ロックバンド・くるりの韓国、上海でのライブが11月27日、29日にそれぞれ開催された。11月27日に行われた韓国でのライブはくるりとして初のワンマンライブ。今夏、韓国のフジロックといわれるJISAN VALLEY ROCK FESTIVALに初めて出演し、大きな歓迎をうけたくるりが再びソウルに凱旋公演をした形だ。メンバーの登場から会場はヒートアップ。暗闇の中、会場の悲鳴とも歓声ともつかない大歓声にメンバーは驚くも、「LV30」のイントロのドラムで幕が開けた。1曲1曲に対するオーディエンスの反応も大きく、次第に演奏と観客とが解け合っていく様子が窺えた。なかでも映画「ジョゼと虎と魚たち」が韓国で大ヒットしたこともあり、韓国でも人気のある「ハイウェイ」では観客が紙飛行機をステージに向けて放ち、同じく人気の「ばらの花」ではバラの花をステージに向かって放つというサプライズが行われた。アンコールではファンが作った「くるり」とハングル文字で書いたTシャツを着て登場したくるり。500名を超える満員のステージで初の韓国ワンマンライブを大成功に収めた。
2日後の11月29日は、上海でライブを開催。夏には中国の夏フェス、泰山ロックフェスに出演し、上海でのライブは2度目となるがこちらもワンマン公演は初。日本人、中国人が混ざり合った観客は韓国のライブと同様、テンションも非常に高い。マーチやワンダーフォーゲルのようなアッパーな曲への盛り上がり方も非常に顕著で、経済発展著しい中国のエネルギーの一端を垣間見ることになった。
くるりにはこれまで中国でのみ演奏されている「China Dress」という曲があり、トランペット / キーボードのファンファンがボーカルをとって、中国語の歌詞をバラード調で唄っている。静かな曲ながら、ファンファンが中国語を歌う小節ごとに大きな歓声が沸き上がり、喝采をあびる。ライブ自体も実に大きな盛り上がりを見せ、上海でのライブも大成功となった。
韓国、中国ともにまだ何度もライブを行っている場所ではないが、映画や作品を通してくるりの音楽がそれぞれの文化、生活ですでに鳴らされ影響を与えている中で、その場所に演奏をしに行く、ということに今後のくるりの新たな可能性を感じたライブとなった。
くるりのツアーは12月7日&8日の新木場 STUDIO COASTでの公演でファイナルを迎える。
【公演データ】
11月27日 ソウル・V-Hall
11月29日 上海・ライブハウスMAO Shanghai