水曜日のカンパネラが11月7日に新木場STUDIO COASTでワンマンツアー「ガラパゴスツアー」の東京公演を行った。
本ツアーは6月リリースのEP『ガラパゴス』を携えて行われており、すでに10月には香港、台北、広州、北京、上海、杭州にて単独公演を実施してきた水曜日のカンパネラ。国内で行われる「ガラパゴスツアー」最初の公演ということもあり、フロアはまだ観ぬ水カンのパフォーマンスを待ちわびるファンで埋め尽くされ、開演前から熱気が立ち込めていた。
定刻を迎え、会場内が暗くなると反射板を手にしたスタッフがステージ奥に位置し、スポットライトの照明を反射させて会場内に一筋の光を照らす。ステージ袖からマイクスタンドを手にしたコムアイ(主演・歌唱)が現れ、ステージ中央に立つと、照明を背中に浴びながら「キイロのうた」をゆっくりと歌い始める。歌唱中、反射板を手にしたスタッフがフロア頭上のミラーボールに光を当てると、星空のような照明が会場内に広がり、幻想的な景色が広がった。身体をくねらせながらコムアイが「かぐや姫」を歌っているとトラックが突然「チュパカブラ」に切り替わり、フロアからは拍手と歓声が上がる。「チュパカブラ」のダンサブルなトラックに身を任せてコムアイがステージ上で踊り始めると、緊張した面持ちでステージを見守っていたオーディエンスも拳を挙げて彼女のステージングに応えていた。
「ライト兄弟」「ゴッホ」の2曲の歌唱中には複数のスタッフが反射板を手にして照明を反射させ、会場内を色とりどりの光が交錯する中でコムアイが歌声を届ける。「南方熊楠」ではステージ後方に広げた幕が波打ち始め、カラフルな照明と幕の陰影を使った演出で観る者を楽曲の世界に引き込んでいった。MCに入るとコムアイはツアー前半でアジアの各地を回ってきたことに触れ「日本に戻って参りました」とファンに挨拶。彼女はライブの楽しみ方を「地球を潜っているイメージ」「穴を掘っていった先に、またもう1回出会える」と独自の表現で伝え、「それぞれで受け取り方が違っていいので、今感じていることが正しいと思ってください」と呼びかけ、ステージ上にゲストとして池貝峻(yahyel)を呼び込んでライブを再開。フロアから花道に上がってきた池貝は、コラボ曲「生きろ。」でコムアイと声を重ね、息の合ったボーカルワークで観客を魅了した。
「たんたかたんたんたかたん たんたかたんたんたかたん」と特徴的なイントロが流れ始めるとフロアから自然と歓声が上がる。インディーズ時代の人気曲「シャクシャイン」が繰り出されると観客たちは手拍子を鳴らし、コムアイがマイクを向ければ歌詞の一部を歌い上げ、フロアの一体感は最高潮に。続く「桃太郎(Remix)」では、叫ぶように歌う彼女のボーカルが会場を包み込んだ。「ピカソ」の歌唱に入るとコムアイは花道の縁に座り込み、ファンの目の前で歌声を届けて、最前列周辺のオーディエンスを熱狂させていた。
「BayJuke(INST)」ではステージを赤い紗幕が包み込み、コムアイの影が幕に映し出される展開に。覆っていた幕が外れると、そのまま幕は花道を中心にフロアを覆い、コムアイは幕の中で「ウランちゃん」を歌唱。続く「愛しいものたちへ」では、いつの間にかフロアまで降りたコムアイが、観客の合間を縫うように歩き回りながら歌唱。フロアに脚立が立てられるとコムアイはそこに登り、周囲の観客一人ひとりの顔を見渡しながら歌声を届けていた。フロアにかかっていた幕が外されると「一休さん」のパフォーマンスへ。脚立の最上段に立ち上がったコムアイはまるで周囲に崇められるかのような状態の中で歌って踊り、フロアのテンションに火を点ける。「今日は来てくれてありがとう! またどこかで会いましょう」と声をかけたコムアイは、最後の曲「マルコ・ポーロ(Remix)」で脚立から降り、再びフロアを練り歩いて2階席へ向かう。フロアを見下ろし、深々とお辞儀をした彼女は、2階席の片隅で膨らんでいた大きな光を放ったグレーの物体に飲み込まれる形で会場から姿を消した。客電が点灯し、PA卓にいたケンモチヒデフミ(サウンドプロデューサー)が終演を知らせるアナウンスをすると、オーディエンスは拍手と喝采で水曜日のカンパネラのパフォーマンスを称えた。
水曜日のカンパネラ「ガラパゴスツアー」
11月7日(水)東京 新木場STUDIO COAST
1. OPENING
2. キイロのうた
3. かぐや姫
4. チュパカブラ
5. ライト兄弟
6. ゴッホ
