──ニューアルバム『あいすること』は約3年ぶりとなるフルアルバムです。この3年の間にお子さんが誕生し、アーティスト活動をお休みされていたそうですが、母親となって音楽との向き合い方、音楽に対する想いや、制作面で歌詞のテーマ、内容などに変化はありましたでしょうか?
子供が産まれ、かけがえの無い大切な存在が出来た事で、初めて「愛するってこういう事だったんだ!」と、感じる事が出来ました。これまで感じていた愛情とは全然違うんですよね。生活も優先順位も180度変わり、考え方や物事を見る視点もガラッと変わった事で、歌詞の書き方も歌う姿勢にも大きな変化があったと実感しています。又、少しお休みをしていた事で、すごく新鮮な気持で制作をする事が出来ました。とても楽しかったです。
──今作の制作は、いつ頃からスタートされたのでしょうか?また、制作にあたってこだわったのは、どのようなところですか?
アルバムの半分くらいの曲は、産後から自宅で作り始めていたり構想があったりしていたのですが、本格的に制作が始まったのは、今年の3月からでした。今まではもっと短いスパンで一気に作っていく事が多かったのですが、今回は子育てと両立をしながらになるので、いつもより早めに始めさせて頂きました。ざっくりとしたアルバムのテーマはありましたが、自分でもどんな楽曲が出来上がっていくのか分からない部分も多かったので、制作を進めていきながら、アルバムの方向性を練っていったという感じになります。
──愛する人への決意、片想いや許されない恋、女友達との友情、そして、幼い子供に対する親の想いなど様々な愛の形を描いた11曲が収録されていますが、レコーディングはいかがでしたか?
今回の最大のテーマは、子育てとの両立(笑)。初めての事なので、本当に制作が出来るのか、私自身不安を感じながらのスタートになったのですが、やってみたら以外と大丈夫でした!勿論、制作に使える時間は限られているので、今までの様に一日中曲の事を考えながら過ごす、、、なんて事は出来なくなりましたが、その分、集中力がすごくつきまして、“この3時間しかないんだ!”という状況に置かれると、人間って出来てしまうものなんだなと(笑)、自分でもビックリしています。とはいえ、制作したくてもお熱が出て預けられない日もあったり、一日中子供の機嫌が悪くて何も出来ない事もありましたが、スタッフの皆さんのご配慮のお陰で、色々ありながらもなんとか完成しました。
──それでは、収録曲についてお聞きします。リード曲の「あなたとめぐる季節の中で」は、サビの「もし 世界が終わる時も/あなたとずっと寄り添て生きいから」という歌詞が耳に残る決意のラブソングです。どのような想いから歌詞を書かれたのでしょうか?
この曲は、普遍性のあるラブソングを、、、というリクエストを今井良介さんにお伝えして、今井さんに楽曲を頂いてから歌詞を考えていきました。最初にメロディーを聴いた時に浮かんだのが「もし世界が終わる時も」というフレーズになります。歌詞を考えている時に、ちょうどテレビで哀しいニュースが流れていて、私や家族にもいつどんなことが起きてもおかしくないんだなって思ったら、すごく怖くなったんですよね。突然どんなことが起きても、世界が終わる事になってしまっても、私は後悔が無い様な生き方をしているのかなって考えた事から、世界観を膨らませていきました。病気や事故、災害、、、いつ何が起きるか分かりません。近い存在の人ほど、恥ずかしくてなかなか日々の感謝の気持ちや愛している気持ちを伝えられないでいる事が、きっと多いんじゃないかなって思います。自分も後悔しない様にちゃんと伝えていかなきゃって、そんな風に感じて頂けたら嬉しいです。
──「あなたとめぐる季節の中で」はミュージックビデオを制作されていますが、どのような作品に仕上がりましたか?また、撮影はいかがでしたか?
春夏秋冬、、、季節を追いながら、一組のカップルの日常を描いた作品になっています。長く一緒にいれば、良い時も悪い時もありますよね。後半では突然の別れのシーンやキスシーンなど、ハッとする様な場面が鏤められていて、ドラマティックな展開になっています。私はとても見晴らしの良い場所で撮影を行いました。映像には映っていませんが、目の前に海が広がり、気持が良かったです。真夏の撮影でしたが、雰囲気的に夏の太陽というよりは曇り空がイメージに合っていたので、当日の朝、曇った空を見てガッツポーズ(笑)。晴れでも雨でもなく、希望していた曇り空になって本当にラッキーでした。
──3曲目の「東京の空」は、「気付けば生まれ育った街と/同じ月日が経っていた」という主人公の上京当時の想いと今の心境を描いた歌詞が印象的です。Tiaraさんも単身上京してから18年が経つそうですが、上京当時と現在とで東京という街に対する想いは、どのように変わりましたでしょうか?
