音楽プロデューサー島田昌典が今年で活動30周年を迎えたことを記念し、氏が楽曲を手掛けるいきものがかり、秦 基博、back numberが出演するライブが11月4日(火)に日本武道館で行われた。
チケットがSOLD OUTとなった本公演の会場は、バックスタンド席を含め1万人のファンで埋め尽くされ、ステージには氏のプライベートスタジオ「Great Studio」を再現し、そこにアーティストが訪ねてくるという他に無いコンセプトに沿って3つのソファが置かれており、アーティストがステージに登場すると、そのソファで島田氏と談笑するシーンも見られた。
ライブ前半はアコースティックセッションとなり、back numberはインディーズ時代に作られた島田氏初プロデュース曲「風の強い日」をアコースティックのギターとベース、カホンというバンドセットで島田氏のピアノと共演。
スタジオで始まったセッションを覗いているかのようなコンセプトにふさわしい幕開けとなった。続くいきものがかりは島田氏のプロデュースによってデビューから大ヒットとなり、いきものがかりの、そして日本の桜ソングの代表曲となった「SAKURA」を、島田氏のピアノといきものがかり3人で、ストリートライブ時代を思い出させるアコースティックセッションで熱唱し、会場に集ったファンの心を惹きつけた。
秦 基博はこの夏No.1大ヒット映画となった「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌で、現在ロングヒット中の「ひまわりの約束」を、こちらも島田氏のピアノとスペシャルセッションで披露した。本楽曲はアコースティックギターがとても印象的な曲だが、この日のピアノアレンジバージョンでは、ピアノの美しい音色に甘く力強い歌がのることで、涙を流すファンも見られる特別な時間となった。
アコースティックセッションのラストは島田氏、いきものがかり吉岡、秦 基博、back number清水でaikoの「カブトムシ」を演奏。5年前に島田氏、いきものがかり、秦 基博による島田会で演奏した同曲はもはや伝説となっていたが、そこにback number清水が加わったことで
より力強さが増し、アーティストと島田氏のみのアコースティック演奏というシンプルな編成だけに、3人のボーカルのハーモニーをより感じることが出来、会場を包み込んだその歌は奇跡的な空間を演出していた。
その後はバンドセッションとなり、秦 基博といきものがかり吉岡による「朝が来る前に」、back numberと秦 基博による「花束」等、この日しか見られないコラボレーションのオンパレード!
「茜色の約束」ではいきものがかりとback number清水という今回新たに見られる島田会コラボとなり、吉岡の歌声に重なりあう清水のコーラスは非常に心地よく、全く目が離せないステージとなった。
最後はいきものがかりの「KIRA☆KIRA☆TRAIN」を出演者全員で演奏し、大歓声の中ライブは終了した。しかし鳴り止まないアンコールに出演者が登場し、会場は再び沸き返る。
アンコールでは「僕には音楽しかないので、最後に皆とこの曲をやろうと思います!」と島田氏が言うと、出演者全員によるいきものがかりの「帰りたくなったよ」を披露した。島田氏による印象的なピアノに壮大な弦の音が広がる名イントロが再現され、吉岡、秦、清水の歌が重なりあう光景はまさに奇跡の一夜に居合わせたように感じられ、音楽で繋がった島田会の全てが詰まった濃厚な時間をもってライブは幕を閉じた。本公演はWOWOWでの放送が決定しているので、そちらも是非チェックしてほしい。
ライブで大きな感動を生んだ名曲たちが詰まった「島田印-島田昌典ワークス・ヒットコレクション-」。是非このCDも手にとって、アーティストの楽曲が持つ力強さや美しさを最大限に引き出す島田氏の名プロデュースワークを堪能して欲しい!一家に一枚は置いておきたい必聴盤だ!
Photo by:冨田望
□楽天ブックス 「島田印」特集ページURL
http://books.rakuten.co.jp/event/cd/shimadamasanori
□セットリスト
01.風の強い日
02.SAKURA
03.ひまわりの約束
04.カブトムシ
05.島田昌典プロデュース作品インストメドレー
06.fish
07.恋
08.朝が来る前に
09.茜色の約束
10.青い蝶
11.花束
12.マイサンシャインストーリー
13.グッバイ・アイザック
14.KIRA☆KIRA☆TRAIN
<アンコール>
15.帰りたくなったよ
□WOWOW放送情報
12月14日(日) 21:00〜 WOWOWライブにてOA
CD情報詳細
音楽プロデューサー島田昌典 活動30周年記念コンピレーションアルバム
「島田印-島田昌典ワークス・ヒットコレクション-」
2014年4月16日発売
BVCL-588 2500(税抜)
<収録曲>
1. 「SAKURA」 いきものがかり
2. 「あとひとつ」 FUNKY MONKEY BABYS
3. 「グッバイ・アイザック」 秦 基博
4. 「YOU -Single Version-」 JUJU
5. 「花束」 back number
6. 「歓びの種」 YUKI
7. 「ツバサ」 アンダーグラフ
8. 「ギブス」 JUJU
9. 「春夏秋冬」 スガ シカオ
10. 「フルール」 近藤晃央
11. 「遠い匂い」 YO-KING
