ヴォーカリストにアダム・ランバートを迎えたロック・バンド、クイーンの来日公演が9月21日から日本武道館でスタートした。
オリジナル・メンバーのブライアン・メイ(G・69歳)、ロジャー・テイラー(Dr、67歳)に加え、ヴォーカリストにアダム・ランバートを起用して行われた今回の日本武道館公演は、クイーンとしては1985年以来、実に31年ぶり。2016年は故フレディ・マーキュリーの没後25年・生誕70年にもあたり、「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」「ボヘミアン・ラプソディ」などの大ヒット曲、そしてこの日本公演では特別にクイーン唯一の日本語詞曲「手をとりあって」など全23曲を披露し、9千人の観客を魅了した。
ヴォーカルのアダム・ランバートは、伸びやかなハイトーン・ヴォーカルで名曲の数々を完全に歌いこなし、個性的なファッションとパフォーマンスで現在のクイーンの姿を印象付けた。アダムはMCの中で「クイーンの曲をここ日本武道館で歌うのは信じられない。僕の心の中にはいつもフレディがいて、フレディの為に歌っている。今日はフレディがきっと気に入ってくれるようなファッションにしてみたんだけど、どうかな?」と語り、そしてフレディの盟友のブライアン・メイは「みなさん。こんばんは。東京、最高!ぜひ一緒に歌ってください」と上機嫌でMCをしていた。更に「ちょっと待ってください、セルフィー下さい。セルフィー・スティックは日本の素晴らしい発明」と言うと、自撮り棒に付いたビデオ・カメラを持ち、自分と観客が入るように、ぐるぐると360度回りながら撮影するというお茶目な演出もあった。
いくつかの曲ではスクリーンにフレディが映し出され、彼の声が生演奏にシンクロする感動的なシーンも。また、「アンダー・プレッシャー」では今年1月に世を去ったデヴィッド・ボウイの写真が浮かび上がり歓声が上がった。アンコールでは、ブライアンが「東京」の文字が書かれたTシャツを着て登場。「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」でコンサートは幕を下ろした。