デビュー35周年を迎えた“渋谷系の女王”野宮真貴の最新アルバムには、これまでにもクレイジーケンバンドの横山剣や“パリの渋谷系”クレモンティーヌが参加していることが発表されていたが、さらに1990年代のヒット曲「渋谷で5時」で、今年ソロ・デビュー30周年と還暦(60歳)というダブル・アニバーサリー・イヤーを迎える“ラブソングの王様”鈴木雅之が参加していることが明らかになった。
この曲は1993年に鈴木雅之が菊地桃子とデュエットして大ヒットした作品で、アルバム『男と女 〜野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。』では野宮と“パリの渋谷系”クレモンティーヌ、更にオリジナルの「渋谷で5時」を歌っている鈴木雅之が参加するという豪華な展開となっている。
野宮真貴にはヒット曲「東京は夜の七時」という有名な“待ち合わせソング”があるが、もう一つの“待ち合わせソング”「渋谷で5時」を鈴木雅之とカバーすることになる。今回のアルバムでこの「渋谷で5時」を選曲した背景には、クリエーターの箭内道彦が2016年4月に立ち上げたコミュニティFM『渋谷のラジオ』がある。出資者のひとり福山雅治や《OSA(長)》の谷村新司とならんで、野宮真貴は美化委員として開局準備段階から参加しており、同局では毎日19時から、世界一長い時報として「東京は夜の七時」がフル・サイズで流れている。野宮も毎週月曜日の17時から2時間「渋谷のラジオの渋谷系」というレギュラー番組を担当。この番組終了直後に「東京は夜の七時」が流れるのなら、オープニングには同じ待ち合わせソング「渋谷で5時」しかないと、鈴木雅之にラブコール。今回この曲をカバーすることになった。またクレモンティーヌの参加は彼女が住むサン=ジェルマン=デ=プレはパリ6区にあり、渋谷区と姉妹都市という繋がりがあることから、今回のコラボレーションとなった。
90年代の「渋谷で5時」から20年、渋谷は“世界一待ち合わせの多い場所”となり、外国人観光も増え、大きく様変わりした。今、野宮真貴、鈴木雅之、クレモンティーヌのコラボレーションにより、“インバウンド”で“インターナショナル”な新しい“待ち合わせソング”に生まれ変わった。
鈴木雅之と野宮真貴は、それぞれ1980年と81年とデビューも近く、周りのスタッフも共通の人脈が多いにもかかわらず本人同士は今回が初対面。既に7月に発売されている鈴木雅之のソロ・デビュー30周年記念還暦SOULアルバム『dolce』では「La dolce vita」で野宮真貴がゲスト参加している。