テレビ東京系アニメ『イナズマイレブン アレスの天秤』のOPテーマを歌う男性2人組pugcat’sとEDテーマを歌う女性2人組alomによる初の2マン『イナズマ爆ライブ』が9月8日(土)、AKIBAカルチャーズ劇場で行われた。
『イナズマイレブン』はゲームから生まれてTVアニメ化され、2008年10月より2014年3月まで放送。OPテーマをpugcat’sメンバーのトン兄が率いたT-Pistonz 及びT-Pistonz+KMC、EDテーマをつんく♂プロデュースのアイドルユニットBerryz工房が主に担当していた。10周年の今年、新シリーズ『アレスの天秤』がスタートし、現在クライマックスに向かっている。
ライトの照らされたステージに、まずpugcat’sが登場した。サンバのリズムに乗って「イナズマチャレンジャー!」と歌い出した曲は、『イナズマイレブン』初代OPテーマ「立ち上がリーヨ」。トン兄と岡本幸太が互いのこぶしを向け合ったり、「Stand up、Stand up」と跳ねながら歌ったりと、いきなりエネルギッシュに飛ばす。「楽しんでいこーぜ!」と煽る2人の陽気かつ芯のある歌声に、会場は一気に開放感でいっぱいに。
入れ替わりで美女デュオalomが、赤と黒のミニのワンピースで現れる。抜群のスタイルで目を引きながら、『イナズマイレブン』2代目EDテーマ「青春バスガイド」を歌う。小室さやかのさわやかで艶もある歌声と寺田真奈美のクールな歌声が溶け合い、シンメトリックに揺れる振りも見せてステージを華やがせた。
4人揃ってのMCでは、『イナズマイレブン』主題歌担当10年になるトン兄が「イナズマソングを1曲1曲、今日ここで大復活させたい! みんなで命を吹き込む感じででっかい声で歌って、パワーアップさせていきましょう!」と呼び掛けた。そして「最後まで楽しんじゃリーヨ!」と、4人揃って右手を体と斜めに交差させる決めポーズ。岡本は「テレビで見ていたことをやれて……」と感慨深げだった。
そのままpugcat’sが「つながリーヨ」に「打ち砕ーくっ!」と続ける。「つながリーヨ」はラップも入ってテンポ良くたたみ込み、ピースサインで手を振って暖かい一体感を醸し出す。
一転、負けない心を歌うマイナーアップの「打ち砕ーくっ!」ではパワフルに攻めて迫力を感じさせる。トン兄のロングトーンは魂がほとばしるよう。
また入れ替わってalomも夏感溢れる「本気ボンバー!!」はノリノリで歌って踊り、寺田が「一緒に頭をガンガン振ってください!」と煽ったり。
続くBerryz工房のキラーチューンでもあったワイドルな「雄叫びボーイ WAO!」では、「行きますよ」と「Oh WAO WAO〜」の会場一体の大合唱を再現。2人は力強くもきれいなハーモニーを聴かせ、 alomならではのスタイリッシュさも発揮した。
「イナズマ魂を感じる」とトン兄と岡本が入ってきたところで、ライブへのお祝いメッセージ映像を紹介。『イナズマイレブン』の生みの親のレベルファイブ日野晃博社長、T-Pistonzメンバーのオドランカ王国のイン・チキータ王子から「これからも盛り上げていきましょう」といった声が寄せられた。
さらに「楽屋に封筒があったんですよ」と、トン兄が開封して手紙を代読。「皆さん、こんにちは。つんく♂です」と読み上げられると、ステージと客席から一斉に「エーッ!?」と驚きの声が。つんく♂はalomに楽曲提供している。
「alomは2人とも個性的でクセのある歌声ですが、揃うとお互いの良さを引き立て合い、何とも言えないハーモニーが出来上がります。Berryz工房をカバーしてくれるということで、どんな濃い仕上がりになるか超楽しみです」
そんなメッセージに涙を流す小室。「私はモーニング娘。さんが大好きで、つんく♂さんのおかげで歌手を目指したから、もう今、どうしよう?って感じ……」と呆然となった。
中盤は2組がそれぞれのシングル曲を披露。alomは座って脚を伸ばして背中合わせで歌い出すカップリングの「恋してるんだなっ!」に、『アレスの天秤』EDテーマの「恋する乙女は雨模様」。
腰に両手を当ててステップを踏んだり、体を揺らしながら切なげに歌ったり。
テクノサウンドに歌謡曲風のメロディを乗せるスタイルをモノにしたパフォーマンスを見せた。
pugcat’sはカップリング曲「燃えてきたぜ!」でタオルを回して「もっと一緒に!」と盛り上がり、『アレスの天秤』OPテーマの「てっぺんへダッシュ!」はイントロからこぶしを突き上げて、さらにヒートアップ。
