今回の作品で日本のファンにアピールしたい部分は?と聞かれると「カーペンターズの曲を新たにアレンジして、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が演奏しただけのアルバムではありません。新しい技術の力を借りて、カレンのボーカルをより際立たせる工夫をしたり、結果的にあらゆる面で以前のオリジナルの作品より良いものになったと思っています。選曲についてですが、単なるベストアルバムにはしたくなかったんです。もちろんヒット曲は入っていますが、当時シングルにはならなかった曲とか、メロディや歌詞の面で僕やカレンが大好きだった曲も収録しています。それは「マスカレード(THIS MASQUERADE)」であったり、「想い出にさよなら(I JUST FALL IN LOVE AGAIN)」であったり、「ベイビー・イッツ・ユー BABY IT’S YOU」であったり。66分間あるアルバムを是非最初から最後まで通して聞いて欲しいです」
日本での一番思い出を教えて下さいという問いには「カレンも同感だと思うので彼女の分も話すと、たくさんいい思い出があるので一つじゃなくて二つ選ばせてください。一つは1970年の秋に来日した時で、「遙かなる影 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU」がアメリカでヒットした数ヶ月あとで、まさか日本で僕たちのことを知られているとは思わなかったんです。来てみたら全くの新世界で、空港から東京までのあいだの道路の標識とか、東京の中心地はタイムズスクエアのような都会で、異文化にノックアウトされたのを記憶しています。滞在中には日本ならではの習慣にたくさん触れました。
1974年の来日の時は空港たくさんのファンの方が来てくれて、そのときのファンや泊まった東京ヒルトンの様子とか、武道館公演のこととはたくさん覚えています。強いていうならこの2つです」
そしてリチャードはステージに用意されたグランドピアノにて「愛のプレリュード(We’ve Only Just Begun)」「青春の輝き(I Need To Be In Love)」「イエスタデイ・ワンス・モア (Yesterday Once More)」の3曲のスペシャルメドレーを披露。観客の中にはその優しくも哀愁を帯びたピアノの旋律に何人もの人が涙流し、ハンカチで目を抑える観客続出していた。
1. オーヴァーチュア OVERTURE
2. イエスタデイ・ワンス・モア YESTERDAY ONCE MORE
3. ハーティング・イーチ・アザー HURTING EACH OTHER
4. 青春の輝き I NEED TO BE IN LOVE
5. ふたりの誓い FOR ALL WE KNOW
6. タッチ・ミー TOUCH ME WHEN WE’RE DANCING
7. アイ・ビリーヴ・ユー I BELIEVE YOU
8. 想い出にさよなら I JUST FALL IN LOVE AGAIN
9. メリー・クリスマス・ダーリン MERRY CHRISTMAS, DARLING
10. ベイビー・イッツ・ユー BABY IT’S YOU
11. 遙かなる影 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
12. スーパースター SUPERSTAR
13. 雨の日と月曜日は RAINY DAYS AND MONDAYS
14. マスカレード THIS MASQUERADE
15. 涙の乗車券 TICKET TO RIDE
16. 愛にさよならを GOODBYE TO LOVE
17. トップ・オブ・ザ・ワールド TOP OF THE WORLD
18. 愛のプレリュード WE’VE ONLY JUST BEGUN
19. 日本盤ボーナス・トラック: プリーズ・ミスター・ポストマン PLEASE MR. POSTMAN