毎年8月15日、ひとつの物語が半世紀近くのあいだラジオ放送で朗読され続けてきました。『かわいそうなぞう』。
終戦間近の昭和20年、空襲をうける東京で、市民の安全のために動物たちを殺さざるを得なかった上野動物園の飼育係を描いた、実話に基づく物語。
身勝手な人間への反省、一方、その人間が持つ優しさと愛情、そして「二度と戦争をしてはいけない」というメッセージを伝えています。
朗読は戦後すぐに放送ジャーナリズムの世界に進んだ秋山ちえ子。
絶版状態だった同書は、累計151万部を超えるベストセラーとなりました。
2008年の録音にあたり、英語版『Faithful Elephants』をこの企画に賛同したシンディ・ローパーが朗読。
CDは2014年、ソニー・ミュージックダイレクトより再発売されました。
昨年までは、東京・赤坂のTBSのスタジオにて、生放送で秋山さんの朗読を放送してまいりましたが、今年は、98歳というご高齢で、現在、一線を退かれて静かに暮らし、特に暑さが厳しい夏は外出を控えていらっしゃることもあり、3日前の8月11日(火)の午後、ご自宅にて朗読を収録しました。終戦記念日前日の14日にTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」内で放送する予定です。
『かわいそうなぞう』スペシャルサイト
http://www.110107.com/faithful_elephants
【CD情報】
秋山ちえ子 朗読
(英語版朗読:シンディ・ローパー)
『かわいそうなぞう』
TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」内放送
原作:土家由岐雄(金の星社)
※読み聴かせにお使いいただける、朗読テキストを掲載したブックレット付属
MHCL2461(ソニー・ミュージックダイレクト)
1,389+税
【ラジオ情報】
大沢悠里のゆうゆうワイド
TBS RADIO 954
http://www.tbs.co.jp/radio/
【秋山ちえ子(ジャーナリスト・評論家) プロフィール】
1917年生まれ、97歳。
東京女高師(現・お茶の水女子大)卒。国立東京聾唖学校の教官を経て結婚、退職。1948年よりNHKラジオ放送をはじめ電波と活字の仕事を続ける。NHKラジオ婦人番組「私の見たこと聞いたこと」、TBSラジオ放送「秋山ちえ子の談話室」、「日曜談話室」。番組の終了に伴い、放送の第一線から退くも、毎年8月15日の終戦記念日に行ってきた『かわいそうなぞう』の朗読は、「大沢悠里のゆうゆうワイド」の生放送に出演、ライフワークとしていまなお続けられている。