今年デビュー25周年を迎え、8/25にリリースした21枚組完全生産限定アルバムBOX『Wonderful Moments 25th』も大好評、そして『ガリガリ君』とのコラボレーションも大きな話題をふりまいた渡辺美里が、恒例の夏祭り公演“Misato Watanabe 25th Anniversary Summer美里祭り2010 Song is Beautiful Party!Party!”の初日を、8月28日(土)、富士山の麓、山梨県・河口湖ステラシアターで開催した。
女性ソロシンガーのスタジアム公演としては史上初の快挙となった25年前の西部球場から始まり、毎年欠かすことなく歴史を積み重ねてきた恒例の夏祭り公演は、例年は1会場のみで開催することが多いが、今年は25周年というアニバーサリーイヤーにふさわしく、8/28(土)29(日)の河口湖ステラシアター2DAYSに加え、9/4(土)札幌・芸術の森 野外ステージ、9/11(土)福岡・海の中道海浜公園 デイキャンプ場 と、18年ぶりとなる全国3会場での開催が決まっているなど盛り上がる中迎えた初日は、まさに“パーティー!パーティー!”というタイトル通り、25年に及ぶキャリアの大ヒット曲満載の息つく暇もないほど充実の3時間にも及ぶLIVEとなった。
巨大なリボンに彩られ、“Misato Watanabe 25th Anniversary”というロゴが燦然と中央に輝くセットがまばゆくポップなステージに渡辺美里が登場すると、ソールドアウトとなっている超満員の3,000人の観客からは割れんばかりの歓声があがり、大ヒット曲「GROWIN’ UP」からライヴはスタート。「夏が来た!」「悲しいボーイフレンド」など代表曲がいきなり続き、美里が「25年目の美里祭りがついにやってきましたー!」と煽ると、序盤から会場中のテンションが高潮する中、序盤戦からなんと30分以上にも及ぶ圧巻の25曲メドレー「Song is Beautifulメドレー25」に突入。人気曲「センチメンタル・カンガルー」から始まり、これでもかと怒涛のように展開される25曲に及ぶメドレーでさえ、1曲1曲から鮮烈に当時の記憶が鮮明に蘇っていく。
これだけの数、1人1人の大切な思い出とリンクする楽曲を世に発表し続けてきているアーティストは数えるほどもいないだろう。改めて、渡辺美里というJ-POPにおける1つの革命(レヴォリューション)を起こした稀代のヴォーカリストのすごさを思い知る。
メドレーが大団円を迎え、MCで渡辺美里が今から歌う曲に込めた熱く真摯なメッセージを伝え、しっとりと歌い始めたのは、渡辺美里が「聴いた瞬間、どうしてもこの曲は自分が歌いたかった」という、「始まりの詩、あなたへ」。その魂の歌唱が心に染み入る。
続けて、本日のゲストの登場。各会場でゲストは変わるが、この日、初日のゲストとしてステージに登場したのは、なんと渡辺美里と小学校が同級という日本を代表するピアニストの塩谷哲(しおのやさとる)氏。「ランナー」「素顔」の2曲を絶妙なコラボレーションで素敵に聴かせてくれた。その後、塩谷氏が1曲自身の曲を披露すると、青から赤に鮮やかに衣装チェンジをおこなった渡辺美里が再び登場すると、この日のサプライズな演出が。最新シングルともなっている「春の日 夏の陽 日曜日」のパフォーマンスの前に、この曲がテーマ曲ともなっている大人気ラジオドラマ『NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE』の人気キャラ、“安部礼司”と“刈谷勇”からのコメントが流れる。番組をよく知る会場からは、思わず笑いと拍手がこぼれる。
そこからは、最新シングル「ニューワールド 〜新しい世界へと〜」「チェリーが3つ並ばない」「すき」など大ヒット曲が続き、本編は「サマータイムブルース」で大盛り上がりの中、幕を閉じる。
そして、アンコールで渡辺美里が登場すると、再び、会場は割れんばかりの大歓声に包まれる。アンコール1曲目は、再度、塩谷哲氏をステージに迎え、「10 years」「My Revolution」という渡辺美里にとって、2大代表曲といっても過言ではない名曲をスペシャルバージョンで立て続けに披露し、この1番のハイライトを迎える。
最後、「サンキュ」で会場中がひとつになり、感動のラストを迎えると、河口湖湖畔からは、祭りの締めくくりにふさわしい見事な打ち上げ花火が打ちあがり、美里祭りの夜空を満面に咲き誇る様は、渡辺美里の夏が今年もそして来年以降もまだまだ続いていくことを、力強く宣言してくれたように思えた。