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EGO-WRAPPIN’、7/15の真夏日の中、日比谷野外音楽堂にてライヴ開催!

音楽

東京でも30度を超える真夏日となった、7月15日。三連休の真ん中の日比谷野外音楽堂にて、EGO-WRAPPIN’のライヴが開催された。野音でのワンマンはシングル「BRAND NEW DAY」がリリースされた2010年7月以来。2年前はあいにくの雨模様だったが、この日は晴天に恵まれ、まさに〈野音日和〉といえよう絶好のコンディションとなった。ステージには大きな虹のアーチが架かり、その上に〈Dance Dance Dance〉という今回のワンマン・ライヴのタイトルが踊る、SalSoulのレーベル・ロゴを彷彿させるようなセットが組まれた。大阪のクラブNOONの摘発に端を発し、全国的にクラブの営業が厳しくなっている中、風営法の改正を訴える署名活動などさまざまなアクションが全国的な起こっている。EGO-WRAPPIN’も日比谷野音の翌々日に〈SAVE THE NOON〉に出演するなど、音楽シーンの未来を脅かしかねないこの問題に対してかねてより異議を表明し、実際に行動しているが、今回のライヴ・タイトルには「ただただ踊る場所を守りたい」という、彼らのシンプルにして切実な想いが表れているように感じてならない。

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Dance To The Music」が流れる中、シルバーのマントのようなドレスが眩しい中納良恵と、クレイジーパターンのシャツを粋に着こなす森雅樹をはじめとする6人のメンバーたちがステージに登場し、一気に会場中が沸き立つ。楽器を手にした彼らは「Dance To The Music」のドラムのビートにあわせるように奏ではじめ、そのまま1曲目「デッドヒート」へと突入! EGO-WRAPPIN’が贈るダンス・タイムの幕が切って落とされた。アルバム『ON THE ROCKS!』収録の「天国と白いピエロ」「Mother Ship」、そして問答無用のキラー・ロッキン・スカ「BRAND NEW DAY」を立て続けに演奏し、冒頭からアッパーに攻めまくる。「アタマ4曲、飛ばしたで!」と挑発しつつ「たっぷりやりますから、自由に楽しんでな」と優しい表情で客席に語りかける中納。続いて披露されたのが、「Wherever You May Be」「love scene」「a love song」という、ファンの間でも人気の高いオーセンティック・スカ〜ロックステディのナンバーたち。夕暮れ時にお似合いのロマンチックな名曲群に続き、岡崎友紀が1980年に発表したラヴァーズ・ロックの隠れた名曲「ジャマイカン・アフェアー」をカヴァー。森ラッピンの通好みな選曲センスに唸らされる。メロウなムードから一点、キャブ・キャロウェイ「Minnie the Moocher」をニューウェイブ色強めのスカにアレンジ。サックスの武嶋聡による、エモーショナルな長尺ソロが、大観衆を大いに沸かせた。

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あたりが薄暗くなり、いよいよ夜に包まれてきた野音のステージ。ここで森から「今、アルバムを制作してます!」と嬉しい発表が。「年取ったのかバラードが好きになってきた」と少し照れたように前置きしたのは、この日が初披露となった「水中の光」。ホーン抜きの4ピースで演奏されたこの曲は、真船勝博が奏でるコントラバスの響きが印象的なフォーキーな楽曲。ピアノを弾きながら歌いあげる中納のヴォーカルが静かに盛り上がっていく、優しくも深淵なナンバーだ。劇場的で激情的な「下弦の月」「想像の美しい世界」と『EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXX』収録曲を立て続けに披露すると、中納とサックスの武嶋、トランペットの川崎太一朗がステージから消える。そして、バンドが『ないものねだりのデッドヒート』収録の「スカル」を演奏しはじめると、蛍光色にガイコツが光る〈スカルダンサーズ〉が登場。コミカルなダンスを交えながら歌い、ホーンを吹きまくるガイコツたちの姿に盛り上がる。通常の衣装に戻った中納がタンバリンを叩きながら踊り歌うロックンロール「Sundance」に続き披露されたのが、バズコックスのヴォーカリスト=ピート・シェリーが1983年に放ったヒット曲「Telephone Operator」のカヴァー。ニューウェイヴなダンス・チューンで、野音をディスコティークに変貌させた。曲終わりのMCで中納が「踊ったらアカンなんて、知らんやんな」と、このところ頻発しているクラブの摘発について疑問を投げかける。「(クラブのような踊る場所で)いろんな音楽やアートが生まれてきた」と、今回の〈Dance Dance Dance〉というタイトルに込めた意味を明かす。「これからも自由な感じで笑っていけたらいいですね」と希望を込めた発言のあとに披露したのが、60年代後半に活動した女性ソウル・シンガー=デラ・ハンフリーの、唯一のヒットとなった「Don’t Make The Good Girls Go Bad」。バラード曲を中納が見事に歌い上げたあとに演奏されたのが、ファンの間でもとりわけ人気の高い「雨のdubism」。もともと往年の歌謡曲のフィーリングをたっぷりと含んだ楽曲だが、この日は前曲の流れからか、少しリズム&ブルース色が強調されたような印象に。緑と紫の照明が水紋のように揺れる中、森のエキセントリックなギター・ソロとハタヤテツヤの流麗なピアノ・ソロの対比が今回も光っていた。

そしていよいよ終盤。「くちばしにチェリー」で、会場中が限界を超えた盛り上がりぶりを見せる。最前列から最後列の客席はもちろん、立見エリアの後方までがダンスフロアになったかのように踊り狂っている。曲中「ギミアボイス!」と煽る中納のシャウトに大声で応えるオーディエンスたち。そして本編ラストの「GO ACTION」では、途中で中納がステージを降りて、自由に歩き回りながら歌い上げた。後から聞いた話だが、この日の売店でのアルコール販売は、単独アーティストのライヴでは類を見ないほどの売れ行きだったという。気の合う仲間同士で美味しいお酒を飲みながら、好きな音楽にひたって、そして日常の悩みを忘れるように踊りまくる。人々が明日への英気を養うための、ごく当たり前の権利が脅かされようとしつつある現状に対して、しっかりと声をあげ、アクションを起こしていこうというEGO-WRAPPIN’の強い想いに満ちあふれたステージだった。

本編が終わっても鳴り止まない歓声の中、アンコールに応えたEGO-WRAPPIN’が演奏したのは、美空ひばり「リンゴ追分」が元となるスカタライツ「RINGO」のカヴァー。つい一週間ほど前に、東京スカパラダイスオーケストラのライヴにゲスト出演していた中納良恵と森雅樹の二人。その時に演奏した曲中でトロンボーンの北原雅彦が「RINGO」をソロに織り交ぜていたが、こうしてEGO-WRAPPIN’としてスカの定番曲を「RINGO」を真正面からカヴァーするとは意外。前半はインストで、後半は中納が美空ひばりを意識した歌唱でじっくりと聞かせた。そしてアンコール2曲目には、『Night Food』に収録された初期からの人気曲「黒アリのマーチングバンド」で、大いに盛り上がり終了。それでもまだまだ熱が冷めない観衆の声に、ダブルアンコールに応えるメンバーたち。中納がピアノの前に座り演奏しはじめたのは、同じく『Night Food』収録の「WHOLE WORLD HAPPY」。最後には会場中の大合唱となり、熱く夏の夜は幕を下ろした。

ライヴ中のMCで野音でのライヴを「毎年の恒例にしよう!」と中納が宣言していた。これからもダンスは止まらない。誰にも止められない。

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