昨日、5月11日にミニアルバム「花束」をリリースしたPragueが下北沢シェルターにて、セッションゲストに佐藤タイジとVOLA楢原英介を迎えてワンマンライブ「Prague Spring session“HANATABA”を行った。
3ピースの域を遥かに超えた緻密なアンサンブルと豊かなグルーヴに定評のあるPrague。
この日のワンマンライヴは、その魅力を大いに示しつつも、今までに体験したことのなかった表情も見せてくれた。なんと楢原英介(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)と佐藤タイジ(THEATRE BROOK/The Sunpaulo)をゲストに招いていたのだ。
スペシャルなセッションは、まず中盤の4曲で披露された。最初に登場したのは楢原英介。彼は金野倫仁(B)と同郷なのだという。
「俺と同じ千葉県佐倉市出身で中学も小学校も一緒。俺が1年生の時、楢原さんは6年生だったんです」と、金野が語り、地元の寿司屋の話などで和んだところで演奏がスタートした。楢原のヴァイオリンの調べによって、曲に美しい奥行きが生れた「Negai」。
楢原の鍵盤に彩られながら、メロディが温かく躍動した「夜半に問う今」。贅沢な味わいに満ちた2曲となった。
続いて登場したのは佐藤タイジ。「お客さんの反応を気にせず、言いたいことを言えばいいんだよ」という大先輩らしいアドバイスが早速飛び出し、鈴木雄太(G & Vo)が照れ笑いを浮かべていたのは、心温まる場面であった。
佐藤のブルースフィーリング溢れるギターと歌が、Pragueのプレイと素晴らしい化学反応を生んだキャロル・キングのナンバー「IT’S TOO LATE」。
これは鈴木の説明によると、学生時代によくコピーしていた曲だという。そして、普段のライヴでもPragueのグルーヴのキレの良さが抜群に発揮される「Slow Down」が、佐藤のエモーショナルなギターによって、一層のドラマチックさを帯びたのは、心底ワクワクする体験であった。
アンコールでは新曲を2曲も披露してくれた他、再登場した楢原と佐藤が加わった5人編成による「バタフライ」でも観客を沸かせた。5人がソロを回し合い、曲をドラマチックに展開させて行く様が実に素晴らしかった。大先輩とのセッションだったわけだが、プレイで対等に渡り合っていたPragueの姿に唸らされた。演奏力に定評のあるPragueだからこそ実現出来たサウンドだったと思う。この日のステージで得た刺激と自信は、Pragueをさらに進化させるに違いない。 (田中大)