今年の4月に日本レコード協会からゴールドディスク認定されたジャズの名盤『ワルツ・フォー・デビイ』を始め、日本で最も愛され続けるジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの晩年を代表する名盤『アイ・ウィル・セイ・グッドバイ』『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』と同じメンバーによる完全未発表コンサート音源(海賊盤でも過去に流通なし)が、40年の時を経て2017年1月27日に日本先行リリースされることが決定した。
1976年11月25日(月)にウィスコンシン大学マジソン校のユニオン・シアターで行われたライヴ録音となる本作『オン・ア・マンデイ・イヴニング』。1973年にネネット・ザザーラと結婚、1975年には息子エヴァンが誕生し、ニュージャージーに新居を構え心身共に充実した日々を送っていた頃のビル・エヴァンス。エヴァンスと最も長く共演してきたベーシスト、エディ・ゴメス、そしてドラムスには1975年からマーティ・モレルに変わりエリオット・ジグムンドが加入。このトリオでの活動はわずか約2年ほどでしたが、1976年録音の『アイ・ウィル・セイ・グッドバイ』や『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』などの晩年のスタジオ録音の名盤も生んでいます。しかしながら、このトリオでのライヴ盤はオフィシャル・レコーディングとしては初。
海賊盤でも流通していないこのコンサートの録音をアシストしていたのが、当時22歳だったラリー・ゴールドバーグ(ボストンの公営ラジオWGBHで活躍)とジェイムス・ファーバー(マイケル・ブレッカーやブラッド・メルドーをはじめ多くの作品に携わるNYのレコーディング・エンジニア)ということでサウンド・クオリティにも問題ない模様で、約48分収録予定。「いつか王子様が」や「オール・オブ・ユー」などの人気スタンダードも演奏しており、ジャズ・ピアノの詩人の47歳の円熟期の煌めきを捉えた、全ジャズ・ファン必聴盤となること必至。ライナーノーツは、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーン等の書籍で知られるアシュリー・カーンが執筆している(日本盤は翻訳付)。