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2011森友嵐士LIVE TOUR『オレのバラッド』〜二人でしか奏でられないものがある〜

音楽

写真:カヤキヨシアキ

9月24日(土) 東京/日本橋三井ホール OPEN 16:15/START 17:00森友嵐士というアーティストは、どんなアーティストなのか。
このライブ・レポートの打ち合わせ後、色々と考えてみた。
もちろん、キーワードはいくつも存在した。
T-BOLANのボーカリスト、心因性発声障害から奇跡の復活、教員免許を持つ知性派、売れてもバイトを継続する義理堅い人柄…。
どれも彼を物語る上で重要な要素であろう。
しかしながら私は、何も知らなかった。
<現在>の彼をリアルに体感できる場所・スタイルとは一体??。
その答えはライブ・コンサートにあった。
自分自身の五体と五感を通して感じったことで、
本物という言葉に相応しい、稀有なアーティストであると確信できたのだ。
3.11東日本大震災の影響で発売が延期となっていた待望の1st Album『オレのバラッド』は2011年4月20日にリリース。
それを引っ提げて臨んだLIVE TOUR。
他にも同時並行で様々な活動を展開する彼は、実に多忙であったと容易に想像が付く。
そんな環境をもろともせず、圧倒的なパフォーマンスとアコースティック形式から繰り出すアットホームな空間は各地で絶賛。それが今回のLIVE TOURであった。
残すところ後2箇所。この度は佳境を迎えた日本橋三井ホールでの公演に一日、密着取材をさせてもらった。この日はなんとリハーサルの潜入取材の許可も降りた。
会場に入るとステージの上手で盟友の五味孝氏(ex.T-BOLAN)、下手に恩賀周平が機材を調整中。
少し経ってから、いよいよ三人揃ってのリハーサルが開始する。
現場は予想以上に和気藹々、そういう言葉がピッタリの内容だった。
とても興味深く、貴重な現場を取材できた。

リハーサルが終了し、程なくして開場。
すぐさま会場が埋め尽くされ(中には立ち見する人も!)、開演予定から約20分後、満を持して三人がステージに登場。
早速“名前のない者たち”のイントロが響き渡ると 、いよいよ本編がスタート。
「東京公演へようこそ!!!」の一声に会場のヴォルテージは最高潮に!

まず最初にライブの率直な感想から述べるが、圧巻の一言だ。
余計な解説や修飾語はいらない。どれを取ってもハイクオリティーなのだ。
けれども、ライブを観るまではとても不思議だった。
ステージにマイクを置いてからのブランク(およそ14年間)を考えると、普通なら有り得ない姿に。
なぜここまでのパフォーマンスを披露できるまでに至ったのか?
それらを紐解く鍵は、日本橋三井ホールに隠されていた。

続けざまにシングル収録曲の“涙の壁”やT-BOLAN時代の楽曲“愛のために 愛の中で”等を披露していく。
途中のMCでは広島での公演中、五味に起きたハプニングを談笑する姿に、会場全体はすでに温かい空気感だ。
それから何と言っても序盤戦の最大の目玉は、ソロでの弾き語り。
注目していた坂本九の不朽の名曲“上を向いて歩こう”のカヴァーは予想通りの素晴らしさだ。
(各地でサプライズ・ライブを敢行した彼だが、要望があれば一人だけのために歌った時もあるというから驚く)
歌を取り戻すきっけにもなった特別な曲が始まると、早くも涙を流すリスナーが続出。
LIVE TOURの真骨頂とも言うべき1曲で瞬時に空間を感動色に染めた思いきや一転、
「リクエストコーナーじゃないからね!」と忠告しつつ、“酒と泪と男と女”の即興で応える、茶目っ気たっぷりの場面も。

写真:カヤキヨシアキ

ソロでの弾き語りコーナーが終わると、再び二人が登場。
“じれったい愛”“Happiness”“刹那さを消せやしない”“Shake It”といった楽曲を中心に一体感・躍動感を増していく三人。

