今年でデビュー20周年を迎えるデジタルロック・ユニットaccess。この春、20周年記念企画の第一弾として “minimum CLUSTER(ミニマム・クラスター)”と題したクラブ・ツアー10公演を終えたばかりだが、今度は第二弾の全国ホール・ツアー“MEGA cluster”をスタート。7月21日(土)に、中野サンプラザで東京公演のファーストステージを行った。
大ちゃんこと浅倉大介(サウンドクリエイター、キーボード)とヒロこと貴水(たかみ)博之(ボーカル、作詞)によって1992年に結成されたこのユニット、accessの名は、音楽を通じてファンと接近したいという気持ちと、コンピュータ用語の「アクセス」を掛け合わせたのが由来だという。家庭にパソコンが普及し始めのが1996年頃だから、92年に「アクセス」という言葉を拾い上げたのは、かなり時代を先取りしていたことになる。一方、1992年は、バブル崩壊直後の年。この頃から、日本の経済が低迷し、「失われた10年(20年)」などと言われる時代に入るのだが、不景気の一方で、デジタル文化はどんどん進化し、音楽の作られ方、届けられ方も大きく変わった。
そんな中で、ミュージシャンたちは、先端テクノロジーを使って、ますます緻密で、多様な音作り・ステージ演出に挑戦し、さまざまなメディアを使って新しい作品をオーディエンスに届けてきた……accessもそういう20年(ユニットとしての沈黙期間も数年あったが)を刻んでここまで来ている。
この日の公演は、観客も共に歌う「1000年の誓い」に始まり、デビュー曲「VIRGIN EMOTION」、ニューシングル「Wild Butterfly」「Bet〜追憶Roulette〜」、8月22日にリリースされる5年ぶりのアルバム『Secret Cluster』からの新曲、TMネットワークのカバー曲「Be Together」、アンコールラストの定番「Look-A-Head」まで、彼らの過去と未来を集大成する全22曲、約3時間にわたるアクセル全開のパフォーマンスだった。デジタルロックといっても、決してトンガリすぎることはなく、誰でも気持ちよくついていけるスピード感とハイテンションがaccessの魅力。多面LEDビジョンや背景モニターのCG映像、レインボーカラーのレーザービームなどを駆使したビジュアル演出も、彼らの品の良い疾走感、きらめき感、セクシーさを引き立てていた。
全国ホール・ツアーは、8月24日の追加公演(中野サンプラザ)を含め、全6公演。また、8月22日リリースのニューアルバム『Secret Cluster』は、構成が異なる3タイプのパッケージで発売される。