昨年はイベント「ふたりでジャンボリー」の開催、オールタイムベストアルバム『矢野山脈』のリリース、そして今年には猫好きの間でも話題となったMUSIC VIDEOや猫の動画投稿募集企画も行われている新曲「Soft Landing」のリリース、12月からは、さとがえるツアーとしては約10年振りの弾き語りコンサート「さとがえる/ひきがたるツアー“ひとりでみんなに届けます”を開催するなど、デビュー40周年を迎えた今もさらに勢いを増す矢野顕子。
そんな彼女のライフワークともいえる”ピアノ弾き語りシリーズ”の約7年振りとなる最新アルバム『Soft Landing』が、今年11月29日にリリースされる事となった。さらに、そのリリースに先駆け、最新アルバムの中から新曲「SUPER FOLK SONG RETURNED」が、本日より先行配信スタートした。
「SUPER FOLK SONG RETUREND」は、日本を代表するコピーライター・作詞家である糸井重里氏が1980年に発売したボーカルアルバム「ペンギニズム」にて、矢野が提供した楽曲であり、その後1992年にリリースされた矢野自身の弾き語りアルバムにてセルフカバーされてから、代表曲としていまなお歌われつづける名曲、「SUPER FOLK SONG」。その世界観の”その後”を描いた続編楽曲が、前作発表から37年の時を経て、超待望のリリースとなる。
これまで数々の名曲を生みだしてきた 作詞:糸井重里/作曲:矢野顕子による「イトイヤノ作品」の原点というべき楽曲である「SUPER FOLK SONG」は、そのアルバム制作過程を収めた同名ドキュメンタリー映画のリマスター上映が昨年から実施され、映画とともに再注目、再評価を浴びている。
また配信のジャケット写真には、糸井重里氏が「SUPER FOLK SONG」の作詞をする際に、漫画家・谷岡ヤスジの作品「アギャキャーマン」に登場する“村”の世界をテーマにしていた所から、同作のイラストが使用されている。
そして今年新たに生み出すのは、7年振りとなるピアノ弾き語りアルバム『Soft Landing』。これまでも共に名作弾き語りアルバムを作り出してきた盟友エンジニア、吉野金次を監修に迎え、自身のライフワークといえる作品に臨んだ。
制作の過程を追った同名映画がリマスター上映され記憶にも新しい、弾き語りアルバム第一弾「SUPER FOLK SONG」から25年。唯一無二で常に先進的な音楽性を変わらず持ちながら、その演奏技術はさらに進化・深化。一曲の演奏にかける矢野のストイックさが表れたスリリングな一面と、同時に活動を重ねてきたことにより増してきた矢野本人と音楽に現れる余裕やあたたかみ、親しみやすさの両面を感じることが出来るアルバム。また今回は矢野顕子がドイツピアノ「ベヒシュタイン」に出会い、録音に使用した、キャリア史上初作品ともなる。
ベヒシュタインピアノはスタインウェイピアノなどと同等の歴史をもち、みずみずしく透明感ある響き、柔らかなタッチ、歌心にあふれた音を鳴らす、リストからルトスラフスキー、バーンスタイン、セシル・テイラー、ビートルズ、チック・コリアなどに愛用されていたピアノ。矢野はこれまでスタインウェイピアノなどを主に使用してきたが、エンジニアの吉野金次の提案により、今回の録音ではベヒシュタインピアノの「C.Bechstein D-280 Ser. Nr. 193,749」を使用し、新しい音の獲得を実現。音色の変化に加え、”ベヒシュタインピアノとの対話”によって演奏時のアレンジにも今までにないアプローチが生まれ、演奏者と楽器の呼応による作品への変化を感じることのできる、矢野とベヒシュタインの出会いによる音楽的奇跡を収めた。
録音は最もベヒシュタインの録音に適すると国内外で評価の高い、神奈川県相模原市の「神奈川県立相模湖交流センター」のホールにて実施。レコーディング/ミックスも吉野金次を監修に迎え、シンプルだからこそ音の鳴り方ひとつひとつまでこだわり抜いた作品となった。40周年を迎えた矢野顕子の原点回帰的作品でありながら、キャリアの新たな一歩ともなるアルバムである。
<矢野顕子コメント>
実際にはピアノを弾いて同時に歌っているので、弾き歌いというべきなのですが、やっぱし”弾き語り”という言葉のほうがいいですね。まあ実際コンサートでは歌だか語りだかわかんないこともあるしね。
ステージ上はひとりだけど、皆さん一人一人に歌ってるんです。
コンサートにいらして、CDをお買いになって、それを感じてくださいましね。
じゃ、練習しますんで、失礼します。