私は18歳で単身上京をしたのですが、そう言えば今まで東京をテーマにした曲が無かったなって思ったんです。そこから色々と考えていたら、上京してから今年でちょうど18年が経った事に気が付きました。生まれ育った故郷で過ごした年月と同じ時間が経っているんだなって思ったら、すごく感慨深いというか、これまでの事を色々想い出しましたね。上京当時はとにかく夢を叶える事に必死で、アルバイトを3つ掛け持ち、この街で生きていく大変さを痛感しながら何とか頑張って生きていたという状況でした。家族も友達も居ない。頼れる存在も無い中でそれでも頑張って来れたのは、東京には私と同じ様に、地方から出て来て頑張っている人たちが沢山いたからだと思います。故郷とは、歩くスピードも、人との関わり方も全く違うので、田舎育ちの私は今でも時々疲れてしまう事がありますが、そんな時に空を見上げては、自分の心のあり方や居場所を再確認したりしています。同じ空だけど、見る場所によって見え方が全然違うんですよね。「この広い空の下に あなたがいると思うだけで 今日も頑張っていけるよ」という歌詞は、そんな風に時々空を眺めて、故郷の事を思いながらつけた歌詞です。
──幼い子供を想う親の愛情を歌ったタイトルナンバー「あいすること」は、Tiaraさんが作詞、作曲を手掛けています。楽曲制作はいつ頃、どのように進められたのでしょうか?
この曲は、産後2ヶ月くらいの時に作った曲になります。授乳で1、2時間の睡眠しか取れませんでしたし、当時は慣れない育児でいっぱいいっぱいで、まだまだ育児を楽しむ余裕なんて無かった時期でした。そんな時に、久しぶりにパソコンを開いて音楽を聴いていたら、ふわっとメロディーが浮かんで来たんです。子供を抱きながらメロディーを口ずさんでいたら、どんどん想いが溢れて来て、まだ気が早過ぎますが、いつかは大人になって私の事を必要としなくなるんだなとか、お嫁に行っちゃうんだなとか、そんな事を考えていたら涙が止まらなくなってしまって(笑)。こんな風に辛い時期も、きっとすぐ過ぎてしまうのかなと思ったら、少し気持が楽になったんですよね。なので同じ様に、今子育てで大変な思いをされている皆さんに是非聴いて頂けたら嬉しいです。
──9曲目の「My Girl Friends / Tiara × AZU × 片桐舞子 (MAY’S)」で、AZUさん、片桐舞子さんとご一緒されていかがでしたか?ミュージックビデオも制作されていますが、撮影はいかがでしたか?
以前から、同世代の女性アーティストと一緒に歌いたいという気持があったので、今回こうしてAZUと舞子ちゃんと一緒に歌う事が出来てとても嬉しいです。二人とは年齢もほぼ同じですし、デビューのタイミングも近いので、昔から良くライブで一緒になって、楽屋で話したり、プライベートでも交流があったり仲良くさせて頂いて来ました。歌声でもお分かりになるかと思いますが、3人とも個性がバラバラで三者三様。ライバルというよりは、戦友という表現が近いかもしれません。今日まで歌い続けてこられたのは、二人の様な存在いたからだなって思うんです。今回二人とは久しぶりに会ったので、話したい事が沢山あって、女子会のノリで楽しいレコーディングとなりました!テーマは、アラサー女子によるアラサー女子の為の応援歌!(笑) 酸いも甘いも経験した私たちだからこそ、説得力のある歌が歌えるんじゃ無いかなって思ったんですよね。お仕事も恋も頑張っている女子の皆さんに、聴いて頂きたい一曲です。
──ラストナンバーの「たしかなこと」は小田和正さんの名曲カバーです。カバーされたキッカケをお聞かせいただけますか?
子供が産まれてから価値観が変わり、今まで聴いて来た曲達も全く新しい聴き方が出来る様になりました。この「たしかなこと」もその内の1曲で、産後にこの曲を聴いていたら、子供の未来の事、故郷の家族の事、淡々とした日々の中にある沢山の幸せ、、、様々な感情がこみ上げて来て、思わず泣いてしまいました。元々大好きな曲でしたが、更に好きになり、この曲をあまり知らない世代の皆さんにも是非聴いて頂きたいと思い、歌わせて頂きました。耳元に寄り添っている様なイメージで歌いたかったので、極力声を張らず、優しく歌う事を心がけています。
──そして、リリース後は3年ぶりのインストアライブも決定しています。ファンの皆さんはワンマンライブの開催も期待していると思いますが、今後の抱負をお聞かせいただけますでしょうか?
