アニソンという枠を飛び越え、ロックシンガーとしての評価と人気を得てきた西沢幸奏のソロ・プロジェクトとして始動したEXiNA(イクジーナ)が、8月25日(日)に東京・新宿MARZにて、初ライブ『EXiNA SHOW CASE LiVE 2019 “XiX”』を開催した。
EXiNA(イクジーナ)は2015年に高校3年生でメジャーデビューを果たし、アニメ『艦隊これくしょん-艦これ-』のEDテーマやアニメ「学戦都市アスタリスク」のOP主題歌など、数多くのアニソンを歌ってきた西沢幸奏(にしざわ・しえな)が新たに立ち上げたソロ・プロジェクト。作曲とサウンドプロデュースにポルノグラフィティなど手掛ける篤志を迎え、8月21日(水)に1stミニ・アルバム『XiX』をリリースした。この日はEXiNAのお披露目となるショーケースライブとなっており、昼夜2回行われた公演には、彼女の新たな出発を見届けようと数多くの観客が詰めかけ、フロアは開演前から熱気であふれていた。
篤志(Gt)、中村泰三(Ba)、中村“マーボー”真行(Ds)からなるバンドメンバーを従え、黒いフードをかぶってステージに登場した西沢は、エレキギターを抱えたままで「みんな飛べよ!」と叫び、過去の自分をロボットに例えた「EQ」で怒りを爆発させて、勢いよくEXiNAのライブをスタートさせた。スラップベースが炸裂する「KATANA」でフードを脱いだ彼女がオーディエンスを煽ると、フロアでは激しいヘドバンやクラップが巻き起こり、一瞬だけ笑顔を見せた。そして、最初のMCで「はじめまして。イクジーナです。今日は最後まで楽しんでいってください」とあいさつ。「Shark」「Gemini」「Reason To Scream」と、西沢幸奏名義の人気曲をヘヴィーでハードなメタルロックサウンドにリアレンジした“EXiNA verison”で披露すると、オーディエンスは激しい手拍子とジャンプ、そして、シンガロングで応え、リアレンジをポジティヴに受け入れているという姿勢を彼女に伝えた。
静から動へとダイナミックに展開する「NEON」や考え込みすぎてしまう心を解放してくれる「OVERTHiNKiNG BOY」でロックシンガーとしての多彩な表現力を見せつけた彼女は、「私は今日、この日を楽しみにしてきたんだけど、みんな、そんなもんじゃないだろ! もっと来いよ!」と声をあげると、続く「BERSERK」ではフロアが一体となるようなヘドバンの嵐が沸き起こり、終わりと始まりを記した「PERiOD」では、彼女によるバキバキのギターリフによって観客の拳が上がり、シャウトを誘発され、最高潮の盛り上がりの中で本編は締めくくられた
アンコールでは改めて、西沢幸奏からEXiNAに変わったことについて説明。「あくまでも外的要素ではなく、自分がやってることを自分が認めてあげられなくなったことで音楽が楽しめなくなってしまったんです。自分の中のちっぽけな問題で環境を変えたいと思うようになったんだけど、何もかもに怯えて行動にできてなかったの。でも、周りの信頼できる人たちに自分の気持ちをもっと大事にしていいんだよと言ってもらえたことで、自分勝手かもしれないけど、こうして行動に移しました。それがイクジーナです」と振り返り、「簡潔にいうと、もっと音楽を楽しみたかったから、それだけなんです。みんな、これからもよろしくお願いいたします」と頭を下げると、フロアは温かい応援の拍手で包まれた。そして、 最後に「私にとって、とても大事な曲をやろうと思います」と語り、西沢名義の2ndシングル「Brand-new World」を超攻撃的なサウンドとパフォーマンスで歌い上げると、フロアにはサークルモッシュが生まれ、熱狂の渦の中でお披露目ライブの幕を閉じた。
なお、EXiNAはこの日のMCで1stワンマンライブ「XiX GiG」を12/7に東京・新宿BLAZE、12/8に大阪・ESAKA MUSEにて開催することを発表した。
写真:佐藤祐介
【set list】
M1. EQ
M2. KATANA
M3. Shark
M4. Gemini
M5. Reason to Scream
M6. NEON
M7. OVERTHiNKiNG BOY
M8. BERSERK
M9. PERiOD
EN. Brand-new World