12. 「帰りたくなったよ」 いきものがかり
13. 「朝が来る前に」 秦 基博
【島田昌典氏コメント】
ボクには30年間の幾多の出会いに、感謝の言葉しか出てきません。素晴らしいアーティスト、力強い楽曲、その出会いを導き協力くださった多くの方々。
思わず、いつものボクの口癖「バラスーシ!」を連発しそうです。心から、ありがたい。
この作品集はボクにとっての足跡、音楽人生、まるで写真アルバムのようにキュンとなる宝箱です。
イントロが開いた途端、制作行程の細部や、楽曲への秘めた想いまでがスッと顔を出し、生き生きと動き始めます。
どんなフレーズにしよう、どの楽曲を使おう、どのテイクを残そう、と試行錯誤したことや、生みの苦しみや喜びを共にしたスタジオの空気、メンバーの表情、交わした言葉、深夜に食べた出前まで。
その制作過程のリアルな映像が、胸を占領します。
作品は旅立ち、アーティストのパワーに磨かれて、大きく成長してくれました。曲はアーティストのものであり聴く人のもの。聴く人の心に引っかかり育って初めて名曲の仲間入りができます。
で、実はボクはその名曲が素っぴんの頃に、そっと印を付けておくんです。島田の、好きな、島田印。ひとさじの隠し味を。これぞプロデュースの醍醐味かもしれません。
この作品集を通して、島田印を見つけていただけたら幸いです。
【島田昌典プロフィール 】
音楽プロデューサー/アレンジャー/キーボーディスト。
1961年大阪生まれ。小学校入学後、5年間ピアノを習う。小学4年生の時、近所の中学生からビートルズを聴かされ、衝撃を受ける。
中学へ上がると共にピアノレッスンをやめ、友人と部屋にこもってのオープンリールとカセットデッキ による多重録音に夢中になる。中学、高校時代は洋楽やフォークソングのカヴァー、オリジナル曲作り、さらにブラスバンドで ユーフォニウムを担当するなど、地味な音楽生活を送っていた。レコーディングに興味を抱いたのはこの頃から。
大学では軽音楽部に入り、当時大ブームだったジャズフュージョンの洗礼を受ける。その後「NANIWA EXPRESS」の青柳誠氏にピアノを師事し、同じくNANIWA EXPRESSの清水興氏率いる「HUMAN SOUL」に参加、
自身のバンドや関西をベースにセッションワーク、アーティストサポート等、キーボーディストとして仕事を始め、22歳のときピアノトリオの演奏で初めてギャランティをもらう。1990年、関西テレビのライブセッション番組「夢の乱入者」にレギュラー出演、ギタリストの渡辺香津美氏と出会う。メンバーは渡辺香津美g、清水興b、東原力哉d、島田昌典keyの4人。この「夢の乱入者」バンドを通し1997年の番組終了まで、数々のアーティストとのセッションで“名演”を体験する。1993年、渡辺香津美バンド「RESONANCE VOX」(渡辺香津美g、東原力哉d、バカボン鈴木b、 ヤヒロトモヒロper)に参加。
平行してアレンジの面白さに目覚め、CMやアーティストの編曲を始める。
さらに1991年、自身のユニットでSony Music Auditionでグランプリ受賞。これを機に東京へ活動拠点を移し、様々なセッションに参加、アーティストのサポートを始める。ムーンライダーズ白井良明氏のユニット、ジャズとサーフミュージックを融合した「サーフトリップ」(白井良明g、スカパラホーンズ、 佐藤研二b、香取良彦vib、ジミー橋爪d)に参加、白井氏の数々のスタジオワークでキーボーディストとしても参加する。
1997年、aikoのインディーズアルバム2枚をサウンドプロデュース、メジャーデビュー後もサウンド プロデューサーとして多くの楽曲に関わる。2001年、自身のプライベートスタジオ「Great Studio」を立ち上げ、鍵盤楽器をはじめギター、ベース など数々のビンテージ楽器、録音機材を収集(特に復刻版メロトロンは島田サウンド必須のアイテム)。ここから数々のヒットソングを創作していった。
自身のルーツともいえるビートルズからのブリティッシュサウンド、サイケデリックサウンド、バンド サウンド、アメリカのルーツミュージック、ストリングスアレンジ、などなど、影響を受けた幅広い音楽 からのスピリットを、自身のフィルターにかけて融合する、島田昌典ならではの「ひとひねりある」 ポップサウンドは、今や多くのポピュラリティーを得て、特にアーティストから篤い支持を得ている。根っからの音楽好きで、根っからの音楽職人。楽器収集家でもあり、楽器演奏家でもある。
今日も また“新しい音”を求めて、こだわりの機材と共に、プロデュース、アレンジに没頭している。
プロデュース、アレンジ アーティスト
aiko、いきものがかり、秦 基博、back number、JUJU、FUNKY MONKEY BABYS、YUKI、Chara、スガ シカオ、真心ブラザーズ、YO-KING、STARDUST REVUE、山下久美子、TOKIO、小泉今日子、中森明菜、小池徹平、中川翔子、奥華子、アンダーグラフ、矢井田瞳、馬場俊英、FLOW、SunSet Swish、メレンゲ、カラーボトル、NIKIIE、HAPPY BIRTHDAY、ひいらぎ、チュール、カサリンチュ、吉田山田、阿部芙蓉美,矢野絢子、近藤晃央、岡野宏典、片平里菜、おおたえみり、沢井美空、ケラケラ、岡本真夜、スキップカウズ、柳田久美子、石嶺聡子、河村隆一、森恵、ねごと、etc
(順不同、敬称略)