日本中、いや世界中を熱狂させながら先頃閉幕したサッカーワールドカップ南アフリカ大会。かねてよりこのサッカーの祭典と様々な接点を持っていたジャンルレスでボーダレスな7人組FUNKISTは、大会開催中となる6月16日(水)に2枚目のフルアルバム「FUNKIST CUP」を発売した。発売後彼らは6月20日から7月3日にかけて南アツアーを敢行。現地で日本戦も観戦したのだが、なんと彼の地のスタジアムでのライヴも実現させてしまったという。盛り上がる南アとFUNKISTの様子は、時事通信社のニュースやNHKニュース、人気ワイド番組「ミヤネ屋」などでも少々取り上げられていたのだが、何とイギリスのBBCニュースにも登場してしまったんだとか…(驚)。
前作アルバム「SUNRISE 7」から約1年と4ヶ月を経て発表された「FUNKIST CUP」は、彼らが「自身ベスト盤」と評するように、各方面で高い評価を得ている。16ヶ月の間に経験してきた全てを血肉とし音楽に昇華させた全14曲は、そのどれもが「これぞFUNKIST!」という魅力に溢れまくっている。早くステージでFUNKIST CUPを体感したいと思う向きも多かったことだろう。去る7月17日、FUNKISTのメジャーデビュー2周年+1日という記念の日に、アルバムと同名のライヴイベント「FUNKIST CUP」のファイナル公演が行われた。基本はFUNKISTと対バン1組による2マンの形式で、09年初頭より行われてきた「FUNKIST CUP」。今年初頭には同じ冠での自身初のワンマンツアーなども挟みつつ、ついに迎えたこのFINAL公演。会場の渋谷O-westは、まさに立錐の余地もないほどの超満員である。当日のラインナップは、FUNKISTの盟友、富山の虎ことRED JETS、前日大分でのイベントを終え同日にはオールナイトイベントがあるにも関わらずその合間での出演を快諾したというダイノジ、「ピースボール」のPV出演や南アツアーでもコラボしたフリースタイルフットボール集団球舞、4月の渋谷AXでの熱狂のステージも記憶に新しいLeyona、そしてLatyr Syという、ファイナルに相応しいどれも見逃せない豪華なメンツ。まずはしょっぱなRED JETSがパワフルでアツくてピュアなステージで会場を盛り上げ、続くダイノジはもはや名人芸と呼びたくなるDJとパフォーマンスとで更に会場の温度を上げていく。FUNKISTの「BORDER」では早くもFUNKISTメンバーがステージに乱入というサプライズ(?)も飛び出した。続いて球舞は、なぜO-westでそんな事が!?という驚きのスーパーテクニック&足技で観客をアゲにアゲていく。なぜか登場したギターのヨシロウが会場に蹴り込んだ青いボールには実は、同日の全ての出演者のサインが書かれていたという、ゲットした人には驚きのプレゼントだったそうだ。
20時を少し過ぎた頃、おなじみゴダイゴの「モンキーマジック」のSEと共についにFUNKISTが登場、アルバム1曲目の「Traveling」でFUNKIST CUP FINALをスタートさせた。上述の南アツアーがよほど充実していたのか、帰国後初となるこの日の演奏はいつにも増してグルーヴィーだ。楽しそうにステージ上を暴れまわりながら歌い演奏する姿はいつもと変わらないFUNKISTなのだが、再びの南アを通じた経験がより一層力強いグルーヴに姿を変え、ステージから放出されているような感覚だ。続く「ムーンライズ カーニバル」では早くも会場中がタオルで埋まり、2F席から見られる光景はさながらタオルの海の様相。クールダウンした「mama」をしっかりと聴かせた後、超絶グルーヴなイントロに乗せて呼び込まれたLeyonaとLatyr Sy。「MAMA AFRICA」「2010」「RISING HOPE」と立て続けに披露されたドリームコラボは、この日もまた見事な化学反応でもって会場中を一つにまとめてしまった。一転、完全なるアンプラグドで披露された「Don’t cry baby」から、アルバムの最後に収録された、壮大にして実にシンプルに「愛」を歌った「愛のうた」でもう一度会場中の気持ちを集め、FUNKISTにしか奏でられないであろう「Wonderful World」からラストの「GO NOW」では、もう誰にも止めることのできないグルーヴと盛り上がりでフロアを満たした。ここで一旦ステージを去ったFUNKISTだがもちろんアンコールの声が止むことはなく、再びステージに戻った彼らは球舞を招き入れ、そのPVさながらに「ピースボール」を披露。メジャーデビューから2年を経て、新たな一歩を踏み出しながら、かつ初心に帰るためというMCとともに「BORDER」が演奏されると、RED JETSの面々、巨大なサッカーボールオブジェを抱えたLeyona、浴衣に着替え、曰く「西郷どん」に扮したダイノジ大地氏と大谷氏、そして球舞の面々と、今日この場所に集まった全員が再びステージ上に集まり、フロアも含めた今日一の盛り上がりに。「最後みんなでジャンプね」と呼びかける染谷西郷は続けて「あ、陽子ちゃんも降りてきて」と、昨年よりライヴ活動を休養しているFUNKISTのフルーティスト春日井陽子を2F席から呼び寄せ、ステージ、フロアとも本当に全員でのジャンプとともに、FUNKIST CUP FINAL公演は幕を閉じた。
南アフリカ、サッカー、アルバム発売などなど、この日のファイナルがきっと成功するであろう予感は実は、既に開演前から感じていた。しかし実際ライヴが終了してから思うのは、FUNKISTは既に次なる一歩を踏み出しているんではないかという事だ。ファイナルは自身が溜め込んだ力をきちんと皆に感じてもらうための区切りとして、絶対成功させなければならなかった事。でも僕らは既に次のライヴに向けて走り始めているから、次のライヴではきっと、もっと成長しているFUNKISTを見てもらえると思うよという思いが、誰もいなくなったステージから発せられていたように思うのだ。目が離せないという言葉はFUNKISTのためにあるのかもしれない。次にステージに立つFUNKISTが本当に楽しみになる、FUNKIST CUP FINAL公演だった。
■FUNKIST / FUNKIST CUP
■発売日:2010年6月16日(水)/ PONY CANYON
■品番:【初回限定盤】PCCA-03197(CD+DVD) 【通常盤】PCCA-03198(CDのみ)
■価格:【初回限定盤】¥4,200[tax in]CD+DVD 【通常盤】¥2,980[tax in]CDのみ
<関連リンク>
■オフィシャルサイト