2016年にソロ活動をスタートさせたPlastic Treeのボーカリスト、有村竜太朗。これまでに個人作品集1996-2013『デも/demo』(2016年発売)、『個人作品集1992-2017「デも/demo#2」』(2018年発売)という2作品を世に送り出し、リリースに連動したライブも行ってきた。そんな有村が新たな挑戦として、ライブハウスツアー“有村竜太朗 TOUR 2019「デも/demo #2-Road Show-」”の開催を発表したのは昨年10月のZepp Tokyoの終演後。ソロで18公演のロングツアーを敢行するのはもちろん初めてとなるだけに、注目を集めていた。
過去の公演はアコースティックセットとバンドセットの2部構成という実験的なスタイルだったが、このツアーではどんなスタイルを見せてくれるのだろうか――。
暗転と同時にブザーの音が鳴り、まるで映画が始まるかのように開演を告げる。まずは有村がひとりでステージに現れると、「0p.6(恋ト幻/rentogen)」を弾き語りで披露。シンプルなオープニングながら、存在感のある歌声で場内を包み込んだ。背後には幻想的な映像が映し出され、視覚的にもにグッと引き込まれていく。幻想的な1曲目が終わると、バンドのメンバーがステージに登場。歪んだギターが持ち味のhiro(te’)(G)、鳥石遼太(B)、高垣良介(Dr)、そして野村慶一郎(Key/Mani)という、これまでも有村のソロライブを支えてきた気心の知れた仲間達だ。今回はこのバンドスタイルで、『デも』の旅が始まる。
2曲目以降も楽曲が淡々とプレイされていく。郷愁感のあるポップチューン「くるおし花/kuruoshihana」や「魔似事/manegoto」、懐かしい記憶を呼び起こされるような「鍵時計/kagidokei」、そして「日没地区/nichibotsuchiku」など温かみのある曲、さらには「19罪/jukyusai」のようにシューゲーザーが色濃く出たものなど、聴き応えのあるサウンドで聴き手を酔わせていく。各曲の良さを際立たせていたのは、やはり背景に映し出される映像や、印象的な照明だった。本編ラストの「幻形フィルム/genkeifirumu」が終わると、スクリーンには“終”の文字が浮かび上がる。ツアータイトルが示すように映画を思わせるような粋な演出で、1本の映画を見たような感覚を味わえた。
このあと、観客のアンコールに応え、有村は再びステージに登場。本編の緊張感から解かれ、リラックスした空気の中で演奏を楽しんだ。ダブルアンコールに応えた彼は、「初日は緊張の連続でしたけど、やっと俺の正月が来たって感じです」と語り、ステージ上でメンバー達と升酒で乾杯するひと幕も。
ちなみにアンコールでは、ツアー中に選曲をどんどん変えていくようで、中には進化していく曲や、もしかしたら新曲が聴ける公演もあるかもとのこと。ある意味、このツアー自体が変化に富んだロードムービーのようなものなのかもしれない。このツアーの締めくくりは3月6日のマイナビBLITZ赤坂。楽曲達が各地で磨かれ、どう進化していったのかを聴くのが待ち遠しい。また、当日は有村竜太朗自身のバースデーでもある。滅多にないタイミングなだけに、記憶に残る日になりそうだ。
有村竜太朗 TOUR2019 「デも/demo #2」-Road Show-
2019 年 1 月 6 日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3(埼玉県)
2019 年 1 月 11 日(金) NAGOYA ReNY limited(愛知県)
2019 年 1 月 13 日(日) バナナホール(大阪府)
2019 年 1 月 14 日(月祝) KYOTO MUSE(京都府)
2019 年 1 月 19 日(土) 金沢 AZ(石川県)
2019 年 1 月 20 日(日) 長野ライブハウス J(長野県)
2019 年 1 月 26 日(土) 横浜 7th AVENUE(神奈川県)
2019 年 1 月 27 日(日) 千葉 LOOK(千葉県)
2019 年 2 月 1 日(金) Club SWINDLE(秋田県)
2019 年 2 月 2 日(土) MACANA(宮城県)
2019 年 2 月 9 日(土) 旭川 CASINO DRIVE(北海道)
2019 年 2 月 10 日(日) 札幌 COLONY(北海道)
2019 年 2 月 16 日(土) 水戸ライトハウス(茨城県)
2019 年 2 月 17 日(日) HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2(栃木県)
2019 年 2 月 23 日(土) 鹿児島 SR ホール(鹿児島県)
2019 年 2 月 24 日(日) DRUM Be-1(福岡県)
2019 年 3 月 6 日(水) マイナビ BLITZ 赤坂(東京都)
【有村竜太朗オフィシャルサイト】http://arimuraryutaro.com
【Plastic Treeオフィシャルサイト】http://www.jrock.jp/plastictree