黒人演歌歌手のジェロ(32)が11日(日本時間12日)、母国である米ニューヨーク市にあるセントラルパークで行なわれたイベント「Japan Day」へ出演した。ニューヨーカーに愛され続けている公園“セントラルパーク”でプロ演歌歌手のパフォーマンスは史上初めて。2008年のデビューから今年で6年目、母国でジャパニーズ・ブルースとも言える“演歌”を披露し、ステージ会場は大きな拍手喝采の渦と化した。
「アメイジングボイス!ジェロ!」と司会に紹介されデビュー曲「海雪」でステージに登場。続いて子供の頃に初めて覚えた演歌である美空ひばりの「越後獅子の唄」、また先月に発売された新曲「なきむし倶楽部」など計4曲、約20分のパフォーマンスを行いニューヨーカーら観客2,000人に演歌の魅力をアピールした。アメリカの友人たちも駆けつけた中、ジェロは「こんな天気の良い日に外で歌えてとても気持ちがいいです!」と母国での凱旋ライブを楽しんだ。
デビューした年に数々の新人賞を総ナメ、そして来日前から念願だったNHK「紅白歌合戦」へも出場、瞬く間に人気歌手になった。それ以来、演歌歌手として日本とアメリカの架け橋となるべく、米国各地で行なわれるイベントへも参加してきた。
「Japan Day」は日米市民の交流促進等を目的に2007年にスタート、昨年はイベント全体で約4万5千人が来場、今年で8回目を迎えた。セントラルパーク内には日本の文化を伝える様々なテント(書道、折り紙などまた、みそ汁、お好み焼などの料理)が設けられ、そしてステージでは日本の芸能を紹介するパフォーマンスが披露される。過去には渡辺貞夫、レナード衛藤、等のアーティストが出演。ジェロもこれまで主催者から出演依頼を受けていたがスケジュールが合わず、今回待望の初出演となった。
自身のパフォーマンスに続き今回は初めてお祭り音頭へも参加。曲は「ニューヨーク音頭」。「ビッグアップル チョチョンがチョン!」と太鼓や笛、三味線とともにラップも入る異色の音頭だ。これまで日本においてプライベートでは盆踊り等、意外にも祭りへの参加が未経験だったジェロ。初めてのお祭り音頭をNYの舞踊団体“The Japanese Folk Dance Institute of New York”、そして地元の高校生たち(ラガーディア高校)総勢約20名とコラボレーション。ジェロがNY音頭を歌い日本の伝統芸能の1つとして紹介した。「日本文化の良いところをたくさん知ってほしい」とジェロ。
終演後にも観客からは“ジェロ”コールが鳴り止まない大盛況のライブとなり、イベント関係者からも「ワンダフル!これから毎年来て欲しい」と称賛の声が寄せられた。今後「NY音頭」のCDによる米国発売も現実味を帯びてきそうだ。
元々演歌を好きになったのは日本人である祖母の影響から。母国では名門ピッツバーグ大学へ進学しエンジニアとしての将来を嘱望されたが、演歌歌手になる夢を捨てきれず来日。エンジニアとして仕事をしながら、各地のカラオケ大会で優勝、それらがきっかけとなりプロデビューの道を掴んだ。「これからも海外で演歌の魅力を伝えていきたい。」と日本の文化を海外へも伝えていく決意だ。「新曲「なきむし倶楽部」は初めてカラオケ大会も行うので、それにもみなさん是非、応募してほしい」。新曲はジェロとして初めての酒場ソングに挑戦した。演歌を新たな“クール・ジャパン”のひとつへ導けるか、今後のジェロの活動に期待したい。
【NY音頭について】
毎年、「Japan Day」で参加型のステージプログラムとして「盆踊り」の人気があり、当初は炭坑節や東京音頭を踊っていた。2010年に「「Japan Day」はニューヨークで行なわれる日本文化紹介のイベントなので「NY音頭」という音頭をつくってみては?」という企画から実現された。ニューヨークの四季を歌うこの「NY音頭」はラップの部分もあり、ニューヨークで作られたからこそのテイストになっている。2010年は日本語の歌詞のみだったが、その当時の名誉委員長:故西宮元大使からニューヨーカーに楽しんでもらうためには英語の歌詞もあったほうがよいのではないかと提案を受け、2011年には5番としてJapan Day当日の様子を英語歌詞にて歌うパートも挿入された。振付はNYで民謡を広めるための活動を行なっているThe Japanese Folk Dance Institute of New Yorkの創立者である鈴木 百さん。作曲は鈴木さんの息子でThe Japanese Folk Dance Institute of New Yorkのメンバーでもあるケビン・ムーニーさん。
最新リリース情報
2014年4月23日リリース
「なきむし倶楽部」VICL-36906 定価1,200円+税
<収録内容>
収録曲
1.なきむし倶楽部 作詞:山川啓介 作曲:堀江 淳 編曲:江口正祥
2.ルージュ 作詞・作曲:堀江 淳 編曲:西本 明
3.なきむし倶楽部 (オリジナルカラオケ F#m)
4.ルージュ (オリジナルカラオケ)
5.なきむし倶楽部 (キー違いカラオケ B♭m)
ジェロの新曲「なきむし倶楽部」は、作詞を数々のヒットメーカーで知られる山川啓介、作曲を大ヒット曲「メモリーグラス」の堀江 淳が担当。ギターサウンドに乗せて男のやさしさを歌ったジェロ流酒場ソングです。そして、カップリング曲には、堀江 淳の「ルージュ」をカバー。ピアノアレンジで女性の切ない情景を届けます。また今作では初のカラオケ大会も実施予定。詳細はオフィシャルHPまたは商品封入の応募券をご覧下さい。
<関連リンク>
■ジェロ オフィシャルサイト