くるりが、昨年に続き細野晴臣とのカップリングで、東北ツアーがスタートさせた。今回のツアーは石巻、仙台、相馬での合計3公演を行うツアーとなっている。初日となった昨日の石巻公演は、震災以降、何度も訪問し、「石巻復興節」を石巻市内とオフィシャルサイトのみでリリースするなど、現地と関わりを深めてきたくるりメンバーにとって、念願のライブであり、その上、会場である石巻La Stradaのキャパシティは80名というまさにプレミアなイベントとなった。
最初に登場するのは細野晴臣。1曲目から細野登場かと思いきや、最初の楽曲はサポートで参加した高田漣の楽曲「AJI」を高田漣(gt)、伊藤大地(drum)の2人編成で演奏。その後、満を持して細野晴臣が登場し、9/22に開催されたくるり主催の野外音楽フェス「京都音楽博覧会」と同じ3人編成バンドでのライブがスタート。細野自身がベースを演奏しながら歌うこともレアだが、カバー曲を織り交ぜながら「House of blue light」では、世界最高峰とも呼べるトリオのロックバンドの演奏を披露し、会場とステージが一体に。細野晴臣のオリジナル楽曲「Pom Pom Joki」で、会場の盛り上がりも最高潮に。その盛り上がりを受けて、細野自身初めて「Hong Kong Blues」でベースを演奏しながら歌うというサプライズもあり、大歓声の中、ライブが終了。
その会場の熱気もさめやらぬ中、大歓声の中に迎えられながらくるりが登場。新メンバー加入後、初めてサポートドラマー無しでの4人でのライブ。アコースティックを主体にしながら歌の力を強く伝える演奏。そして現在オンエア中のNHKの番組「ファミリー・ヒストリー」のメインテーマとして作った「Remember me」を初めてライブで披露。どこの誰もが感じる日常、家族のつながり、そんなことを歌う岸田繁の歌声に会場が優しく包まれた。会場の熱気にトドメをさすかのように岸田が「お耳を汚してしまうかもしれませんが」と言いながら、ドラムに移動し、ドラムを演奏しながら「ばらの花」「everybody feels the same」「東京」というくるりの代表曲演奏するというまさにバンド結成以来、初めての試みを披露。会場もステージも大爆発。お客さん、メンバーの笑顔が会場にいっぱいになる。
くるりのライブが終わってもお客さんの興奮はさめない中、くるりのメンバーが再び登場。石巻にてライブをする意味をかみしめながら、「石巻復興節」を録音した時と同じく、細野さんがドラムとして参加しながら、観客みんなと大合唱した。
ミュージシャン、そしてお客さんみんなが音楽の魅力の根源を体験するという最高のライブとなった。
本ツアーは本日の仙台公演、12日の相馬公演まで続く。