7. マチルダ
8. 見ざる聞かざる言わざる
9. 南方熊楠
10. 生きろ。
11. シャクシャイン
12. 桃太郎(Remix)
13. メロス
14. ピカソ
15. BayJuke(INST)
16. ウランちゃん
17. 愛しいものたちへ
18. 一休さん
19. マルコ・ポーロ(Remix)
【ガラパゴスツアー】
日程:2018年11月10日(土)
会場:北海道/サッポロファクトリーホール
開演:18:00
日程:2018年11月30日(金) ※SOLD OUT
会場:大阪府/味園ユニバース
開演:19:00
日程:2018年12月8日(土)
会場:沖縄県/ナムラホール
開演:18:00
*チケットの詳細は、水曜日のカンパネラ・オフィシャルサイトにて
http://www.wed-camp.com/
【EP『ガラパゴス』】
6月27日(水)発売
《CD》WPCL-12888 ¥2,500(税抜)
《アナログ》WPJL-10103 ¥3,500(税抜)
《収録曲》
01.かぐや姫
02.南方熊楠
03.ピカソ
04.メロス
05.マトリョーシカ
06.見ざる聞かざる言わざる
07.愛しいものたちへ
08.キイロのうた
【EP『ガラパゴス』ダウンロード・ストリーミング配信】
https://wedcamp.lnk.to/galapagosPR
【水曜日のカンパネラ プロフィール】
2013年からコムアイを主演とするユニットとして始動。メンバーはコムアイ(主演)、ケンモチヒデフミ(音楽)、Dir.F(その他)の3人だが、表に出るのは主演のコムアイのみとなっている。2014年11月に発売した 『私を鬼ヶ島に連れてって』に収録されている楽曲「桃太郎」がWEBやラジオを中心に話題となり耳の早いリスナーが次々と中毒者になっている。
2016年6月22日にワーナーミュージックよりリリースしたEP『UMA』は、Myd(CLUB CHEVAL)、MUST DIE!、Matthewdavid、Brandt Brauer Frickなど海外のクリエイターも参加するなどサウンド面でもバラエティ豊かなEPでデビュー作を飾る。2017年2月にはフルアルバム『SUPERMAN』をリリース。iTunesでは2日間連続1位を獲得。3月には初の日本武道館単独公演で成功を収める。
主演のコムアイは、DOLCE&GABBANAがミラノで発表した2017-18年秋冬コレクションのショーでランウェイモデルとしても歩き、11月にはVOGUE JAPAN WOMEN OF THE YEAR 2017を授賞するなど様々な活動を行なっている。
【yahyel プロフィール】
2015年3月に池貝峻、篠田ミル、杉本亘の3名によって結成。ライヴ活動の本格化に伴い、VJの山田健人、ドラマーの大井一彌をメンバーに加え、現在の5人体制へ。2016年、ロンドンの老舗ROUGH TRADEを含む全5箇所での欧州ツ アー、フジロックフェスティバル〈Rookie A Go Go〉ステージへの出演を経て、9月に初CD作品『Once / The Flare』をリリース。11月にはデビュー・アルバム『Flesh and Blood』を発表し、コアな音楽愛好家達を超えて同世代のリスナーへと鮮烈なインパクトを与え、一気に注目を集める。2017年にはFUJI ROCK、VIVA LA ROCK、TAICOCLUBなどの音楽フェスへの出演も果たした他、Warpaint、Mount Kimbie、alt-Jら海外アーティストの来日ツアーをサポート。そして2018年3月、さらに進化した彼らが自身のアイデンティティを突き詰め、より強固なものとして具現化したセカンドアルバム『Human』をリリース。直後のSXSW出演を経て、韓国公演を含む初のリリースツアーを敢行。夏には初のライジングサン、サマーソニックにも出演、9月には東京公演を含むアジアーツアーを行った。
【関連情報】
水曜日のカンパネラ Official Website:http://www.wed-camp.com/
水曜日のカンパネラ Official Twitter:https://twitter.com/wed_camp
yahyel Official Website:http://yahyelmusic.com/
yahyel Official Twitter:https://twitter.com/yahyel2015