12月24日、RIP SLYME毎年恒例のクリスマスライブが行われた。11回目の開催となる今回、選ばれた場所はクリスマスライブ史上初の仙台の地。今年の4月?7月に実施された「STAR TOUR 2011」で、仙台・盛岡・茨城の3公演が東日本大震災の影響で中止を余儀なくされた事をうけ、今回TOURに足を運ぶ事が出来なかったファンに優先的にチケットを販売しての実施だった。チケットは即完売。会場となるZepp Sendaiの前には、オープンを待つファン1500人が長蛇の列をつくる。空からはちらちらと雪が降り始め、何とも神秘的なホワイトクリスマスの夜。
午後6時、定刻通りにライブはスタート!ステージ上に張られた白いスクリーンには「HOPE」の文字。客電が落ち「JACK GOES ON」のイントロが流れ出すと、一斉に沸き起こる歓声。曲中に幕が落ちるとそこにはポージングを決めた5人のメンバーの姿が。彼らの登場に待ちわびていたファン達の熱狂は早くも最高潮。会場内が一気に歓声に包まれると、そこからたてつづけに、「Don’t Panic」「Pop Up なう」「TOKYO STOMP」を披露。
RYO-Zが「やっとこれたぜ仙台?!」と興奮をあらわにすると、会場からは「待ってたよー」という暖かいレスポンスが。ここまでの4曲は、アルバム「STAR」収録曲で“STAR TOUR 2011”と同じ構成でのスタートとなった。そこから一気に「STEPPER’S DELIGHT」「熱帯夜」といういわずと知れたヒットソングの連発に、ファン達は早くも息切れ寸前。それを見越してか、ここでようやくRYO-Zの饒舌なMCが入り、一旦和みだす場内。
ここからクリスマスライブらしい「星に願いを」、復興支援という今回の趣旨にあった前向きなメッセージ性の強い「Dandelion」「STAIRS」「Today」等を続けて披露、名曲「One」はもちろんCHRISTMAS CLASSIC Version。ステージ奥の真っ赤な幕が中央からゆっくりと左右に開くと、同時にステージ上に大きなクリスマスツリーが登場し、会場は一気にクリスマスムード一色に。
それもつかの間、ここからがRIP SLYMEのライブの真骨頂とも言える、王道ダンスチューンの連続へ突入、「SCAR」「FUNKASTIC」「Good day」「Good Times」と客を熱狂させるも、今日はクリスマスライブ! アルバム「EPOCH」中の隠れたクリスマスナンバー「Present」のイントロで綺麗な鈴の音が鳴り響く。
ここで今回のライブメイン演出でもあるサプライズゾーンへ。RYO-Zの呼びかけにより、再びメンバー背後の幕が開くとそこには横一列に並ぶ制服姿の中学生達。今回仙台の地でのクリスマスライブ開催に備えて、かねてからのアイデアであった地元中学生のコーラス参加を実現。スタッフから呼びかけた宮城県石巻市の中学校3校から、この日の為に特別に編成された13名のコーラス隊をバックに歌う「Present」は、この地でのライブを楽しみにまってくれたファン達への、まさに最高の“プレゼント”となった。その余韻を残したまま、舞台バックが満天の星空に移り変わり、アルバム「STAR」からのリードトラック「センス・オブ・ワンダー」でしっとりと本編は終了。
鳴り止まぬアンコールの拍手の中、夏に発表した布袋寅泰「BAMBINA」のRIP流リメイクバージョンを披露。再び会場内を興奮の坩堝へおとしいれると、続けて披露した「JOINT」ではSUのおなじみのリリック「ストップ!」と同時に音とSU以外のメンバーの動きが一斉にストップし、そこで2度目のサプライズ演出。SUが声たからかにハッピーバースデーソングを歌いだすと、ステージ脇から用意されるバースデーケーキ。よくみると大きくPESと書いてある。突然の演出に照れながらも喜びを隠せないPESが可愛く大はしゃぎする中、ファンも一緒になっての大合唱で一瞬のうちに会場がハッピーな空気につつまれていった。
そこから再び「JOINT」に戻りきっちりと歌いきったが、RIP SLYMEはこんなところで終わらない。やはり最後は「Wonderful」!歌い始めると同時に会場へ送り込まれる真っ赤で大きな風船達、会場内をうめつくすファンの上を大きく跳ね回るも、途中で破裂。するとなかから小さな白い風船が多数飛び出すという仕掛け。赤い風船と白い風船が会場内を埋め尽くしこれでもかという程のクリスマスムードにもう言う事無し。
ここでも終わらないのがRIP SLYMEの凄いところ。Wアンコールの「マタ逢ウ日マデ」で、ファン達の心を次回のライブへと導くようにひと時の別れを告げ、全22曲、約2時間に及ぶライブが感動のフィナーレを迎えた。