tour Level 7 ~FUSION~
■公演日/会場
★2018年6月2日(土)【大阪】NHK大阪ホール
★2018年6月16日(土)【千葉】市川市文化会館 大ホール
■開場/開演時間
開場16:00 / 開演17:00
■チケット料金
全席指定 ¥6,500(税込)
■公演に関するお問合わせ
【大阪】キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888 (毎日10:00~18:00)
【千葉】キョードー東京 TEL:0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
★PrizmaX オフィシャルサイト:http://www.prizmax.tokyo/
★公式Twitter:@prizmax_staff