ライブ中盤のMCでは東日本大震災に対する想いや、
復興イベントLIGHT UP NIPPON(大槌町 / 岩手県)について静かに語った。
イベントのクライマックス、東北の数箇所で同時に打ち上がった花火を見て
「今まで見た花火で一番、透明だった。悲しみではなく、覚悟、祈り…。色で言うと白とか青とか、透明な気持ちの方。」現地に行った者にしかわからない、非常に重い発言が胸にグッときた。

そして自身の復活(アルバムコンセプト)にも言及。
「おめでとうではなくて、ありがとうって。その言葉が嬉しかった。」そう言葉をかけられるシンガーも、彼ならではだろう。
『オレのバラッド』のコンセプトは、バンドスタイル、アップテンポなビートを重視した楽曲を期待される声も数多くあったそうだ。
しかし「アップビートにこの思い達をのせてみたけれど、どうしても腑に落ちないんだ」と周囲を説得して、バラード集を創り上げた。
愚直なまでに、真っすぐに己を貫く一面が窺えるエピソードだ。

やがて終盤に差し掛かると“離したくはない”“祈り”“キズナ”のバラード攻めで会場を優しく包み込んだ。
私もしばらく余韻に浸っていたが、ふと我に返ると三人は静かに去っていた。
実際は何時間もの公演が、あっという間の出来事だった。
その後もいつまでも鳴り止むことがないアンコールの手拍子。すると自然に派生した“抱きしめていたい”の大合唱。
暫くして再び三人でステージに登場。(大合唱に合わせて、そのまま曲へと入る意気な演出!)
アンコールの2曲目、T-BOLAN初のミリオンセラーを記録した“Bye For Now”が終わると、
MCで周平は「二人が共に歩んだ20年間に温かい拍手を!!!」と絶叫。
会場は祝福ムード一色になると熱い抱擁と固い握手をそれぞれ交わし、五味と周平がステージを終えた。

一人残った彼は、ラストMCでLIVE TOURのサブタイトルについて口を開いた。
「二人とは、今日来てくれた皆一人一人。」なるほど、改めてアコースティック形式を選んだのはこういう意味だったのかと、納得できた。
最後の曲目“歌を見つけたカナリア”を熱唱し終えると一言、「ライブでしか味わえないニコニコな気持ち、本当にアリガトウ!」
嬉しそうに叫ぶと感謝の意が、ビシビシ伝わって来た。

予定されたセットリストはすべて終了し、会場はスタンディングオベーションで拍手の嵐。いつもでも鳴り止む事なく続いた。
こうして今夜のステージも大成功で幕を閉じたのだった。
敢えてもう一度触れておくが、彼のここまでの道のりは苦難の連続だったはずだ。
東京から富士山の麓へと拠点を移し、長期間に及んだ闘病?リハビリ生活。
いつ完治するかもわからずに、リハビリを一本のギターでサポートし見守り続けた五味。
最も近くで想いを共有し、献身的に彼を支えた家族。
その他もシンガーではなかった時期の彼と、何の疑問もなく温かく接した友人や仲間達。
言うまでもなく、音楽で出会った数々の戦友達??。それらのピースが一つでも欠けてしまえば、今日の奇跡的な復活は成し遂げられなかっただろう。
カムバックを果たした彼に皆が「ありがとう。」と伝えた真意。ようやくわかった気がした。
人間万事塞翁が馬ということわざが示すように、人生はいつ何が起こるかわからないものだ。
それでも、どんな状況に陥ろうとも現実から目を背けてはならないと教えられた。
ブレないこと、諦めないことの大切さ、プロフェッショナルの精神。
森友嵐士というアーティストの取材を通して、本当に多くのことを学べた。
さあ、今からでも決して遅くはない。
本質が問われる時代に突入した音楽シーンで、希少な存在となった本物アーティストの<現在>を体感できるチャンスは訪れている。
より多くの人、幅広い世代に知ってほしい。私はそれを切に願うばかりだ。

                 Text by: 峯松RxYxOx

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