熱気溢れるうえにスピード感もあって、会場中を引き込んでいっそうハイにさせた。
さらに10月スタート予定のアニメ新シリーズ『イナズマイレブン オリオンの刻印』でも、この2組がOP&EDテーマを担当するということで、フルコーラスで初披露。
pugcat’sの「舞台はデッカイほうがいい!」は、ビートが強くてタイトル通りスケール感もありアガるナンバー。“もっと自分を信じよう”とのメッセージが込められ、2人がステージに円を描いて回りながら歌ったりも。
シルバーのメタリックなショートパンツ&ロングブーツに着替えたalomの「彗星ガールズ」は、先に読まれたつんく♂の手紙で「濃いめの曲に仕上げたのに、さらに濃い2人が歌えば、あら不思議。楽曲の濃さが色気と味わいに変化しました」と触れられていた。まさにその通りで、テクノ歌謡路線をグレードアップさせながら、互いにマイクを向けたり、両手を広げて舞うように歌って、そこはかとない色気が漂った。
この2曲のあと、Berryz工房の清水佐紀と熊井友理奈からのメッセージ映像が流れた。
カバーしてくれたalomに「会ってみたい」と話しつつ、かつて共にイベントを回ったトン兄との思い出にも触れ、♪ガムシャララーと「マジで感謝!!」のひと節を口ずんでトン兄を喜ばせた。
MCで、alomが初披露した「彗星ガールズ」は、Berryz工房の「流星ボーイ」のアンサーソング?という話が出て、その「流星ボーイ」からライブは終盤に。
pugcat’sがロッカバラード「最強で最高」を歌って♪ラララ〜とシンガロングが起きたところでalomの2人も入ってきて、ラストは4人で「みんなの気持ちを込めて歌いたい」と「マジで感謝!」。
会場一体になって“ガムシャララ”と手を左右に振り、多幸感の中で幕を閉じた。
すかさずアンコールがかかり、感無量の表情でステージに現れた4人。
トン兄は「爆ライブにふさわしく、歌の力で爆発的に盛り上げてくれてありがとう!」、小室は「ステージから皆さんが楽しそうに笑っている顔をたくさん見られて幸せでした」と語った。寺田は「初のツーマンにこんなに集まってくれると思ってなくて……」と涙ぐんだ。
今回のソールドアウトを受け、12月15日に2マンライブ第2弾が決定。
トン兄が「今日はこれで最後だけど、またね、会えるね? 冬の季節に」と振って、4人で「またね…のキセツ」を歌った。『イナズマイレブン』7代目EDテーマで、キャラクターを演じた声優たちがイナズマオールスターズとして歌っていたナンバー。
鐘の音も入って青春感が漂い、4人が肩を組んで歌うひと幕も。
「今日は皆さんとパワーを交換できたと思います。手を広げて、それを握って、こぶしを上げて、こう叫ぶんだ! イエーイ! 勝って泣こうぜッ!」
トン兄のMCがそのままオーラスの曲振りになって「勝って泣こうぜッ!」。
笑顔でこぶしを突き上げながらpugcat’sが歌い、alomが踊る。
イナズマソングを集めたライブにふさわしく、明るさいっぱいに盛り上がったフィナーレ。
「また会おうぜ!」というトン兄の言葉に、早くも冬の第2弾が待ち切れなくなった。
Text/斉藤貴志
◆「イナズマ爆ライブ~First Live pugcat’s & alom~」セットリスト
M1 立ち上がリーヨ / pugcat’s
M2 青春バスガイド / alom
M3 つながリーヨ / pugcat’s
M4 打ち砕ーくっ!/ pugcat’s
M5 本気ボンバー!! / alom
M6 雄叫びボーイWAO! / alom
M7 恋してるんだなっ!/ alom
M8 恋する乙女は雨模様 / alom
M9 燃えてきたぜ!/ pugcat’s
M10 てっぺんへダッシュ!/ pugcat’s
M11 舞台はデッカイほうがいい!/ pugcat’s
M12 彗星ガールズ / alom
M13 流星ボーイ / alom
M14 最強で最高 / pugcat’s
M15 マジで感謝! / pugcat’s & alom
EN1 またね…のキセツ / alom & pugcat’s
EN2 勝って泣こうぜッ! / pugcat’s & alom
◆オフィシャルサイト
<pugcat’s>
https://avex.jp/frame/pugcats/
<alom>