BeepSpreeが2/13(月)渋谷WWWにて初のワンマンライヴ「BeepSpree FREE ONE MAN LIVE@WWW “STAY FOOLISH!!!”」を行った。BeepSpreeは昨年MAVERICK DC GROUPからデビューした5人組ロックバンドだ。彼らは昨年春の結成後から精力的なライヴ活動を重ね、ついに昨年末には事務所主催のイベント「JACK IN THE BOX 2011」で日本武道館のステージにも立った。そんな勢いを象徴するかのように会場を埋め尽くす満員のファン。この会場に居るのは全てBeepSpreeの為に集まったファンだ。彼らがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、待ちきれない気持ちを押さえつつ、まずその景色に心が震えた。
高まった会場の期待を一段、また一段と高める重厚な、かつ軽快なSEに乗り、登場したのは楽器隊の4人だ。そしてSEから流れるように1st Album『STAY FOOLISH!!!』の1曲目のナンバーでもある「Shake Shake!!」のイントロがスタートすると(またこの流れが憎いくらいにカッコ良かった!)、後に続いてVocalのヒロが登場。会場に充満した全ての感情を飲み込むようにBeepSpree見参だ!彼らも今日という日を待ちわびていたのだろう。メンバーそれぞれが会場に集まった1人1人のファンと目を合わせるようにパフォーマンスをする姿が印象的だった。
“挨拶”というより“先制パンチ”といった方が良いかもしれないほど、一気に会場をBeepSpreeの世界へと誘い、ライヴをスタートさせた彼らは「今日は最後まで楽しんでいってください!」というヒロからのMCも挟み、3曲立て続けにお見舞いする。骨太なロックサウンドの上に乗る、キャッチーで聴きやすいメロディ、BeepSpreeというバンドの持つ1つの顔が凝縮された3曲だが、それを象徴するように会場は右に左に、上に下に、彼らの音楽に身を委ねる姿が広がっていく。しかしそんなことを考えていたのも束の間、BeepSpreeはまた別の顔を覗かせる。
「自分の心の中で一番綺麗な故郷の空、景色を思い浮かべながら聴いて下さい」というヒロの言葉でスタートしたミディアムナンバー「Beautiful」では会場の誰もが自分の故郷を思い浮かべたに違いない。それは一重にヒロが、そしてバンドが表現力を地道に磨いてきた結果なのだと思った。彼らの持ち曲は決して多いとは言えないが、ただロックに突っ走るのではなく、“聴かせる”こともできる。それを本人達は口には出さないかもしれないがそれは間違いなく、奏でる音で、紡ぐ言葉で伝わっていた。
あっというまに前半戦が終わり、終盤戦のスタートはコータ(Bass)の先導のもと、メンバー全員がMCを披露。各々が自己紹介、このライヴに対する意気込みを語るという何ともアットホームなMCに会場は一転和やかムードに。そのまま初のMV制作曲となった「希-nozomi-」、そしてユウキ(Drum)、コータのソロパートへ。
このソロがまた圧巻!前半ではシュンジとテルヤのツインギターがソロを披露したが、彼らは個々の技術でも“魅せる”ことができる。昨年末の日本武道館で超満員のファンから上がった感嘆の声が頭をよぎった。またそれができるからこそ個々の技術を惜しげもなく披露し、そこから徐々にBeepSpreeの楽曲に移行していく、1つ1つの“輝き”が融合していく姿がとてつもなくかっこいいのだ!そして「メンバー5人だけでは今日のこのステージには立てなかった」(ヒロ)と支えてくれている全ての人に感謝の気持ちを伝え、ラストにBeepSpreeが世に初めて投下した“始まりの曲”「farewell」を披露。「farewell」は別れの意味を有した言葉だ。
彼らはここまで歩んできた道を決して振り返らず、ここからの更なる飛躍をステージを通して、ファンに誓っていたのだろう。最後はメンバー全員が深々と一礼し、初の東名阪ライヴツアーの開催を発表、“再会”をしっかりと約束し、BeepSpreeにとって初のワンマンライヴは幕を閉じた。結成して1年足らず、初めてのワンマンライヴに臨んだ彼らにはまだまだ荒削りな部分も多かったことは否めない。ただ彼らの去り際から感じられた清々しい充実感が物語るように、会場に集まった全ての人に”早く次の音源が聴きたい”、“早く次のライヴが見たい”と思わせるような、そんなライヴだった。BeepSpreeというバンド名は「Beep(音を鳴らす)」「Spree(騒ぐ、楽しむ)」という意味を持つ。
記念すべき初ワンマンのタイトル、そして1st Albumのタイトルに『STAY FOOLISH!!!』と名づけたのは、「バカになってこそ音楽を楽しむことができる」という彼らからのメッセージに他ならないだろう。そしてこの日彼らは間違いなく “バカ”になっていたし、そうなってこそ、この5人がBeepSpreeというバンドたる所以なのだ。その結果この日演奏が終わる度に降り注いだ拍手と歓声は、きっと彼らの胸に永遠に刻まれるはずだ。
BeepSpreeがBeepSpreeである限り、彼らはこれから先、より多くの人の心の扉を開いていくに違いない。そしてその“バカ騒ぎ”の輪は確実に広がっていくだろう。
〈Infomation〉
◆2012年 初の東名阪ライヴツアー決定!
詳細は後日オフィシャルサイトにて。
◆Live Info
2/28(Tue) Shibuya eggman
3/15(Thr) Shibuya O-nest
<関連リンク>
■BeepSpree Official Website