浅倉大介(サウンドクリエイター、キーボード)と貴水(たかみ)博之(ボーカル、作詞)によるデジタル・ロック・ユニットaccess。二人の全く異質な個性の融合がきらびやかなaccessワールドを築き上げて20年。今、彼らは20周年イヤーを全力疾走している。5年ぶりのオリジナル・アルバムとシングル2曲をリリース、春にはクラブ・ツアー、夏にはホール・ツアー、そして11月25、26日の2日間、アニバーサリー・パーティと題したスペシャル・ライブイベントを行った。
accessとしての初ライブを原宿ルイードで行った1992年の11月26日からちょうど20年の記念日ということでこの日を設定。なつかしいPV映像を交えながら過去を振り返ると同時に初めての試みも加えた、まさに特別(スペシャル)なライブだった。会場は、東京ディズニーリゾートのすぐそばにある舞浜アンフィシアター。旧シルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場をリニューアルしたこのホールは、半円形のオープンステージをすり鉢状の観客席が取り囲み、独特の一体感を生み出す劇場空間で、この日の特別なライブにはうってつけの会場だった。ステージは二部構成。第一部は、22人編成の弦楽合奏団との共演に挑戦したaccess初のアコースティック・ライブ。バラード中心の選曲で、ストリングスの響きをバックに、貴水の伸びやかなハイトーン・ボイスと浅倉のリリカルなグランドピアノ演奏をじっくり、しっとり聞かせた。打って変わって第二部は、スピード感溢れる2人だけのデジタル・ライブ。
「Doubt & Trust ~ダウト&トラスト~」、「MOONSHINE DANCE」といった代表曲に続いて、圧巻だったのは、21曲のめくるめくシングル・メドレー。約20分にわたってこれでもかとたたみかける貴水のボーカルには驚嘆してしまう。また、浅倉が現在制作中の新曲を紹介し、貴水のリードでサビの部分を観客が歌い、それを録音するというファンサービスも用意されていた。
「これからも、accessの“音”を大事に育てていきたい。accessの曲が聞く人のイマジネーションを刺激するエネルギーになったらうれしい」という浅倉。「みんながワクワクするようなパフォーマンスをしたい」という貴水。貴水の書く詞には「きらめく、輝く、明日、夢、未来」といった言葉が頻繁に出てくるが、その言葉どおり、2人は立ち止まらず、さらにゴージャスなaccessワールドを磨き上げてくれることだろう。
20周年イヤーの締めくくりとして、12月5日に6曲入りのリミックス・アルバム『Re-Sync Cluster』をリリース、12月22、23日には苗場プリンスホテルでクリスマス・ライブを行う予定だ。