まだまだ復帰したばかりで手探りな状態ですので、なかなかワンマンライブの開催まで準備ができていない状況ではありますが、個人的には勿論時期をみて行いたいと思っていますし、子育てとのバランスをみながら、制作も続けていけたらと思っています。これからも、等身大な私で様々な愛を表現していけたら良いですね。個人的には、もう少し子供が大きくなって、ママの歌う姿に何か感じてもらえる日がきたら嬉しいなと思っています。
2. Innocence ~許されない恋~
3. 東京の空
4. さようならも言えないまま
5. New Love ~Interlude~
6. あいすること
7. 陽炎
8. #happyholiday
9. My Girl Friends / Tiara × AZU × 片桐舞子(MAY’S)
10. One Way Love
11. たしかなこと
【CD情報】
playlist Zero / CROWN RECORDS
発売:2017.09.20
CRCP-40524
2,778(税抜)
CD購入
オフィシャルサイトはコチラ!
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Tiara『あいすること』発売記念ミニライブ&サイン会
【日時】 9月23日(土) 16:00~
【場所】 流山おおたかの森 S.C 本館1F 正面入口(ケヤキ前)広場
【内容】 ミニライブ&サイン会
※イベント詳細:http://www.crownrecord.co.jp/artist/tiara/whats.html
※最新のLIVE情報はOfficial HPをチェック!
http://tiaraweb.com/
静岡県浜松市生まれ。
幼少の頃から美術に傾倒し、学生時代は美術デザイン学科で描画三昧の生活を送るが、高校卒業後に単身上京した後次第にアートから音楽へと情熱が傾き、ヴォーカリストとしての修行を積む事となった。
自身のソロデビューを目指しながら、2004年からはバッキングコーラスとして経験を重ね、ケツメイシの「さくら」をはじめ数々の楽曲にコーラス参加。
そして2007年7月、当時ケツメイシプロデューサーであったYANAGIMAN氏プロデュースで、インディーズデビュー。AEON「Yukata★Magic」CMタイアップ曲に起用された1stシングル「Magic☆」等をリリース。
2009年9月、シングル「さよならをキミに… feat. Spontania」でクラウンレコードよりメジャーデビュー。FM・AM計23局でヘビーローテーション曲に選ばれ、スマッシュロングヒット。同曲は配信で累計100万DLを記録し、2009年の数々の新人賞を獲得した。
2010年1月には2ndシングル「キミがおしえてくれた事 feat. SEAMO」、3月には3rdシングル「Love is… with KG / 好きでいさせて」をリリース。同年5月にリリースした1stアルバム「Message for you」では、オリコンアルバムチャートにてデイリーチャート6位、そしてオリコンウィークリーチャートでも初登場10位にランクイン。
その後も、WISE、MIHIRO~マイロ~、So’Fly、K.J.、傳田真央、YUKA(moumoon)らとのコラボレーション曲を発表し、2011年9月にはデビューから2年の集大成ともいえる、初のコラボレーション&ラブソングアルバム「LOVERS ~Tiara Collaborations Album~」をリリース。
2012年7月には、初のカバーアルバム「Sweet Flavor ~cover song collection~」をリリース。DEPAPEPEとナカムラヒロシ(i-dep)がプロデュースし、男性のラブソングをカバー。
2013年1月にリリースした4thアルバム「Emotion」では、Tiaraを含む12人のシンガーソングライター(広瀬香美、古内東子、岡本真夜、EPO、川嶋あい、熊木杏里、露崎春女、JYONGRI、平松愛理、川村結花、矢井田瞳)が楽曲を書き下ろし、話題に。同年7月には、初のベストアルバム「Tiara BEST」をリリース。デビューから4年間の集大成を飾る。
そして、2014年2月には、ラブソングカバーアルバム「Lady ~Tiara Love Song Covers~」「Girl ~Tiara Love Song Covers~」を2枚同時リリース。往年の歌謡曲とTiaraと同世代の時代を継いだラブソングをカバーし話題に。
2014年9月、5枚目となるアルバム「Something Four」をリリース。TEEとのデュエット曲「たったひとつのI Love You with TEE」では、自身の結婚発表後初のラブソングという事で注目を集め、配信チャート上位にランクイン。
Tiaraが紡ぎだす詞の世界感は、幅広い層の女性から支持を受け、“新世代の恋の伝道師”の呼び声も高まっている。「嬉しいとき、悲しいとき、どんな時でも、皆さんの日常のすぐそばに、私の歌が寄り添っていられますように願っています」という彼女の思いとともに、その切なく透き通った歌声が、多くの女性の共感を呼び、世代を超えて響き渡っていく。