吉田美奈子の1975〜83年に発売されたオリジナルアルバム9作品の配信が、iTunes、mora他で開始された。
吉田は1969年、当時交流を持った細野晴臣や松本隆などに影響を受けて楽曲制作を始め、間もなくシンガーソングライターとして音楽活動を開始。1973年、アルバム「扉の冬」で本格的デビューの後、作家としても数多くの楽曲提供を行ない、これまでにオリジナルアルバム、20枚の他、数々の名曲を残してきた吉田美奈子。そのクオリティーの高さと、奥深い魅力、音楽に対する真摯な姿勢などは、常に高い評価を受け続けている。
今回、配信が開始された音源は、彼女の活動の中で初期から中期にあたるRCA〜アルファレコード在籍時の8年間に残されたオリジナルアルバム9作品全84曲。そのアルバムの内容を見てみよう。
本人自作楽曲だけでなく、大瀧詠一、細野晴臣、山下達郎、佐藤博などの豪華な作家陣が並び、ミュージシャンとしてレコーディングにも参加しているセカンドアルバム「MINAKO」(75年)、カバーも含めたライブ作品の「MINAKOII」(75年)。
そして、セカンド同様大瀧詠一、山下達郎、佐藤博らの作家陣が参加し、数々のカバーが生まれることになった名曲「夢で逢えたら」収録の「FLAPPER」(76年)に、山下達郎との共同プロデュース作「TWILIGHT ZONE」(77年)。
アルファ移籍第一弾でLA録音の「愛は思うまま」(78年)、そして初のセルフプロデュース作品「モノクローム」(80年)。山下達郎がHorn&Stringsのアレンジで参加、ファンクの女王と呼ばれるにいたった「モンスター・イン・タウン」(81年)。マイケル・ブレッカー、デヴィッド・サンボーンのプレイも聴きどころのNY録音盤「ライトゥン・アップ」(82年)。そして、アルファ時代の最終作で六本木ピット・インでLIVE録音、あとからホーンを加えるという方法で制作された「イン・モーション」(83年)。
こうして並べただけでも吉田美奈子がいかに音楽と真摯に向き合い、多くのアーティストの信頼を培ってきたのかが手に取るように分かる。クレジットを眺めながら、今となっては大御所アーティストと呼ばれている参加ミュージシャンの演奏にマニアックに耳を傾けてみるという楽しみ方もあるだろう。
30年以上経っても全く色褪せない強烈なエネルギーは、懐かしむだけでなく、ぜひ若いリスナーの耳にも届いて欲しい。現在も独自のスタンスでライブを中心に精力的に活動中の吉田美奈子。2月20日、21日には目黒 ブルース・アレイ・ジャパンでトリオスタイルの、3月12日、13日には六本木 STB139でバンドスタイルのライブが行なわれる。
■各ダウンロードはこちらから
http://www.110107.com/topics#2014/02/19
●配信タイトル ,<>内はオリジナル発売日
「MINAKO」 <1975年10月25日>
「MINAKO II」 <1975年12月20日>
「FLAPPER」 <1976年3月25日>
「TWILIGHT ZONE」 <1977年3月25日>
「愛は思うまま(LET’S DO IT)」 <1978年10月25日>
「モノクローム」 <1980年10月21日>
「モンスター・イン・タウン」 <1981年11月21日>
「ライトゥン・アップ」 <1982年9月21日>
「イン・モーション」 <1983年3月25日>