米ビルボード誌が12月頭に発表した「2016年、全米で最も売れたCDはモーツァルトだった」というニュースは瞬く間に世界中をかけめぐり、ここ日本でも200枚組CD『モーツァルト新大全集』(ユニバーサル ミュージック)にいま注文が殺到している。
同作品は今年がモーツァルトの没後225年(1791年12月5日没)であることを記念して企画された作品で、海外でのタイトルは『Mozart225』。世界の音楽視聴方法の主流となりつつある「ストリーミング」も「音楽配信」も無く、CDだけで全米で125万枚(6,250セット)のセールスを記録して今年最も売れたCDとなった。日本では『モーツァルト新大全集』のタイトルで詳細な日本語解説テキスト入りで今年10月28日に(世界同時で)発売。以来、モーツァルト人気に支えられ堅調なセールスを記録してきたが、ビルボード誌の発表が米「フォーブス」誌に取り上げられると、そのニュースが日本でもネットを通じて大きな話題となり、ユニバーサル ミュージックに12月15日(木)には一日だけで52セットものバックオーダーが殺到、さらに12月16日(金)にも35セットのバックオーダーが相次いだ。
「1日で52セット」とはいえ、1セットがCD200枚組・58,700円(税別)の高額商品であり、CD枚数にして1万400枚となる。海外が制作する日本盤を取り寄せている(日本生産ではない)ため、既に注文が追い付かない「うれしい悲鳴」状態。現在までに国内500セット(CD枚数換算で10万枚)の累計出荷を突破した。
『素晴らしい内容のボックスだと自信はありましたが、52セットも一度にオーダーが来るなんて想像もしておりませんでした。年末の商戦期前に品切れしないか心配です。』と、この大反響&バックオーダーには日本のユニバーサル ミュージックのクラシック担当者も驚きを隠せない。
通常、クラシックでは「CD1万枚セールスで大ヒット」と言われているが、1日のバックオーダーでの1万枚越えはまさに驚異的というしかない。同社クラシック部ではこれからのクリスマス商戦に向けてのプレゼント需要にも期待をする。
没後225年を経てのこの人気ぶり―あらためて、“モーツァルトこそ人類最強の音楽家”であり、「CDセールスが落ちているといわれる昨今でも、売れるものは確実に売れる。」ことの証明と言えるだろう。
なお、今年はモーツァルトの生誕260周年にも当たり、ユニバーサル ミュージックでは年間を通じての「生誕260周年キャンペーン」も実施している。
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■ユニバーサル ミュージック モーツァルト生誕260周年サイト